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この作品は<R-18>です。
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第八話「闇との出会い」
俺は朝の清々しい日差しと空気を楽しみつつ、闇の門と呼ばれる場所に向かっていた。
フレイが言うには闇騎士はその場所に居るらしい。
我ながら慣れという物は恐ろしい。
この城が無駄に広すぎるとかはもう言わない。
いい加減に慣れたしな。
周りからの視線も慣れてしまった。
「これはまた……」
呆れ半分感心半分というところか
やたらと大きい漆黒の門が俺を見下ろしている。
他にも炎の門、水の門、風の門、地の門、光の門が存在するらしい。
もしかして、これらは何かを封印する為にあったりしてな
「……いくら何でもそれはないか」
俺は自分の考えに苦笑し、辺りを見渡す。
門の近くにまたやたらと大きい建物があるのを見つける。
門にばっかり目が行ってたようだ。
見れば周囲に居る誰もが漆黒の鎧を身につけている者かメイドのどちらかだ。
「おや」 一人の女性が俺に気づき歩み寄って来る。
「救世主様がこのようなところに……光栄です」
「……闇騎士に会わせて貰えないか?」
「かしこまりましたーーしばらくお待ち下さい」
黒騎士の女性はそう言って下がろうとする。
「その必要はありませんーー」
「ーー!」
制止の言葉に黒騎士の女性が歩を止め建物の入り口に立つ一人のメイドの方を見る。
黒色のメイドなので黒メイドと名付けよう。
「アヤメ様からお話は伺っています」
どうやらこの黒メイドは闇騎士の側近らしい。
「貴女はお下がりなさいーー騎士副団長の出る幕ではありません」
「メイド如きが私に命令か?」
黒騎士の女性は気に入らなかったのか黒メイドを睨みつける。
なんか俺が置いてきぼりだな。
「ミレイユ」
「……失言だった。すまん」
黒騎士の名はミレイユと言うらしい。
「いいえーー私も言葉を選ぶべきでした」
「ユリア。やはりーーお前の事は好かん」
黒メイドはユリアと言うらしい。
最早、これしか言えない俺は用済みか?
「お互い様です」
ユリアがその一言だけ返す。
それきり二人の間に会話が無くなった。
いや、だから置いてきぼりだって俺。
「救世主様にご無礼が無いようになーー」
ミレイユは最後に俺の方を向き一礼すると立ち去っていく。
「では、此方にどうぞ」
黒メイドことユリアは何事も無かったかのように建物の方へと歩いていく。
何か今回の俺は陰が薄いくないか?
俺が通されたのは赤いカーペットが敷かれ、無駄に高価そうなテーブルや椅子が並べられた部屋だ。
ユリアが奥の椅子に座る少女へ向かって一礼する。
「アヤメ様。救世主様をお連れしました」
「お疲れ様」
少女は穏やかそうな笑顔でユリアに労いの言葉を贈る。
「ようこそ。闇騎士アヤメと申しますーーアヤメとお呼び下さい」
そして再び穏やかそうな笑顔を浮かべるアヤメ。
闇騎士という物騒な肩書きとは裏腹に彼女は人形のような可愛らしさがあった。
肩まで長い髪に少女らしく綺麗な顔立ち
何処となく儚げな雰囲気を漂わせていた。
「救世主様?」
「あーー」
彼女に見とれていたらしい。
「此方に来て下さいませんか?」
「えーーあ、ああ」
アヤメの願いに俺は彼女の元まで歩く。
「?」
彼女の側まで行くと異変に気がつく。
アヤメは瞼を閉じたままなのだ。
「もう少し此方にーー」
俺は言われるがまま歩み寄って行く。
やがて触れられる位置まで到達するとアヤメが俺の手を取り握ってくる。
「ーー優しい温もりがします」
俺は確信した。
俺を見ようとしないのではなく見れないのだ。
「まさか、目がーー」
「はい。闇騎士としての力を使わない限りはーー歩く事も見る事も叶いません」
アヤメはそう言うと再び微笑む。
気の毒だという感情はしない。
何故なら彼女が幸せそうに微笑むからだ。
「お顔に触れてもよろしいですか?」
「ああ」
俺がそう答えるとアヤメは嬉しそうに微笑し、屈んだ俺の顔に触れてくる。
「ーー」
少しこそばゆい感触だが何処か心地よい。
「ありがとうございました」
