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俺達は研修として、大阪に向かった。ミナミの想像以上の迫力に俺達は驚いた
49 大阪
店舗契約から2週間が経過していた。内装工事は脅威のスピードで行ってくれており、店内の
イメージが見えてきていた。その他の会社設立や許可関係も順調に進んでいた。

店の改装を見た後、イシハラと小松と食事をしていた。
「ねえ。明日と明後日なんだけど、親戚に不幸があって千葉の方に行くことになったの」
「そうか。近い人なの?」
「私の母親の兄。だから私の伯父になるの」
「分かった。じゃあ行ってきな」
「私が居なくても大丈夫?」
「ん?大丈夫だよ?」
「私無しで2日も生きていけるの?」
「え?あ!寂しくなるけどしょうがないよな」
「私、2日間も離れて泣いちゃうんだろうな。可哀相に…」
「あの…俺ら席外した方がよろしいですか?」

「俺らは大阪にでも行くか。流行の発信源は大阪だからな。研修を含めて2泊3日くらいで」
「あーあ。みんなが大阪に行っている間に、ユイは千葉で孤独死していくんだ。可哀相に…」
イシハラがユイがすねてソッポを向いているのを見て、耳打ちしてきた。
「ボス、まずくないですか?」
「それとこれとは別だ。後でフォロー入れとくから、気にすんな」
「ユイはまた2人っきりで行くからその時で良いよな?」
「イシハラくん達!ちゃんと浮気しないように見張っててよ!」
「はあ…」
「ちょっと!返事は?」
「はい!」

翌日の朝早く、ユイは千葉へと向かう準備をしていた。
「ごめん。起こしちゃった?そこのカバンに荷物、支度しておいたから」
「さんきゅ。俺もそろそろ起きないとな」
「じゃ行ってくるね。キスして」
キスしようとしたとき、携帯が鳴る。携帯に出ようとした俺の腕をユイが引っ張る。
「キスの方が先!」
寝起きから濃厚なキスをしてしまった。倅がその気になる。
「エッチしちゃおっか」
「うん、しちゃおう」
そのままベッドに倒れ込むと俺達は急いで服を脱ぎ出した。その時、インターホンが鳴った。
「誰か来たよ?」
「営業か何かだろ?ほっとけ」
インターホンがバイクのコールで鳴らす輩だった。
「たぶんイシハラだよ…ユイ、服着て」
「えー!」
情事を途中で止められた感で、イライラしてインターホンの受話器をあげた。
「あーうるせえ!」
「おっはようございまーす!ボス何か機嫌悪くないですか?」
「今、支度して下降りるから待ってろ」

エレベーターを降りると、エントランスにイシハラと小松が居た。
「おはようございます」
「おはよ」
「ユイさん、おはようございま…す?」
「おはよ」
「何かボスとユイさん機嫌悪くですよね?」
「ユイを駅まで乗っけて行ってくれ。そっから俺達は羽田だ」
チケットやホテルの手配は小松がやっていた。機内で小松がスケジュールを説明する。
「ボス、伊丹には昼過ぎには到着します。ホテルはミナミでビジネスホテルを予約済みです。
 宗右衛門町の近所です。2日目は北新地へ移動して、宿もキタで予約済みです」
「ミナミとキタか。こっちでいう六本木と銀座みたいなもんですかね」
「そうだろうな。最初に言っておくけど、遊びに行く訳じゃないからな」
「ソープかヘルスは見に行くんですか?」
「バカ!仕事と関係無いだろ。マコに言うぞ」
「すんませーん」

大阪伊丹空港に到着した。そこからリムジンバスに乗って上本町へ移動し、昼食を摂った。
「やっぱ、大阪のお好み焼きは美味いですね」
「そうだな。せっかく大阪に来てるんだから食わないとな」
「店員の大阪弁っていうのもいいですね」
「食ったらミナミに移動しよう。小松、ナイレポみたいなのはあるのか?」
「あると思います。自分、探してきますんで部屋で休んでて下さい」
タクシーでミナミへ向かった。ミナミに近づくと都内と同じくらい渋滞していた。ホテルへ
到着すると、手際良く小松がチェックインの手続きを済ませてくれた。
「ボス、こちらがカードキーです。朝食はバイキングがあるそうですが、要りませんよね?」
「何時まで寝てていいって?」
「11時までにチェックアウトとなりますので、部屋に連絡して起こしますよ」
「俺は大丈夫だろうから、イシハラを起こしてやってくれ」
「分かりました。それじゃ自分は情報誌探してきます」
「頼むよ」
部屋に入ると一眠りしようとベッドに横になった。携帯が鳴り響く。
「はい…」
「ユイ!ごめん、寝てたの?」
「今から寝ようとしてた」
「もうホテルなんだ。こっちはこれからお通夜なの」
「喪服持って行ったっけ?」
「ううん。母親に持ってきてもらったから。眠そうだからまた電話するね」
「あいよ。またな」
ちょうど眠りつける頃だった。ここ数日、睡眠不足だったから眠い。また携帯が鳴る。
「ボス!エッチテレビってどうやってみるか分かります?」
「知るかボケ!」
ガチャ切りした。その後、携帯も鳴らず、しばらく寝ることが出来た。

目が覚めると19時前だった。小松へ連絡すると寝ていた。
「すまん。寝てたか?」
「はい…今からそちらに参ります」
「イシハラも連れてきて」
「分かりました」
10分ほどすると2人が部屋にやってきた。
「情報誌は目立ったところを3誌買ってきました」
「ありがと。じゃ飯でも食いながら店選びでもするか」

俺達は宗右衛門町へ向かった。人通りも多く、西日本で最大の歓楽街は活気があった。
「これがミナミのネオンの灯かりか。パワーというかエナジーというかすごいな」
「圧倒されますね。気取ってない、飾らない感じがしますね」
「ボス、この先がメインの通りです」
「よし、今から30分後、このアーチの下で20時に集合だ。出来るだけ多くのビラやチラシを
 集めてきてくれ」
「らじゃ!」
「分かりましたー!」
俺達はミナミの街に散った。ビラやチラシ集めは2人に任せ、このようなネオン街には必ず
ある、無料案内所へ向かった。

そこにあった情報誌はキングの駅近辺で配られている倍の厚みがあり、驚愕した。


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