警告
この作品は<R-18>です。
18歳未満の方は
移動してください。
まとめきれず、少し長めです……(-_-;)
しかも、サッカー見るのに夢中で更新忘れそうでした。すみません……
(^_^;)苦笑
頼むから勝ってくれぇ〜〜……(>_<)!!
☆86☆ 天華 Date4
「駁斗、駁斗ぉ〜〜っ♪
見て見て……!! ほらあそこ!! 鯖男君だよ!!
鯖男君がいるよ……!!」
そして俺達は、通常ならば決して美味しいとは言い難いその昼食を、とても美味しく頂き……
夏の透き通る青が染め渡る空の下、あの異世界の様相溢れる外へと戻り
園内中央の、緑に囲まれた広場へと来ていた……
「な、なにぃっ……!!!?
さ、鯖男だと……!?
アレが噂のマスコット、鯖男君なのか……!!!?」
そぅ……その珍妙な魚頭をした微妙にグロテスクな彼《水煮 鯖男》と
その彼女であるらしい《塩焼 鮭美》は、このミズニーランドのメインマスコットなのだ……
そして駁斗も、すっかりとその場の空気と雰囲気に呑まれきり……
天華同様におかしなテンションのまま、何とも珍妙な鯖の着ぐるみに駆け寄って行く……
「鯖男ぉぉぉーー!!!!」
『鯖男ぉぉぉ〜〜♪』
ダダダダダッ……!!!!
『サ、サバ……?』
そして……凄まじい勢いで、鯖男へと詰め寄る2人の大人(?)と……
その彼等の形相に着ぐるみのクセに解り易く明らかに脅える鯖男……
ガシッ……!!
『サ、サバ……!?』
「鯖男ぉぉーー!!」
『鯖男ぉぉ〜〜♪』
ゲシゲシゲシ……!!
『サ、サバ!? サバァァァァァーー……!?』
そして狼狽する鯖男は、簡単に彼等に捕えられ
多分(?)悪意の無い、手荒い歓迎を受ける……
ゲシゲシゲシゲシ……!!
ゲシゲシゲシゲシ……!!
ゲシゲシゲシゲシ……!!
………………
「ふぅ……いやぁ〜♪
天華♪ 鯖男はやっぱり微妙だったな……?」
『うん♪ 超微妙♪』
『サ……サ……バ……』
そして族と化したその2人組は、倒れボロ雑巾と化した鯖男を余所に……
嵐の如く去って行った。
『ねぇねぇ……?
駁斗♪ 次はアレに乗ってみようよ……?』
そして天華は先程、園内の所々にある売店で買った、鯖男の携帯ストラップを片手で手持ちふたさに遊びつつ……
更に上がるテンションで彼へと提案する……
「ん? あぁポーンショップマンションか……」
pawnshop mansion……
直訳で、質屋大邸宅……
其処はその名の通り……
違法質屋が立ち並ぶマンションに、金欠病の人間達が迷い込むと言う……
何とも恐ろしく(?)何とも意味不明なアトラクションである……
「なぁ、天華……?
このテーマパーク……大丈夫なのか……?」
『えぇ? だって凄く怖いって有名なんだよ?
あのアトラクション♪』
「そ、そぅか……」
そして駁斗達は、かなり眉唾ものの噂を背に……
もぅ此処まで来ると半自棄気味に、そのオンボロマンション前の大行列に加わるのであった……
………………
キャァァァーー……!!!!
その時、アトラクション内を歩く彼等に、突然耳をつんざく麗若き乙女の悲鳴が聞こえる……
そして其処には、顔面を蒼白にさせた……
大事な指輪を質流れさせてしまった女の姿が……
ガァァァァーーン……!!
………………
「何だ? ……これ?」
うわぁぁぁーー……!!!!
そして再び、今度は荒みきった親父の叫び声……
そしてやっぱり其処には、質入れしに行ったブランド時計が偽物だとしらされた男の姿が……
ガガガァァァーーン……
………………
「いや……だから……」
ぐほぁぁぁーー……!!!!
そして3度……
「もぅ良いわ……!!!!」
………………
そして悲鳴に呼応し、ついに限界を迎え……
堪らずに怒鳴る、駁斗の叫び声が……
………………
『あははははっ♪』
そして俺達は、大方の予想通り……?
