警告
この作品は<R-18>です。
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19・欲望(2)
優花はキスを続け、とうとう真理谷に覆いかぶさった。
「う、ん……」
「マリア……」
優花が真理谷の耳元で囁いた。
はつ意外に真理谷をそう呼ぶものはいない。優花がそれを何故知っているのか、そのときの真理谷は朦朧としていて深く考えられる状態ではなかった。
ただ、はつに囁かれている感じがして心地よかった。
夢うつつの中で、耳から足先までざわざわと快感が走る。優花の指先が襟元から入り込んで真理谷の乳房を捉えた。
「あっ……」
思わず真理谷は声を漏らした。
こんなことは初めてだった。
自分から仕掛けることはあっても、相手から攻められることはなかった。いつもと勝手が違う。しかも、しこたま酔っているのだ。
体中の血がたぎって、異常に敏感になっていた。
「優花ちゃん……こういうことは……不本意だ……」
優花に溺れそうな危機感を抱いた真理谷は、優花の腕に手をかけて抵抗した。といっても、酔いすぎたせいか押しのけるほどの力は入らず、弱々しく懇願するしかなかった。
尚も、優花の指先は乳房を離さなかった。
「スレンダーに見えるけれど、マリアって私より大きい」
「馬鹿……」
息を弾ませながら、真理谷は声だけ抵抗していた。
「もっと見たい」
優花はシャツのボタンを次々とはずして真理谷の胸元をはだけさせ、その谷間に唇を寄せて頂に舌を這わせた。
「んっ……」
攻められて声を上げるなど、恥ずかしくて絶対にしたくなかった。
真理谷は口を固く結んで、声を殺した。
「我慢しなくていいのに」
艶っぽい微笑みを浮かべて囁いた優花は、再び真理谷の唇を塞いで舌を滑り込ませてきた。
舌先が口中をそろそろと愛撫し始める。
「んん……」
くぐもった声が自然と漏れ出た。
優花の手が下腹部に下りていく。
抗う気持ちと、何も考えずに溺れたいという気持ちが入り乱れた。
「これ以上は、だめ」
「マリアが欲しいの」
首を横に振り、キスから逃れて抵抗の言葉を発した真理谷を、熱を帯びた瞳で優花が見下ろしていた。優花の腕を真理谷は辛うじてつかんでいた。
欲望に逆らってみたものの、真理谷の理性はすぐさまへし折られてしまった。
「攻められるのはちょっと、慣れないから」
「だったら、抱いてくれる?」
発情した優花の、しっとりと濡れた唇が艶かしい。
そんな優花に押し倒された状態で、心が動かないほうがおかしいのだ。真理谷はそんなふうに自分を正当化してみたのだが、はつの泣き顔がちらちらと浮かんでくるのだった。
欲望と戦ううちに、酔いはどこかへ飛んでしまい、言い訳がましいことを口にした。
「石津が……」
「そんなに石津さんが気になるなら、黙っていたらいいの」
優花は少し怒ったように口を尖らせた。
「騙すことは、できない」
「別に、石津さんは興味ないもの」
優花はそんなことはどうでもいいと言うように、真理谷の手を振りといて再び乳房に指を這わし始めた。
はつという想い人がいることを言わなかった自分は、ずるいと思った。心の底で優花を抱きたいと思う自分がいるのだ。
欲望に勝てない。
優花の指は巧みに攻め続けてくる。
いけないことだと思うとなお更感じ、声を押し殺そうとすればするほど、真理谷は高ぶっていった。
「くっ!」
唇をかんだ。
「マリアの声が聞きたい」
そんなことを囁かれて意識し、一層口を硬く閉めて無理に声を押し殺した。
「そんなに頑張ったら、唇切れちゃう」
優花は軽く口付けをしてから、真理谷の唇を指でなぞりつつ、その指を二本ばかり口中に忍ばせてきた。
「やめ……」
優花の指は口中の敏感な所をそろそろと触ってもてあそんだ後、その濡れた指を口中からぬるりと取り出して、つつっと首筋に走らせた。そうしている間にも、もう一方の手は乳房を揉みしだき、舌までも駆使してその硬くなった先端を舐め上げていた。
優花の巧みな攻め立ては真理谷を脱力させていった。
「あう……」
執拗な指はいつまでも乳房を攻め続け、その手は下へと降りていき、ついにジッパーに手がかけられた。
真理谷はその手を払いのけようとしたのだが、腕が重くて力が入らなかった。
おかしい。
このときようやく真理谷は異常に気がついたのだった。
さっきより思うように動けなくなっているのだ。
「うふふ」
真理谷の焦る顔を見下ろす優花は、不敵な笑みを浮かべた。
「な・に・を……」
口もうまく動かない。頭に霞みがかかったように思考がまとまらない。まずい事態に陥っているということだけが頭の中をぐるぐると駆け巡った。
「マリア、そんなに青くならなくっても。こういうのもたまにいいでしょう。いっつもする側ばかりなんだから」
優花は余裕の口ぶりで、真理谷をじっくりと味わい始めた。
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