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15 戒めと解放
 『結社』の折檻が、これほどまでに厳しいとは思わなかった。

 チャーリーはちゃんとマニュアルがあると言っていた。過去に折檻を受けた少年達は、『契約』を全うしたのだろうか?

 僕は翌日も、まだ折檻の戒めの中にあった。
「まだ続けますか?」
「ああ・・・」
 合い言葉のように、チャーリーと『契約』の継続を確認しあった。ここまで来ると、彼も僕の鉄のような意志を確信していた。

 自分の部屋のベッドに素裸で寝かされていたが、両手はベッドの頭側に拘束され、両脚も足下のポールに広げて吊られていた。
 腰に枕を当てられて、打たれたお尻を浮かせてくれていたが、散々打たれたお尻は真っ赤に大きく腫れ上がっていた。

 胸の乳頭の絞め具は外されていたが、乳腺に届いた針はまだ刺さったままだった。乳頭は唐辛子のエキスのためにまだ熱を持って腫れている。絶えずじんじんとしている。
 本当に苺の子供みたいな乳首になっている。元に戻るのだろうか・・・?
 触りたいけど、触ったら大変な痛みだろう。ああ・・・チャーリーが舐めてくれれば・・・
 尿道にもあの忌まわしい金属棒が挿入されたまま亀頭にコックリングで固定されていた。僕のペニスは半ば勃起したままだ。

 チャーリーが二時間ごとに来て、流動食の様な物を僕に食べさせてくれる。
 そしてそれが終わると、発電機の様な機械で、両の乳首の針を、導線が付いたクリップで挟んだ。重みが僕を刺激した。
 最初の時に彼は言った。
「リン様。これから電気で刺激を与えます。これは『五つの法』の最終段階と聞きますが、精神的にも体力的にもかなりきついですよ。どうします?」
 僕は依然として女王の様な態度を崩さなかった。それが僕である証拠だ。昨日、チャーリーに『堪忍して』って言った言葉は本心じゃない・・・
「・・・お前はまだ僕に遠慮しているんだ?優しいんだ。こんな僕で良かったらいつでもお前のものになって上げるのに!」
 チャーリーはやっぱりと言うように、頭を振って溜め息を突き、機械に繋がったパソコンに表示されたボタンを次々とクリックして行く。
 クリップから電流が流れた!
「あうん!・・・あ・・・く」
 摺動する電流の力で、僕の胸はびくんびくんと痙攣した。乳首の中が熱くなり、乳腺がおっぱいを活発に作り出し、それを詰まらせた様な鈍痛を受けた。

 昨夜、解放されたと思ったのも束の間、今朝からこれを繰り返されている。

 折檻中にチャーリーは哀れそうに僕を見る。
「チャーリー・・・お願い・・・いかせて」
 僕は今までと違い、乳首に刺激を受けると射精したいと願う様になっていた。自分でも意外だったけど。条件反射だ。
 『結社』のメンバーはどんな連中なんだろう?アナル・セックスには興味ないのだろうか?

 チャーリーは、僕の髪を撫で、汗をかいている額にキスをしてくれる。
 一定時間の欲望の苦悶の後、僕の望みを果たさせてくれる。
 コックリングを外し、挿入棒を胸の電気刺激に合わせ、ペニスに入れたり出したりさせて、僕を射精に誘う。
 尿道への刺激も、前立腺マッサージと同様に、射精を直接導く物ではないみたい。律動感を与え性腺の活動を促すためだ。
 僕への開発は『乳首』に前立腺と同等以上の地位を与えるためなのだ。

 針を刺され、極限まで敏感になっている僕の乳首に、僕の射精の時の律動と同じ周期のパルスが加えられていた。
 電流は、針を伝わって最下部の乳腺を刺激し、胸の表面を伝って、他方の乳首の乳腺に伝わる。
 パルスの大きさは、僕の耐えうる最大電圧まで自動的に徐々に上がって行く。次ぎに来る電撃に備えて待つ気力は既に無く、自分の中で脹れあがる射精への欲望に耐えるだけだった。
 僕の乳頭は、電気的刺激で真っ赤に充血していた。
 最後の段階が来た!
「ああっ!あん・・・ん!」
 僕の腕に取り付けられたセンサーが、僕の絶頂を検知する。射精を我慢するぎりぎりの瞬間、パルスはぴたと止まり、僕の性腺が開く時に、最大の電圧が乳腺に放射された。
「ああー!・・・あ!・・・あ!・・・」
 僕の肉体は痙攣し、腰を突きだした!まずカウパー氏腺液がペニスから吹き出た。
 チャーリーは金属棒をその時、抜いてくれた。粘液である精液は急に広がった小径を流れ、勢いよく飛び出て僕のお腹に落ちた。
 金属の接触のために尿道の粘膜が敏感になっている!
 熱い精液が通るたびに焼ける様な刺激で僕を苛んだ。

