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初めてのデート(5)
薄明かりのなかで彼の男性におずおずと手を伸ばしながら、私は不思議な感覚に襲われた。
ぐらりと天井が揺れて平衡感覚がなくなるみたいな気持ちだ。

そう、不思議。
多分、一年前ならこんな状況でも、男性の性器に自分からキスをしようとは思わなかった。
乞われてもどうにかして避けようとしたと思う。
当時の彼のものを何度も口にしたけれど決して慣れることはなかったし、したいと思う気持ちは全くと言っていいほどなかった。
彼のことはあんなに好きだったのに。
今は、好きと言う感情があるのかないのか、多分ないと思う、そんな状況なのに私は自分の意思で彼の男性に唇をつけようとしている。
そうしてその状況に激しく興奮している。
今、こうして手を伸ばしかけているだけであそこがぬるぬるしてきている。
先ほど背中をキスされた時のような感じ方とは違った興奮が体の中におこってきていた。
うなじや背中を愛撫されていたときは、そこから下半身の真珠に電流が流れるような感じだったが、今は逆に体の奥底から湧き上がるような昂ぶりがある。
私は彼のシンボルをささげ持つようにすると、その側面に軽くくちづけをした。
男性自身は既に興奮から硬く大きくなっていて、その先端から糸を引く液体を分泌していた。
流れ落ちるそのしずくを舌を出して掬い取ると、わずかな酸味が口の中に広がった。
再び側面に唇を這わせると丁寧に丁寧に根元から先端までキスしていった。
舌をすぼめて先端の小さな割れ目をつつくと、正面からまじまじと見てみた。
昔の彼より大きくて形が整っている感じがした。
それは包皮が余っていないからだと思った。
その整ったペニスの先端をゆっくりと口に含んだ。
先端はざらざらなざらつきがあったが、ぷにぷにとした感触が気持ちよかった。
男性のシンボルを愛おしいと思った。
前には感じたことのなかった気持ちだった。
口の中にぎりぎり奥までほうばり、また出してみた。
歯をたてて痛がられた経験から、唇をすぼめて決して歯があたらないように注意した。
彼がうめき声を上げるのがわかった。
感じているのだったら嬉しいと思った。
先ほど映画の中で見た女性の真似だったのだが、そうして男性自身を愛撫しているうちに自分が映画の中にいるような錯覚に襲われた。
ペニスを唇に含んで舌で転がしながら、両の手のひらで下の袋状のものを揉みしだくようにしながら引っ張った。
「あっ、だめ!」
突然彼が腰を引くようにした。
その瞬間彼の男性からびゅっと白いしぶきがほとばしった。
断続的に放出されたそれは私のうなじから胸にかけて白いオブジェを作った。
久しぶりの精液の香りはなぜか前ほど嫌なものではなかった。
「ご、ごめん。」
「いいの、大丈夫。」
彼が差し出したタオルでぬぐうと、もう一度シャワーを使うために体にまとわり付いているガウンを引っ張り上げた。
彼は少し恨めしそうな表情で浴室に向かう私を見送った。

再びシャワーを使ったとき、体は火照っているのに今日はここまでと言う気がした。
それは彼がそれで許してくれなかったらまた違う展開になるのだろうけれど、でも今日はもうそうならない気がした。
私はワンピースを着て汚れてちょっと身に着けるのに抵抗があったけれどショーツに足を通し、浴室を出た。
「今日は帰るね。」
そういうと彼は「もう帰っちゃうの?明日会える?」と聞いた。
「うん。」
そう頷くと、「何時?」とまた聞いてきた。
私はこれきりにはしたくなかった。
体の火照りは明日までには静まるのだろうけれど、逆に性に対する興味がますます強くなって行くのがわかった。
「2時。」
「どこで会う?」
「ここに来るわ。」
そう言って、私は玄関のほうに向かった。
「ほんとだよね?」
そういいながら彼は家まで送ると言い出した。
マンションの入り口までにしてもらって私は彼と別れてタクシーを拾った。


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