何とも無意味な小一時間を浪費し、そのオンボロマンションを後にするのであった……
「まったく……あれの何処が恐ろしいのだ……!?
ま、まぁ……かなり広〜〜い意味では、恐ろしいのかもしれんが……」
そして何故か、それでも変わらず楽しげに笑う天華の横で、コメカミに手を当て辟易する駁斗の姿が其処にはあった……
『まぁまぁ……♪
下手なお化けなんかより、人生の苦悩の方がよっぽど怖いって事よ♪』
「い、いや……
それにしたって、明らかに片寄った人生の様な気がするのだが……」
駁斗はその背後のオンボロマンションを振り返りながら、更に痛む頭をおさえる……
『あれ? でも駁斗には身近な人生じゃないの?
ふふふふっ……♪』
天華はそぅ楽しげに笑う
すると駁斗は、天華をジト目で見つめ答える……
「ふぅ……天華は全然分かってないな……」
『へ? 何がよ……?』
「良いか? 質入れするって事は、質入れする様な物を買う余裕があったって事なんだよ……♪」
『あはは♪ 成る程〜♪
流石は生粋の貧乏さん♪
仰る事が一味も二味も違いますねぇ〜……?』
「何ぃ〜……!?」
「『 あははは♪ 』」
そして2人は、何時の間にか何時も以上に近い距離で、何のテライも無く笑い合っていた……
‥…☆‥…☆‥…☆
『うわぁ〜〜……っ♪』
そして俺達2人は、丸一日かけ園内を見て回り
夏場の高い陽がすっかり落ちた暗闇の中に、満天の星達と街灯が煌めく美しい世界でもぅじき開始する……
この遊園地の最大の目玉の1つでもある、夜間の定刻に行われるパレードを眺める為、そのある場所にやって来ていた……
其処は全くとれない事前予約と、かなり倍率の高い当日の抽選でしか、入る事の出来無いと言う
園内の中央にあるツンデレラ城の高台に、1室1室いわゆるバルコニー状に部屋が取り付けてある。
完全個室型のフレンチレストランへであった……
「いやはや、確かにこれは凄い景色だな……
これなら当日券の倍率が異常に高い事も
予約が全くとれない事も頷ける……」
そぅ、このレストランは昼夜の1日2回のパレード時は勿論の事……
例え通常の時間帯でも、凡そ数年先まで全て満席と言う程、全く予約がとれないのだ……
そしてその1つの救護策として、当日に一定額以上の買い物をした人の中から要望により抽選し
一番人気がある、夜間パレード時の時間帯の数部屋に限り、その当日抽選の当選者にペア専用の部屋を付与される事になっているのであった……
『本当よねぇ〜……
ふふ♪ でも此処からじゃ目線が高過ぎて……
一体どんなパレードなのか、よく分からなそうだけどね……?』
「ふふ♪ まぁな……♪
見ると言うより、眺めるに近いだろうなぁ……
それにしても、お前……
よく当たったもんだな?
恐らく数千倍くらいの確率だっただろうに……」
そぅ、当然ながら予約等とっていなかった俺達は
風の噂では聞いていたものの、まさか此処で夕食を食べる事が出来るなんて、当然思ってもみなかったのだが……
実は携帯ストラップ収集が趣味だと言う天華が
このミズニーランドの、数々の微妙なマスコットの人形が付いた、携帯ストラップを大量購入したおかげも有り……
見事、とんでもない確率のその抽選に当たってしまったのだった……
『ふふ……♪ 私、昔から本当にクジ運だけは良いのよねぇ〜〜……♪
ふふ♪ 感謝してよ?』
「あぁ、本当だな……俺なら絶対に不可能だ……
俺には例え、何万回挑戦しようと当たらない自信がある……」
すると駁斗は、虚しくもそぅ力説する……
そしてその様相は、煉瓦と言うよりは普通の灰色の岩を四角形に切り取り、それを組み合わせた様な作りをしており……
その凡そ4畳半程の、少し狭くも感じる室内にある……
大体駁斗の腰程の高さの半円型の手摺に沿う様に、いわゆるカウンター型のテーブルが固定され
そのテーブルの前には、少し広めに見える赤いラブソファーが1つだけ鎮座していた……
そして駁斗達は、外から照らす遠い灯りと、その周囲に取り付けられたいくつかのロウソクのみで照らされた薄暗い空間をグルリと眺め……
ふと、今更ながら……
その狭い空間に、今は2人だけであると言う事実に気が付く……
すると2人はどちらとも無く僅か互いを見つめると、意識に逆らい赤らんでくる顔を背け……
その赤色のラブソファーへと、微妙な距離を保ちつつも腰を下ろす……
………………
『ね、ねぇ!? 何か……
ちょっと狭いわよね!? こ、この部屋……!!』
すると天華は、まるで沈黙を恐れるかの様に
不自然な声量で駁斗に話しかける……
「えぇ? あぁ……
まぁな……でもまぁ……
俺の前の部屋はこれぐらいだったぞ……?」
『えぇ……!!!?
