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第8話……最悪の潜望鏡
8
加賀は程よく溜まった鈍い金色の浴槽に身をゆだねた。
大きく息を吐き、脚を大きく広げて広い浴槽を満喫しているようだ。
あたしも彼に続いて湯船に身を沈めた。
新人の頃から何かにつけて偉そうに口を挟んでくる加賀。本人は多分、何も知らない新人に助言しているつもりなのだろうが、その口調が厭味でいけ好かない。
あと、あのカサついた肌がどうも好きになれない。メタボ予備軍のような体型のくせにプニョプニョした感じがないのだ。あたしはデブ専というわけではないが、あのプニョプニョした肌触りは結構好みだったりする。
「里香」
加賀があたしに向かって、そう言った。眼が何か含みのあるいやらしい光に帯びている。
「は、はい!?」
あたしは不意を付かれ、素頓狂な声を上げた。
こいつは何を勘違いしているのだろう? あたしの秘密でも握ったような優越感でも得ているのだろうか?
「加賀さん、すみません。今、あなたの前にいるのは香山里香ではなくて、あくまで亜里抄なんで……できれば源氏名で呼んでもらえますか?」
あたしは凛とした態度で加賀に言った。
加賀はあたしの気迫に気圧されたように「ああ、いいよ」と呟いた。
その後も何か言っていたようだが、あたしの耳には聞こえないような小さな声で呟いていただけだった。
「じゃあ、亜里抄ちゃん。とりあえず、咥えてよ」
加賀は自分のモノを湯船から顔を覗かせ、指差した。
加賀は腰を浮かせ、首と足で自分の体を支え、それを突き出している。
あたしは彼の股のところに位置し、彼のお粗末なモノを咥えた。
この業界では潜望鏡という名の技だ。
さっきの感じだと加賀はあまり長持ちしないと思われた。
フェラチオは意外と疲れる。加賀の持ち物くらいではそうでもないが、たまに顎が外れるかと思うほど大きい男性がいる。
お客様でそういう人の場合は、申し訳ないが奥まで咥えるようなことはせずに正直に大きいことを告げる。
男というのは自分のモノが大きいとか太いとか言われると喜ぶので、大抵のお客様には何かしら褒めることにしている。
だが、加賀のものを咥えるなんて仕事じゃないとごめんだ。大体、奴に触れることすら嫌なのに……
あたしは速攻で終わらせるために持てる技を使って、加賀を攻めた。
唾を口腔内にいっぱい溜め、あたしは派手に音を立てた。
加賀の一物が口の中でピクピクと振動するように動く。
横目で加賀の全体を見回すと爪先に力が入っているようだ。
たぶん、もうすぐ果てるだろう。
あたしは一度口からそれを放し、右手で激しく上下にしごいた。
それからもう一度咥え直した瞬間だった。
ドピュッ!!
口の中に生暖かいものが広がる。
喉の奥にそれがぶつかった。
吐きそうに苦い。
あたしは吐き出したく、急いで彼から離れようとした。が、離れることができない。
後頭部にあった加賀の手に力が入る。
「そのまま、飲めよ」
最悪!!
あたしの心の中で一層、彼への嫌悪感が増した。
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