 僕が出したものの一部を、彼は小さな試験管に採取し、残りを丁寧に舐め、飲み干し、カルーテルを尿道に入れて小水を取る。

 何度目かの『検診』の時、僕は便意を訴えた。
 チャーリーは掃除機の様な器具を持ってきて僕の脚の戒めを緩め、足を上げさせた。腰の下にはビニールシートを敷いた。
 ホースの先に丁度、僕の肛門の付近にぴったりと吸い付くアタッチメントを付けて宛った。
 そして吸引しながら便をさせた。出すと、きれいにその掃除機に吸い込んでしまう。
 排便が終わると、まだ開いている僕の肛門をゴム手袋した手でさらに開き、中を観察した。そしてデジタルカメラで中の様子を撮った。
 これが初めての、ここでの僕のアナルのご開帳だった。
 異常がないことを確認した彼は、カルテルを差し込んで真水を注入した。すぐにまた肛門当てを付けて零れ出る汚水を吸引する。

 二時間おきに性感帯を限界まで刺激され、射精させられるなんて、この『被虐的強制オナニー』のお仕置きは、僕の肉体と精神を変えてしまったかも知れない。
 これからずっと日課としてされるのだろうか。
 射精への苦悶に耐えている時、チャーリーの愛おしそうな顔が僕の心を満たしてくれる。

 体力と性欲を持て余していた僕も、さすがに一日に十回絶頂を味あわされるとくたくたになった。全身の筋肉の緊張と弛緩の繰り返しは体力を消耗させる。
 その日の最後の絶頂が終わると、僕は気を失っていた。
 そして、ようやくデューリンに指示された『お仕置き』は終わったのだ。


 次の日は戒めから百%解放された。胸の針も、尿道の金属棒も抜いて貰った。
 でも、僕は疲労困憊してたし、お尻と胸が触ると痛んだので、ベッドでずっと横になっているしかなかった。ジョギングなんて今はとんでもない。

 またロバートに会って、あの時のように吸い付かれたら気絶してしまうだろう。彼が会ってくれればの話だが・・・
 もう、僕の素性は知れただろうし、あんな連中と付き合ってたなんて、呆れたと思う。彼の中では僕は『お嬢様』だったに違いないから・・・


 微睡まどろんでいるとドアが開いた。
 デューリンだった。
 僕は薄地のシルクの袖無しシャツとビキニ一枚で、ベッドで毛布にくるまって体を丸くして横たわっていた。
 反抗的な目で彼を見た。
「お帰り」
「お仕置きに耐えたんだね・・・『契約』は続行かな?・・・僕が憎いだろうに」
 デューリンはベッドに腰掛けると、僕の髪を撫でようとした。
 僕はそれを払うと、
「ああ!大嫌いだよ!でもご安心を!『開発』はめないからな。契約金はちゃんと頂くからね!あんたを無一文にしてやるためにね!・・・それにあんたの愛する『協会』がどんなものかこの目で見てやる!」
 僕は鷹のような目でデューリンを睨んだ。デューリンは僕の目をじっと見ていた。
 僕は痛みを我慢して、身を起こして叫んだ。シャツに二つの膨らみがあるのが分かる。デューリンはそれをじっと見た。
「それに・・・貴方を、僕を抱かずには生きて行けないようにしてやるよ!」
 僕の髪は寝癖で乱れて、前髪が目を半分隠していたけど、結構これが色っぽいことを自分で知っていた。
 デューリンはほっとした様だ。だが、きつい目をして言った。
「君がまだやる気なんでうれしいね。お仕置きは、確かにある意味、拷問だったからね。まだ『開発』はこれからだ・・・でも最後の件は、君がどんな事を企んでいても、僕は君の思い通りにはならないよ」
 僕たちは睨み合った。
 デューリンがふと笑いながら続けた。
「・・・僕を好きになったのかい?なら、お金はあげるからもう止めた方がいい。君が傷つくだけだ」
 僕は跳ね起きてデューリンの胸ぐらを掴んだ。
「ふざけるな!僕はお前なんか大嫌いって言っただろ!お前は自分を何様だと思ってるんだ!人を人形みたいに思って!僕はそんなお前をぎゃふんと言わせてやりたいんだ!絶対お前を落としてやる!僕の前に跪かせて、愛してくれと言わせてやる!」

 不利な戦いだということは明白だ・・・僕は馬鹿なのかも知れない。なんでこんなに拘るのか自分でも分からない。

 デューリンを・・・愛しているから?
 そんなことはあるもんか!


第1部 完
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