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絶頂(3)
どのくらいの時間だろう、腕枕をされながら彼にぴったりとくっついてうとうとしていた。
ものすごく気持ちが良くて、引きずり込まれるように眠ってしまった。
気がついたら彼も寝ていた。
私いびきかいたりしてなかっただろうか?口開けてみっともない寝姿とかしてなかっただろうか?
ちょっと心配になった。
もう一つ心配がある。汗かいて化粧もなにもかもぐしゃぐしゃになっていないだろうか?
アイラインは昼なんでつかってなかったし、シャドーも目立たないはずだけど、兎に角心配でそっと彼の腕から抜け出して、化粧ポーチ持ってバスルームの前の洗面所に行った。
なんとかひどいことになってなかったからセーフということなんだろうけど、どうも落ち着かなくて結局またシャワーを浴びた。
頭からシャワー使って顔洗って、最初から念入りにやり直す道を選択した。
かれこれかなりの時間使って元通りになって居間に戻ると彼が起きてキッチンのほうにいた。
ぷんとコーヒーのいい香りがする。
「コーヒー入れてるの?」
「もうすぐ落ちるから少し待ってて。」
「今度こそケーキ食べましょ。」
「そうだね。」
バスローブのままだと何か落ち着かないけれど、仕方ない。
そういえば彼に確認しておこうと思っていたことがあった。
「あの、言いにくいこと聞いて良いですか?」
「あ、え、何?」
コーヒーをカップに注ぎ、テーブルに運びながら彼は答えた。
「さっき、テレビでエッチ映画見てるとき興奮してたでしょ?」
「え?えーと、まあ、そう・・・ええと、」
「いいんです。男の人を興奮させるように作っているはずなんですから。で、どんなとこに一番興奮するんですか。」
「ええと、言いづらいなあ、まあ、赤いセクシーな下着の女性が縄でくくられていたり、バイブ使われたりしているところかなあ。」
「そういうの好きなんですか。」
「うん、ちょっと刺激的だよね。」
「へー、そうなんだ。」
「ああいう下着ってnaomiちゃん持ってるの?」
「あの赤いのですか?」
「うん。」
「残念ながらないです。」
「あんな下着つけて、縄でしばったりとかおもちゃ使ったりとかしてみたいって俺が言ったらどうする?」
「そのうち気が向いたらデスね。」
なんと都合のいい返事だ。
「してみたいんですか?」
重ねて突っ込んでみる。
「わかんないんだけど興味ある。」
「じゃあ気が向いたらということですね。」
おもたせのケーキはちょっと軽めのコーヒーにぴったりだった。
ここにいたっても彼に対する気持ちが自分でも定まっていないことにびっくりする。
けれど彼に対する感情が前とは違っていることも事実だ。
二重の瞳のきれいな彼の横顔を見て、可愛いと思う気持ちが強くなった。
彼は次にいつ逢えるのか執拗に確認しようとしたが、私の予定がまだ決まっていなかったので次のデートは保留のままだった。
その代わり、メールアドレスだけではなくちゃんと携帯の番号も交換しようと言うことで、互いに登録をした。
二日続けて遅いと家族に怒られると言って彼のマンションを出たのは夜の8時を廻ったくらいだった。
彼は送っていくといったのだけれど、それも悪くて駅までにした。
地下鉄の駅までの間、私たちは手を繋いで歩いて言った。
どこから見ても恋人同士だなと思った。
彼も私のことをそう思っているのだろうか?
改札に向かうとき手を離す最後の時、ぎゅっと強く握ってから彼の手を離した。
なんだか離れたくなかった。
ホームで一人で地下鉄を待っている時、すぐまた彼と逢いたくなった。
家について部屋でベッドに転がると、今日のことが思い出された。


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