気が済んだのかアヤメは俺の顔から手を離し微笑む。
今までに無いタイプだ。
「アヤメ様。そろそろ話を始めた方が」
ユリアの言葉にアヤメは頬を赤くする。
「わ、私たらーーすみません」
「いや。良いよ」
「ありがとうございますーーフィーネさんの件ですが」
アヤメの雰囲気がガラリと変わる。
先ほどまでそこに居た穏やかな彼女とは思えない冷たさを感じる。
「仲間に危害を加えたとは言えそれは訓練中の出来事ーー」
俺は安心し息を吹きかけるーーだが
「ですがーー能力の発動し、救世主様を巻き込んだ事は到底許される事ではありません」
「だが、それはーー」
「訓練中に乱入なされた救世主様の責任ーーですか?」
アヤメの先読みに思わず俺は口を閉じる。
「救世主様の判断は確かに問題がありますーーですが間違いだとは思えません」
「だったら、どうしろって言うんだ?」
「……」
普段の俺ならキレている所だが今日は冷静で居られる。
「俺はその罰とらやを邪魔した責任を取らないといけないんだろ?」
「ーーええ」
「どうすれば良い?」
「救世主様の手でフィーネさんに罰を与えて頂きます」
「!」
またとんでもない事を言い出したな。
待てよーーなら
「反省だけーーという訳にはいきませんけど」
俺の考えはお見通しらしい。
「私は救世主様の事を信じています」
「信じられても困るが……」
アヤメは穏やかそうな笑顔を浮かべた後、悲しげに息を吐く。
「フィーネさんは生まれながら、強い戦士の血に苦しまさせられて来ました」
「戦士の血?」
「戦士としての本能とでも良いましょうかーー」
本当に悲しそうな顔で話す。
どちらが本当の彼女なのだろうか
「フィーネさんは本来。とてもお優しく穏やかなお方です」
「……」
「時にはそよ風のように優しくーー時には台風のように強いお方」
本当はフィーネを裁きたくなんか無いんじゃないのか?
だが、闇騎士の立場として仕方無くーーなんて言うのは無粋だな。
「謹慎処分って言うのはどうだ?」
「救世主様にはそこが限界でしょうねーーそうしましょう」
アヤメはくすっと笑った後に頷く。
「ユリアさん」
今まで静かに控えていたユリアが前に出る。
「ーーはい」
「聞いての通りです」
「かしこまりました」
ユリアは一礼すると部屋から出て行く。
「……」
目的が終わってしまった。
居ても邪魔になるだけだろうしな
「じゃあ、俺もそろそろーー」
「もう帰ってしまうんですか?」
寂しそうに表情を暗くするアヤメ。
「や、やっぱりもう少しお邪魔しても良いか?」
アヤメの寂しそうだった表情ががらりと明るくなる。
「はい! 救世主様とお話したい事が沢山あってーー」
「そうかーー」
俺ってとことん弱いよな。
「救世主様の居た世界はどんな場所だったんですか?」
「そうだなーーここと違って騒がしい世界かな」
一方的な質問責めになりそうだが、たまになら悪くないだろう。
「すみません」
「?」
今まで次々に質問を繰り出していたアヤメが突然すまなさそうな顔をする。
「質問ばっかりしてーーうるさいですよね?」
確かに今まで俺が居た世界の事を訊いてきた人間は居なかったからな。
答えに困ったかと聞かれれば困った。
だが、不思議とうるさかったり、鬱陶しくはなかった。
「まぁーー俺も楽しかったからな」
「本当ですか?」
嘘ではない。
アヤメと話していると妹の事を思い出す。
余り仲はよくなかったが、それでも大事な妹には変わらない。
その事をアヤメに話すと
「救世主様に妹さんが?」
「ああーー名前は」
アヤメは何かを思いついたのか頬を赤くし、俯いてしまう。
「アヤメ?」
「救世主様!」
「は、はい」
思わず丁寧な言葉で返事をする俺。
「よろしければーー」
「ん?」
「そのーー私を妹にーー」
照れながら何を言うかこの娘は
「考えておく」
こんな答えしかできない俺はかなりの大馬鹿野郎なんだろうと思うのだった。
さぁ〜〜て次回の凡人はぁ〜〜?
一輝「嫌な略し方だな……」
次回の話はまだ未定!
一輝「未定かよ!」
役に立たない設定その1
一輝の家族構成。
父
義隆
母
望
妹
和美
一輝は五人家族である。
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