ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
警告   この作品は<R-18>です。 18歳未満の方は移動してください。
軍隊式ミーティングを終え、初めての営業がスタートした。
3 営業
「俺達はプロだ!」
大きく振りかぶった棒をフロアに叩き付けた。
「はい!」
あうんの呼吸でみんなが返事する。
俺はこの異様な雰囲気に圧倒されてしまっていた。
「売上達成はプロの証だ。結果を出してギャラをたくさんもらってナンボだ」
こういう言い回しをする時は、決まってこの後は”お小言”だ。
「この中にスカウトの結果がゼロの人間がいるだろう?そいつは立て!」
静まり返った中で2人立ち上がった。
部長はそれを見て鬼の形相で歩み寄る。
「ゼロはダメなんだよ!それでもお前らはプロか」
持っていた棒で殴打した。
2人はソファにへたり込んでしまった。
「来月もゼロならお前ら辞めろ」
部長は捨て台詞を吐くと急に態度を変えた。
「じゃ達成賞を社長からもらおう」

社長が各店舗の店長に手渡しで達成賞を渡していた。続いて部長と次長ももらって
いた。あとで分かった話だが各店舗には30万、次長は40万、部長は50万入った封筒が
渡されていた。
司会の締めの挨拶が終わると各従業員がそれぞれの店舗に帰っていった。

時計が19時半を過ぎると女の子達が出勤してくる。
想像していたより派手なメイクや私服ではない子が多かった。がしかし、更衣室から
出てくるとバニーガールの格好をしてそれなりの化粧をして出てくる。
「女って変わるもんだろ?」
木村が俺の隣で呟いた。
働いている女の子の中には、これ一本で稼いでいる子はもちろん、子持ちの主婦や大学生や
専門学生、昼間の職を兼務しながらと様々だという。

営業の10分前に朝礼が行われる。
女の子にはコールナンバーという番号と源氏名があり、まずこれらを覚えるのが大変だ。
朝礼は木村が仕切っていた。木村の大きな挨拶と共に女の子全員が立ちあがる。
「○月○日○曜日の朝礼を行います、ボーイの木村です!大きなご挨拶と共に着席下さい」
木村はコールナンバーと名前の後に大きな声で挨拶をする。続いて呼ばれた女の子が挨拶を
し、着席していく。
「現状17名、最終19名で本日の営業を行います。店長お願いします」
ここで店長の挨拶だ。これは業務連絡的なものだった。この店長の挨拶と共に営業が始まる。

店内が薄暗くなり、ミラーボールや照明が点灯する。大音量で音楽が流れ、営業が始まった。
すぐに1人の客が入ってきた。
「いらっしゃいませ!」
男子スタッフが大きな声で出迎える。続いて女の子全員が立ち上がり挨拶をする。
「俺がやる事を見て覚えてよ」
木村がオシボリを持って客をエスコートし、卓へ案内する。木村は何かを客に聞いている。
「1番シート1名様からコールナンバー1番由香さんのご指名です。先行で4番ヒカルさん1番
 シートへ。ヒカルさんで1番シート」
どうやら指名客のようだ。この辺りのキャバクラではマイクパフォーマンスで女の子を動かす
らしい。俺はこのアナウンスを必ず聞いてなくてはいけない。女の子の番号と名前と顔を一致
させ、テーブルナンバーも覚える必要があった。

俺は木村に言われたとおり、アイスペールとチャームを客がいるシートへ持って行った。
「いらっしゃいませ。失礼致します」
おそらく俺の人生の中で始めて発した言葉だろう。続いて木村が女の子をエスコートした。
「客の前では片ヒザを付けろとは言わないけど、せめてしゃがむ様にしてな」

「マイカワくんリストまで」
ホール内に店長のマイクが響き渡った。
「マナブ店長呼んでるぞ」
木村に促されてリストと呼ばれる営業の司令室みたいなところへ向かった。
「他の店も見てみるか?」
店長はそういうと主任に営業を任せ、店外へ出た。

地下から階段を上るとクラブクィーンだ。系列店の中では最古参で辺りでは有名な店だ。
クィーン店の店長を紹介された。185はあるだろうか。かなりの大男だったが異様に声が
高い。ここの店長はまだ24歳だというが3人の店長の中では1番長い経験があるらしい。

道路を挟んで2階にあるのがジャックだった。ここはクィーンやキングとは違い、店内も
少し明るく、カウンター席しかなかった。コスチュームもミニスカート以外、露出も派手さ
も無かった。
ここでも店長を紹介された。雰囲気、話し方、身なりやしぐさまで軽そうな男だった。





+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。