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  HAREM☆HOUSE 作者:品薄
あまり間隔は空かない様にはしますが、今後は毎日更新は難しそうです。
(-_-;)
その分? 来週辺りから、既に書いてある新規小説の方も、少しづつですがUPして行こうと思っています。(^-^;)
しかしちゃんと完結は致しますので、どうぞ御勘弁下さいませませ。
m(__)m
☆231☆ 空の華

 
 そしてあの哀璃とルナの柊家の2人が、この綾禰家を出ていってから、凡そ半年の年月が経とうとしていた……。
 そうしてまた日々変化した各々の新たな平穏の中で、哀璃とルナの2人はこの綾禰家へは、ただの1度も戻る事は無く。
 そして新たな綾禰家の正式な当主となった秀羽もまた、その仕事があまりに多忙になった為に、ここ半年の間は全く帰る事の出来ない日々が続いていたのだった……。
 
 そしてもう1人、柊 月乃もまた……
 彼女は前々から、それほど他人の前に出て来る事は無かったのだが、ここ半年の間は特に決まった1人の人間以外の者達とは、一切顔を合わせる事も無く。ずっとあの1号館の地下にある最重要機密施設の中へと篭り、陽の当たらぬ生活を自らの意思でしていたのだった……。
 
 
 ピッ…ピピピッ……
 
「……ふうっ……」
 
 そしてそんな月乃と、唯一顔を合わせる事の出来る。この地下施設へと入る事の出来るその女性は、今日もその彼女に会う為に、その地下施設の中へとやって来ていた……。
 
 
 ピピピーーッ…
 
 ウィーーーーン……
 
「……月乃……? 今日も来たわよ……。それで、調子はどう? 身体の方は、まだ平気そう?」
 
『あっ、おはようございます…麗羽様……。毎日毎日、本当にすみません……。身体の調子は……まぁ…何時も通りと云う所ですかね……』
 
「ふうっ…それじゃ調子良くないって事じゃない……。それにもう、おはようって時間じゃないわよ? もしかして、また徹夜していたの? 全く…今は特に、本当に貴方1人の身体では無いのだから、少しは自分の身体の事も貴方自身で気遣ってくれないと……」
 
『はい……一応、分かってはいるのですが……。すみません……』
 
「ふうっ…もう……」
 
 すると麗羽は、そんな形だけの何時もの謝罪の言葉を口にする月乃の事を、心配げに、呆れた様に溜め息を吐く。
 
 そしてこの半年もの間、全く外に出る事無く。日の光も、そして時計の針さえも見ようとはしなかった月乃は、その麗羽の来る時間だけを頼りにして。その一日の始めと終りの時間を意識しており。そしてその彼女の到来により、その動かし続けていた自分の手を、漸くホンの少しだけ休めていたのだった……。
 
 そしてそんな月乃の事を、麗羽はどうせ言っても無駄な事とは知りつつも、しかしとても言わずにはおれず。そして少し困った様にその表情を歪め。そんな彼女に対し、最早毎日の恒例となりつつある、何時もと同じ忠告の言葉を呆れた様に、繰り返し促していたのだった……。
 
 
「ほら…もういい加減、1度ちゃんと体を休めて……。少しは奥で眠ってきたらどう……?」
 
『ですが…私の身体が動くうちに、出来る事は全てやってあげておかなければ……。私にはもうこんな事ぐらいしか、この子やあの子に残してあげられる事は…もう何もありませんから……』
 
「……月乃……」
 
 すると月乃は、そんな彼女の忠告も何時も通り迷うそぶりさえも見せず、軽く受け流し。
 そして再び中央管理室の中の巨大なコンピューター方へと、その目線を戻し。また何やら、その彼女には何の事かも分からない小難しいその作業を開始し始めていた。
 
 
「もぉう……月乃っ!? だって貴方はまだ確かに、こうして生きていられているじゃない! だ…だから…そのぉ……」
 
『……いいえ……』
 
「……月乃……」
 
『私の身体はもう既に、後もって数ヵ月と云った所でしょう……。それはもう、誰にも変えようの無い事実なのです……』
 
「………………」
 
 すると月乃は、背後の彼女の方を僅かに振り返り。そう、まるで他人事でも話すかの様な耽々とした口ぶりで、そのあまりに重い現実と云う事実を、改めて其処でジッと立ちすくんだままの彼女に対し。ゆったりと穏やかに微笑み返しながら伝えていた……。
 
 
『ふふふっ…もう、そんな顔をしないで下さいな…麗羽様……。私はもう、すべき事は全て終えた身です……。後の判断は、まぁ些か無責任な様ですが、後世の娘達に委ね。楽をさせて頂く事としますわ……』
 
「……月乃……。でも…それならやっぱり、兄様にちゃんと全てを話して、せめて残りの時間を兄様と2人で……」
 
『いいえ…それもいけません……。私は例え堕ちても所詮は柊の家の者……。少なくとも今はまだ、柊と綾禰は共に生きていなければなりません……。我々柊の者達にとっては勿論の事、平穏を望むこの家で暮らす人達にとっても……』
 
「……で…でも……それてもやっぱり……」
 
『いいえ……。それにこの娘…テンカの秘密を守る為にも……今はまだ、なるべく柊の者達に油断をさせて、時間を稼ぐ必要があるのです……。もし柊の者達が存亡の危機を感じ、その手段も何も選ばなくなってしまった時には、この秘密を隠し通す事さえも、恐らく難しくなってしまいますから……』
 
「……月乃……。あの…テンカって、もしかしてそのお腹の娘の名前?」
 
『ふふふっ…えぇ……。私の様に、夜の闇に無理矢理照らし出される月では無く……。昼の晴れた空に華開く…あの…私には眩し過ぎる陽の光の様に生きて欲しいです……』
 
 そして彼女はそう、照れた様に小さく呟き。この機械だらけの薄暗い地下室からでは、全く見る事の叶わない遠い空を、ただジッと見上げ続けているのだった……。
 
 
「……天華……」
 
 

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