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  HAREM☆HOUSE 作者:品薄
劉姉妹編はこれで終了です。しかし…かなり省いたのに予定より長めに…笑
次回からは、また少し作者の身勝手お遊び予定?
☆28☆それぞれの変化
 
今日はポカポカの良いお天気…花粉症では無い人なら大抵好きな季節の1つであろう…

残念ながら家内の桜は既に散ってしまっているが、五月晴れの暖かな日差しと、夏を前に色とりどりに咲き乱れる花達の香りが…気怠い体を包み込んでくれる

そしてそんな幸せ一杯な筈の季節の中…ある一角だけは殺伐とした空気が立ち込めていた…



「鈴凛サンドイッ…チ」
『ガルルルルゥ…』


 ……………


「水杞…珈琲…を…」
『ガルルルルルゥ…』


 ……………


「欄婪…?…あ…の…」
『ガルルルルルルゥ…』


 ……………


「……………」

俺達4人は今日……
先日…鈴凛と約束していた、庭先での簡易ピクニックを開催している…

今回…流那は残念ながら仕事により不参加だ…
全くもって…本当に…
心の底から…残念ながら

 ……………

何故なら…そのお陰で…
俺はこぅして3人から少し離れ…1人寂しく、餌も無く…無意味にひたすら日光浴をする羽目になっているのだ…


理由はただ1つ…
この通称アルアル娘こと
…劉 欄婪さんである…


先日、俺の完璧すぎる作戦により…無事…問題解決へと至った筈の1人…
まぁ感謝される様な事は無いにせよ……恨まれはしない筈……だった…


何故なら、俺が手を下したのはあくまで鈴凛だけ
彼女にはそれこそ指1本、触れてなどいないのだから…


しかし…現実はそぅ甘くも簡単でも無かった…

確かに…結果的に…
彼女達、劉姉妹は無事…仲直りを果たし…
そしてその他の人々に対しても、ちゃんと?目を向け…接する事が出来るようになった…と思う


その証拠に、欄婪の水杞に対する慕い様ときたら
それはそれはもぅ…
レズっ子丸出し!!のご執心ぶりである…

しかし…どぅやら彼女…
劉 欄婪は、生粋のレズっ子であったらしい…
水杞と鈴凛に対しては前にも増して好き好きアピールしまくりだし…
それ以外の女性人にも前以上に優しく…そしてちゃんと向き合って接している様に思える…

……しかし……
その反動なのであろうか
それとも彼女が大好きな鈴凛に手を出した報いなのであろうか…

それまで普通にすら思えた彼女の俺への態度は一変し…寄れば唸る…
触れれば噛みつく…と…
正にタチの悪い野犬状態である…

故にこぅして…
微妙な距離を保ち…俺は何とも寂しい1人ピクニックに、いそしむ事とあいなった訳である…

 ……………

(…何か……虚しい…)

俺が1人青空を見つめ、無情の世に涙していると…見かねた鈴凛が再び妹を諭し始めた…


『欄婪!?駄目デスよ!
いい加減にするデス!駁斗様に失礼デスね!』

『むぅ…だ…だって!
駁斗は鈴凛の事襲ってたアルよ!
獣アルね!猛獣アルね!!鬼畜生アルね!』

(つ…終には呼び捨てに降格したか…)

『欄婪!!!!だから…
それは何度も違うと言ってますデスね…
駁斗様は少しも悪く無いのデス!ぁ…ぁれは…
その…全部ワタシが望んだデスね…//////』

 …………!!

『だ…駄目アル!!
は…駁斗は野獣アル!!
男はみんな狼だって皆言ってるアルね!』



(うーん…ある意味微妙に正しい…)

「駁斗様はそんな事無いデスね!駁斗様はとっても紳士デスね!!」

(ごめん…鈴凛…そんな事は無いのだよ…)

『は…駁斗だって同じアル!獣アルね!!』


そして、その堂々巡りの不毛な争いを見かねたのか、1人…冷静に水杞が2人に話しかける…

『まぁまぁ…お2人共…それくらいになさったらいかがですか?
良いですか?欄婪さん…
少なくとも駁斗様は駁斗様なりに…貴女方の事をちゃんと考え…想ってくれてはいませんか…?
今…こうして皆で仲良くいれる事だって…結果的には駁斗様のおかげなのではありませんか?
それなのに…貴方のその態度は、あまりに駁斗様に対して失礼だとは思いませんか…?』

