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少年と母親の性的関係―――少年の母親に対する想いとは?
第43話 母を抱いた少年
「さあ、よーく見るんだ」
向坂は机の上の資料から、母親の写真を取り出した。
「好きだったんだろう、お母さんのことが?」
向坂は視線を交互に走らせて、写真と少年とを見比べた。
「きれいなお母さんじゃないか」
向坂は言った。
「君によく似ている……とても魅力的だよ。どことなく川村先生にも似てるじゃないか?」
「…………」
少年は答えなかった。
「ほぉー、お母さん、君の高校の先輩だったんだねェ」
向坂はわざとらしく母親の履歴を読み上げた。
「その頃のお母さん、ちょうど君を女の子にしたような感じかな? アニマとしての君の幻像―――それに近い」
様々な角度から写された母親の写真を机いっぱいに広げながら、向坂はひとりごちるように言った。
「なぜか心ひかれる女だ、君のお母さんは。正直、男として君に嫉妬さえ覚え……」
そこまで言いかけて、向坂は次の言葉を飲み込んだ。
母親の死亡診断書―――今まで気にも留めなかった氏名欄。
そこにあった彼女の名前……
「ああッ!?」
向坂は思わず声を上げた。
「どうしたんですか?」
少年はうつろな目を向けて訊いた。
「やはり君は知っていたんだよ……!」
震える声で向坂は言った。
「あの写真……そこに写されていた少女のことを……!」
向坂は背広の内ポケットから例の写真―――保健室の少女のそれ―――を取り出した。
「裏返してみたまえ」
向坂に促され、少年は写真を裏返した。
「…………!」
そこに記されていた鉛筆書きの文字―――少年は絶句した。
S53.8.23 保健係の倉知美和子さん 保健室にて
「美和子……倉知美和子!?」
少年は写真を手にとると、激しくわなないた。
死亡診断書の氏名欄にあった彼の母親の名前―――「羽田野美和子」。
「そう、君のお母さんの名前は羽田野美和子―――倉知というのは、お母さんの旧姓なんじゃないのかね?」
「そんな……」
少年は強く奥歯を噛みしめた。
「あれは、母の……!」
「そう。君は17歳当時のお母さんと愛し合ったんだ」
向坂は静かに、けれどはっきりと告げた。
「君が抱いていたのは、お母さんの思い出だったんだよ」
「うっ……おげぇぇぇッ!」
少年は床に黄色い胃液をぶちまけた。
閉ざされた保健室で―――少年が抱いていたのは母の幻だった……
第43話 終
アルバムの写真は母のものだった……そうとも知らずに、母の幻影を抱いた、少年。
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クリヤマアイコさんある意味、一部JCの間で囁かれた都市伝説です……