ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
警告   この作品は<R-18>です。 18歳未満の方は移動してください。
第4話 接近
「そうかあ。あの人にメールしてみよう」
 
 デイトレを始めてから、真由子は情報収集のために、株関係のサイトやメルマガ、ブログ、掲示板などを頻繁に見るようになっていた。

 そのなかに、初心者の真由子には難解な上級者向けのメルマガがあった。

 読んでも専門用語ばかりで半分以上、理解不能だったが、真由子は

「こういう人はおもしろいように勝って、大儲けしているだろうなあ」

と常々、羨望の念を抱いていた。

 他のブログやメルマガが、ほとんど有料会員募集や必勝法の売買など、株をネタにしたビジネスをチラつかせているのに対して、その人のメルマガにはそれがなかったのも好感が持てた。
 
 小さい頃から異性になにか頼みごとをして、断られたことなどない真由子だ。

 いや、それどころか、みんな、頼んだ以上のことまでしてくれて、返って疎ましくなることばかりで、いつしか真由子は、特に異性には頼みごとをしなくなっていた。

 が、いまはそんなことをいっていられる状況ではない。

 藁にもすがる思いで、メールを打った。

「株初心者です。毎号、楽しみに拝読させていただいています」

 相手をひととおり持ち上げた後、いざ本題に入るとなると、どう書いても虫の良い話なのでキーボードを打つ手が止まる。

 それでも、見ず知らずの人だ。こちらもフリーメールで、仮名。

 どうせダメ元ならと思うと、図々しい内容も送ることができそうだった。

「もし、よろしかったら、おじゃん丸さんの明日の注目銘柄を教えてもらえないでしょうか?」

 おじゃん丸とは、そのメルマガの発行者のハンドルネームだ。

 と、ここまで書いて、なにかお礼が必要だなと真由子は思った。

 すぐに頭に浮かんだのは、自分の下着や陰毛だった。

 それがかつて真由子を知っている男たちの間で、とても価値を持っていたことは認識している。

「真由子ちゃんのパンティーなら、俺、5万、いや10万出す!」

 学生時代の飲み会で、酔った男子学生に何度そんなことを言われたことか。

 陰毛も、昔、付き合った彼氏が異様に欲しがり、仕方なくあげると、財布の中に大事に隠し持ち続けていた。

 でも、男たちが喜々として真由子の下着や陰毛を欲しがったのは、真由子を知っているからだ。

 真由子を見たこともないおじゃん丸にとっては、その価値は分からない。

 そして、この時点では、真由子はおじゃん丸と会うつもりなど毛頭なかった。

「う〜ん、困ったわねぇ……」

 悩んだ挙句、真由子は1ファンとして、おじゃん丸にメールを書いた。

 図々しいお願いは、メールでもっと親しくなってからの方がいいだろうという結論だった。

 
 おじゃん丸からの返信はその晩に来た。
 
 これで第1関門はクリアだ。

 真由子はすぐ返事を書き、「よかったら今晩、チャットでお話してもらえませんか」と誘った。
 
 返事はOKだった。

 
 その晩、真由子は夫を早く寝かしつけるために、いつもにも増してサービスした。

 といっても、フェラチオをしながら、袋を揉み上げてあげただけのことだが。

 それでも夫は思いも寄らない美貌妻のプラス・アルファのサービスに感激し、挿入するやいなや呆気なく射精した。

「はい、一丁あがり!」

 重くなった夫の下で、真由子は舌を出した。

「さあてと、お次はおじゃん丸さんか。儲かる情報をたくさん聞き出さないとね。さ、もうひとがんばりよ!」
 
 おじゃん丸が指定したチャットルームはアダルト系のそれだった。

 アダルト系の2ショットチャットで話される男女の会話がどういうものか、真由子だって知っている。

 ひとりの夜、何度か好奇心から入って、いやらしい言葉の羅列に吐き気を催したことがあった。

 目的はエッチしかない。

 チャエッチと呼ばれる文字でのバーチャルセックスだ。

 それがテレホンセックスに発展するか、リアルに発展するかはお互い次第。

 男はみんな発展を望んで、女の機嫌を取っている。

 そこは女ならだれでも女王様になれる場所といえた。

 幼い頃から男に顔色を窺われ続けて来た真由子にとって、それは最もイラ付く場所だった。

 でも、今回は女である真由子がお願いをする立場。顔も知られていない相手だ。

 歯が浮くようなご機嫌取りの言葉などは発して来ないだろう。

 いや、あんなメールを送ってきて、なにか企んでいると警戒されているかも知れない。

 大体が、真由子のことを、まだ女だと信じてもいないに違いなかった。

 そう思うと、真由子は緊張して来た。

 一体、おじゃん丸とはどんな男で、どんな会話が展開されるのだろうか。

 このスリルは真由子の乳首を勃たせた。

 それでなくても、夫を満足させただけで自分の欲望はくすぶっているままだ。
 
 知らない相手、サービスしなければいけない相手、でも会うことなどない相手……。

 このチャットには、真由子が大胆になっても構わない条件がすべて揃っていた。

 両方の乳房を軽く掴みながら、真由子は自分とはまったく違う淫乱な女を演じる覚悟を決めた。    
       
   
http://www.honnavi.com/rank.cgi?mode=r_link&id=4341


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。