 ……………

『そ…そぅ思うアル…』


『鈴凛さんもです…
欄婪さんはただ…貴方の事が心配なのです…
それに人を信じる事はとても大切な事ですが…
世の男性の多くは…性的欲求に弱いのも恐らく事実なのですし…
周囲の自分を想ってくれる方々の意見は大切にしましょうね…?』

 ……………

『はいデスね…』

(ふふ…本当…
水杞は何かお母さん…って感じだよな……言ったら怒られそうだけど…)

「水杞…まぁ良いさ♪
今は女性同士…仲良く絆を深めてくれ…♪
異性云々は、後々…少しずつにでも慣れて行ければ良いだろ…?」

『そぅですか…駁斗様がそぅ仰有るのであれば…
…分かりましたわ…』


そして俺は3人を少しの間微笑ましく見つめ、邪魔をしないよう、そっとその場を立ち去った…


「ふぅ…何とかなったかな…?まぁ…多少の問題はあるけど、それもある種の個性だし…ゆっくりにでも緩和していければ良い…よな…?」

俺はそぅ…寂しく独りごちながら…
丁度、自分の私室の上にある…一面に芝生が敷き詰められ…まるで新緑豊かな小さめの公園の様な屋上庭園へと向かった

他の場所の屋上は普通の洋瓦の屋根になっているのだが…
俺の私室の屋上部分ら辺一帯だけは平面になっており、こうして休憩スペースとして庭園状になっているのだ…

ここには余り人も来ないので、俺の最近の定住スペースと化している…
まぁ…ようは1人になりたい時などに此処に来るわけだがな…


そして俺は木工だけで造られた庭園のベンチに腰を下ろす…
此処からは屋敷内は勿論の事…遠い壁の向こうに見える町並みも見渡せる

何故ならこの1号館は少し高台になっており、1F毎の天井の高さが高いため通常の3階建てよりも随分高いのだ…

そして背後には、このロの字型になっている1号館の中庭が見える…
実に奇妙な作りだが、これも麗羽さんの遊び心という奴であろう…

そして俺は、その中庭で各々に、はしゃぎ…寛ぐ彼女達の姿を感慨深げに眺めていた…

 
俺が此処に来て…早いものでもぅ直ぐ2ヶ月が経とうとしている…
正直…女ばかりで色々大変な事はあるものの…
どんな所でも住めば都…とは、よく言ったもので
此処での生活…此処で出会った人々は、既に俺にとって大切なものになって来てしまっている…

刃月や流那…未来に亜垢亜…そして水杞と劉姉妹………
まだ、天華に限っては好戦的ではあるものの…
此処に来た時の、あの…
顔すら会わせ様としなかった頃に比べれば…
多少…?は会話になる程度には接してくれる様になっている…

……気がする……


俺は元々其れ程人付き合いの巧い方では無かった
否……しなかったと言うべきだろう…
特に女性とは一線をひいていた…
それは自分の中の野蛮な本能を恐れている事もあるし…何より普通を望みながらも、中場諦めていたんだと思う…

俺の様な荒み汚れきった人間には…
所詮…無理なのだと…
それならば極力…彼女達の近くには寄らず…
そして自己嫌悪に陥る事なく…外からこぅして遠目に他人の普通な幸せを見て…少しでも幸せを感じていようと…

