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この作品は<R-18>です。
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横須賀にあるドブ板通りで情報収集をしていた。そこは異国情緒溢れる面白い土地だった。
89 ドブ板通り
親分からヨシミという男を紹介された翌日の夕方、イシハラを伴って横須賀に来ていた。
ドブ板通りに来ていた。目の前に米軍のキャンプもあり、日本ながら異国情緒がある場所だ。
以前、白銀さんと金貸しの話になったときは横浜で話をしていた。だから横須賀に来るのは
初めてだった。国道から1本入るとそこがドブ板通りだった。
「パーキングに車停めて、飯食おうぜ」
「了解」
俺とイシハラはドブ板通りの周辺を歩いて調べていた。通りの全長は300mほどでそれほど広い
エリアではなかった。駅は周辺に2つあるが徒歩では5〜10分ほど掛かりそうな距離だった。
商店街は商店や飲食店が150店舗ほどあった。オープンカフェやバー、土産物屋、スカジャン屋
レストラン、この土地ならではのミリタリーショップが並んでいた。バラエティに富んだ商店
がいろんな業種で軒を連ねていた。
「ボス、ここを曲がったところの角地ですね」
俺達は店を見るなり、驚愕する。
「これって…斧ですか?」
入り口のドアに斧が2本刺さっており、観音開きになる窓は割られていた。周辺で聞き込みを
してみることにした。
近所の商店の話によると、黒塗りの車が頻繁に来ては、『金を返せ!』のビラをところ狭しと
貼っていったり、窓ガラスを割ったり、ついには斧を持ってきてドアを叩きつける行為をして
いたという。
「そう言えば、白銀さんが俺のようなところに来る奴はどこも借りられないって言ってたな」
「白銀さんのは返したんですよね?」
「遺産が入るって。それで全部返済は終わったのは白銀さんから聞いた」
「で、また借金ですか。白銀さんのとこで借りなくて良かったですね」
「ヨシミから借りたのが金利が安かったんだろうな」
「そういうことになりますね」
「とりあえず店内を見てから少し時間を潰そう。夜の顔も見てみたいからな」
斧の刺さったドアを開けると、中は意外と広かった。カウンターに椅子は無く、立ち飲みで
営業をしていたようだ。ダーツのマシンが3台とクラッシックなジュークボックスが1台。
ビリヤード台が2台置いてあった。
「米軍が好きそうな店内ですね」
「ああ。そうだな」
カウンターには、いろいろな種類の酒が数十本並んでいた。フードメニューはスナック菓子
ナッツ系のものしかなかった。カウンターの中にキッチンと思われる設備は無く、シンクが
3つあるだけだった。アメリカ人は好まないのか、生ビールサーバーは無かった。
「内装はいいとして、店の外観は変えるしかないな」
「斧刺さってますからね」
「じゃ、ネオン街に灯が入るまで、飯食って時間潰すか」
面白い土地ではあった。大型ショッピングセンターや有名ホテルが近所にあり、反対側には
大きな商店街が駅まで続いており、有名デパートも何軒かあった。ちょっとした観光地でも
あるドブ板通りは、夜になるとまた違った顔を見せた。
「やっぱアメリカ人が多いですね」
「MPをよく見かけるな」
「警察は米軍を取り締まれないんでしょうね」
「そうだろうな」
周辺で情報収集したところ、この一帯は23時〜翌5時までは入り口に簡易フェンスが置かれ、
タクシーとかも入ってくれない、治外法権のような感じになるらしい。
「ボス、米軍同士でケンカやってますよ」
「MPが来んのかな?ちょっと見てようか」
5分もするとMPのパトカーが飛んで来た。黒と白の日本のパトカーとは違い、青と白のカラー
リングをした車輌が青い回転灯を回していた。テレビで見るのと全く同じように乱闘騒ぎを
起こしていた男を伏せさせ、手錠を掛けて連行していった。
「外国に居るみたいだな」
「ある種、パワーを感じますね」
夜の時間帯に、日本人の集客は望めそうに無い。米軍相手にするしかなさそうだ。
「どうだイシハラ、やる気あるか?」
「俺に見させてくれるんですか?」
「嫌なら他探すけど」
「何ですかこの流れって定番ですか!もちろん、やらせて頂きますよ」
俺達は自由が丘に戻り、俺は事務所へ、イシハラは店へと別れた。
「マイカワです。親分、例の横須賀の店、やらせてもらいます」
「おお、そうか!すぐに連絡取るよ」
「値段は親分にお任せします」
「分かった」
「ドアに斧が刺さってましたよ」
「野郎はカタギのクセに派手なんだよ。俺達、渡世人には従順だけどな」
「バックがないと商売が出来ないとか?」
「そりゃそうだろ。俺が居なけりゃ野郎は50回くらい死んでるよ」
数日後、親分とヨシミと事務所で待合わせをして、書類関係をかわした。キャッシュでという
条件で300万で譲ってもらう話でまとまった。
「ヨシミさん、斧はどうしますか?」
「要らないなら捨ててください。また相談に乗ってくださいね。ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
2人が帰るとイシハラに課せてあった、シュミレーションを持ってやって来た。
「ボス、おはようございます」
「持ってきたか?」
「はい」
イシハラが考案した店名は『M'sBAR』。MはマイカワのMだという。システムは至って簡単で
ワンコインバーだった。どんな飲み物もツマミも全て500円という設定だった。高価な酒に
関しては量で調節するとあった。店内にそのまま残してあったダーツ、ジュークボックスは
100円、ビリヤードは1ゲーム500円と設定してあった。
スタッフは英語が話せるバーテンダーを1人。交代制で17時から翌3時までの営業としていた。
「俺の予想だと、ドルしかもって来ないやつが居るんじゃないかって思うんだけど?」
「そうですね。あと心配なのが遠隔なので頻繁に顔を出せないと思うんです」
「チケットの機械でもリースするか?」
「助かります。両替も1万円しか置かないようにします」
キング時代から付き合いのある業者や酒屋が横須賀まで来てくれ、工事や配達もしてくれると
いう話を確約してもらった。
「肝心の売上はどれくらい見込んでるんだ?」
10時間営業で50人の集客を見込んでおり、1人3〜5杯飲むと仮定する。月売り200万〜300万の
売上を予定しており、バーテンダーには25万ずつの給料、機械のリース代、光熱費が10万、
酒代が50万を予定しており、賃料が無い分、利益は最低でも100万ほどを見込んでいるという。
店舗の外装工事、看板等で100万で抑える予定とした。
「今までのうちのグループの店とはかなり異なる。半年で400万はペイしないとな」
未踏の地、横須賀。しかも商売相手はアメリカ人で、かなり冒険をする出店となった。
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