あ、あぁ……そぅか……
でも他の部屋とかは、それよりもっと広かったんでしょ……?』
「…………???
……他の部屋……?」
『うん……その……何?
例えば寝室とか、リビングとかさ……?』
「あは……あはは……」
すると駁斗は乾いた笑いを溢しつつ……
改めて互いの生まれ育ちと、常識の差を痛感していた……
はあぁぁ…………っ
「良いか? 天華……
あのなぁ……普通は、20代そこそこの都会での1人暮らしで……
そんな何部屋もある様な場所に、そうそう住める訳が無いんだ……」
『そ、そぅなの……?』
「あぁ……もし、そんな所に住めるとしたら……
其処は余程のボロ部屋か、もしくは黙ってても金を得られる何処ぞのボンボンか……
もしくは、怪しげか特殊な商売してるかくらいなもんなんだぞ……?」
『そ……そぅ……』
「あぁ……まぁ……
ある程度の田舎にまで行けば、あの綾禰家の部屋程では無いにせよ……
そこそこの広さがある場所にも住めるんだろうけどな……?
まぁ俺の場合は……
普通にすら至らない様な、狭く汚いボロ小屋だったけどな……」
『………………』
「だから皆が皆……
お前の家の様に、トイレや脱衣所だけで、下手したら此処より広い様な家に住めると思ったら大間違いなん……だ……?」
『………………』
「……天華……?」
『……そっか……
本当、私って……何も知らないんだねぇ……』
………………
すると天華は、今までの機嫌の良さが嘘だったかの様に、暗く落ち込んだ様子を見せていた……
………………?
「おい……天華……?」
駁斗はその急激な変化に焦燥し、訳も分からず天華に問い掛ける……
そぅ、駁斗は……
まさか《あの》天華が、そんな事位で、落ち込んだりするとは到底思わなかったのだった……
『……ん……?
あぁ……ごめん平気……
たださ……何も知らない自分を、ホンの少しだけ
情けないなって感じちゃっただけだから……』
「え……? ぃゃ……
そ……そぅか……
あの……俺もつまらん事を言っちまった様だ……
……すまなかった……」
『ふふ……♪ 別に駁斗は当たり前の事を言っただけじゃない……?
ただ私が勝手に、自業自得の世間知らずに落ち込んだだけだから……♪』
「ぃ……ぃゃ……しかしだな……?」
『あぁ、もぅ……煩い!!
もぅ良いの!! 勝手な私が、勝手に反省したいだけなんだから……!!』
すると天華は暗くウダウダとする会話を嫌い
その場の暗くなりつつあった重い空気を払拭しようと、態と声を荒げ駁斗の言葉を遮断する……
………………!?
すると駁斗もそれに気付き、敢えて何時もの調子に戻し返事を返す……
「ふふ♪ ……全く……
お前と言う女は、相も変わらず直ぐにカリカリする奴だな……?」
『ふふふ……♪ 悪かったわねぇ〜〜?
アンタが直ぐ要らない事ばかりして、私を怒らせるのが悪いのよ……♪』
「はい、はい……」
そして2人は、何時もの日常である……
その不毛なやり取りをしたおかげもあってか、先程までの微妙な緊張感がすっかり解け……
昼間同様に再び楽しげに……そして今は、何時もの2人の笑顔に戻り笑い合っていた……
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