俺には普通の恋愛…誰かを好きになって…
そして愛し合って…
何て事は不可能なんだと、ある意味逃げ回っていたんだと思う…


でも……それも…もぅ…終りにしよう…

いつか…俺が此処を…この家を出て行て…
刃月の言う様に皆が笑顔で…此処を出て行けたら

…俺は必ず…

普通なんかじゃなくても良い…どんな形でも良いから…誰かを愛して…
自分なりの恋愛を見付けよう…そぅ思った…



『駁斗!……様…』

その時…1人の少女が、見るからにバツが悪そうに、俺に声をかけて来た

「ん?あぁ…欄婪か…
一体どうしたんだ…?こんな所で?」

『駁斗…様を…探してたアルね…』

「ふふ…別に呼び捨てでも良いよ?端から特尉何かのつもりも無いし…」

『うぅ…解ったアル…
でも……悪かったアルね……色々…』


「……え……?」

『その…何か急激に色んな事で頭がパンパンになっちゃって…駁斗に…駁斗を悪者にして…
私…逃げちゃってたアルね……』

「……そぅ……」

『だから……これ……』

「……え……?」

欄婪がこちらを向く事無く差し出した手には、
1つ…1つだけ、あの時…鈴凛と買ったピアスの色違い…恐らくピンクゴールドのシンプルなピアスが乗っていた…

「え…あの…これって」

『あぁ!もぅ!良いからさっさと付けるアルね!
で…でも!勘違いしちゃ駄目アルね!こ…これはただの…その…そぅ!
友情の証しアルね!』

 ……………

「ふふ…あはははは♪」

『な…何笑うアルね!』

「いや…ごめんごめん…
うん…ありがと…欄婪…大切にするよ…」

そして俺は鈴凛のピアスの斜め上に開く穴に、彼女の右耳と同じピアスをはめた…


『そ…それで良いアル…
で…でも!鈴凛は渡さないアルよ!』

「ふふ…うん…♪
でも…どぅしても鈴凛が好きになったら…俺も…
容赦はしないからね?」

『ふぁ!?//////ま…負けないアルよ!!』

「あはははは♪うん♪」

俺は彼女達の真っ直ぐさに…その純真無垢とさえ思える真っ直ぐな愛情に……少し……ホンの少しだけ…荒んだ俺の心が洗われた気がした……


 
『駁斗様…』

すると欄婪と入れ代わるように水杞が姿を現す…

(何か…俺の秘密の安息の場所なのに…最早その価値を成して無いな…)

『うふふ♪あら?皆もぅ知っていますわよ?時々こうして此処で黄昏てらっしゃる事くらい…』

「え…エスパー!?」

『うふふ♪顔にそぅ書いてらっしゃいますわ♪』

「そ…そぅか…しかし…バレていたとはな…」

『うふふ♪でも皆さんで駁斗様が此処に来ている時は極力1人にさせて差し上げようと…』

「ふふ…何か…情けな…俺……」

まさか皆がそんな風に思ってくれているとは…
正直な所、俺は彼女達のそんな気持ちを…ホンの少しも理解していなかったのかもしれない…


『ふふ♪まぁよろしいではありませんか…
たまには…こぅしてお1人になられる事も…きっと必要な事なのですわ…
自分から…過去から逃げない為にも…ね?』

 ……………

「うん…そぅかもな…」


『さぁ…私も頑張らないと…色々と駁斗様に負けないように…♪』

「ふふふ…そぅだな…」

俺達は互いに背負う者の為…背負う傷の為に…
もぅ1度…下の庭園で笑う彼女達を眺めた…



‥…☆‥…☆‥…☆



『要様…管理部の先月分収支報告の整理終わりましたわ…』

「そぅ…ご苦労様……
あ…クリス…?」

『はい…何ですか?』

「何やら…最近…調理部の双子が騒がしいと聞いたけれど…貴方…何か知ってるかしら?」

『いいえ♪私は何も…』

 ……………

「そぅ…それなら良いわ
…ただ……1人でつまみ食いの様な、つまらない真似はよしなさい…」

『ふふ♪えぇ…承知致しておりますわ…要様♪』

「例え楽しめそうな玩具でも…使い方を間違えたら直ぐに壊れてしまいますからね…」

『えぇ…ふふふ♪
ただ…ホンの少しからかっただけですわ♪
第一…あれくらいで壊れる様なら、どの道楽しめませんわ…♪』

「ふぅ…全く…
兎に角…これ以上の勝手は許さないわよ?直ぐに遊べるわ…それまで大人しくしてなさい?良いわね!?クリス…」

『えぇ…承知致しましたわ……要様♪』


ふふふ…♪
神楽 駁斗……か……
さて…どぅ遊んであげようかしらね…♪