警告
この作品は<R-18>です。
18歳未満の方は
移動してください。
やばい……。ソフトボール、マジやばい……。
家で1人で泣いちゃいました……。(T_T)笑
既に野球よりソフトの方が楽しみになってしまっていました……。
(-_-;)笑
いやはや……本当に凄いですねぇ……。(T_T)
☆216☆ 中休み
……ガチャン……
「……ふぅ……」
そして風嶺は、その綾禰家の彼女達が居る特別病室を出て。まるで何かを振り切ろうとするかの様に、小さく1度溜め息を吐き。漸く何かの感情の欠片を、1人極々僅かにだが表していた……。
「いや…まだだ……。まだ何も終わってはいない……しっかりしろ……」
そして風嶺は、その今は誰の姿も見えない病院の廊下で、そう小さく自分自身に向けて語り掛け。その内にある苦悩や弱気と言った人としては当然の感情を、彼は無理矢理にでも拭い去り。
そして何とも器用にも、何とも愚かに覆い隠しているのだった……。
「……んっ……? 何だ…雷我……。漸く戻って来たのか……?」
すると風嶺は、その一見誰の姿も気配も感じられ無い。その病院の廊下の片隅にある柱の陰の、丁度此処から僅かに視角になっている場所を、何の迷いも無く見つめ。そう、何の驚きや狼狽も無く。其処に居るであろう彼に向け、そう当然の如く声を掛けた……。
……チッ……
『あぁ〜〜ぁ……ったく、何だよ……。態々こうして驚かそうと思って隠れていたってのに、アッサリ気が付いてテンション低く交しやがって……。相変わらずノリの悪いつまらねぇ野郎だなぁ……?』
……ふぅっ……
「五月蝿い……。全く……余計な事をしてないで、さっさと任務と現状の報告をしろ……」
『ふんっ……何だよてめぇ、偉そうにっ……! 当然この程度の任務ぐらい、余裕で何の問題も無く。無事に任務完了したよっ……! 今はあの女には、此処の別館にある地下の部屋に、御命令通りに静かに眠って頂いていますよ……』
「そうか……。御苦労だったな……。雷我……」
『……チッ……』
すると雷我は、その彼の物言いと態度に、酷く気にくわない様子で舌打ちをして。フテ腐れたかの様に、その顔を彼から背け。その明らかな苛立ちを、何ともガキっぽく彼に向けて表しているのだった……。
そして風禰は、そんな何時も通り彼の態度には、一切構う事も無く、アッサリと受け流し。その次の自分達がすべき仕事の指令を、その分かり易くスネ続ける彼に向け、ただ耽々と感情の見えない事務的な声色と表情で、その真逆な彼に伝えていく……。
「それで今後の作戦の事だが、我等は後はこのままこの状態を暫しの間、死守する……。つまり、此処をこのまま平穏の状態で、例えどんな邪魔が入ろうとも保ち続ける事だけだ……」
『はぁっ……? 何なんだよ、それ? 態々あんな、ずっと眠ったままの女なんかを拐って来といて、このまま放置するだけなのかよ……?』
「あぁ……そうだ……」
『はぁっ……? ったく……。お前、一体何がしてぇんだ……? こんな仕事に、本当に意味があんのかよ……?』
すると雷我は、自分には何1つ説明をされてはいない。そのあまりに不可解な仕事に対し。流石にその馬鹿な彼ですら、その命令を耽々と下してくる彼に対し。若干ながらモヤモヤとした不信感と、僅かな苛立ちを覚えている様であった……。
……ふうっ……
「お前が一々、そんな事を心配せずとも、勿論意味ならある……。そしてその理由は、お前は別に知る必要の無い事だ……。それに元より我等は、ただ麗羽様の為だけに、今までも、そしてこれからもずっと動き働き続けて行けば良いだけだ……」
……チッ……
『あぁ……分かったよ……。それが本当に麗羽様の為になると思えるうちだけは、実に気に入らねぇ事この上無いが、お前の言う通りに動いておいてやるよ……』
「あぁ……。当然だ、それで全く構わない……」
そして彼等は、不意に各々逆の方向へとスレ違う様に歩き出し。何1つ細かい警備の打ち合わせなども無いままに、各々のすべき事がもう当然の如く分かりきっているかの様に、何の迷いも無く。何処かへ歩き向かって行ったのだった……。
‥…☆‥…☆‥…☆
駁斗 side
………………
「……うぅっ……。んっ……んんっ……」
………………
そして駁斗は幾ら力を入れようとしても、その決してピクリとも開き動いてくれようとはしない。自分自身の重い瞼と指先に、僅かに戸惑いを覚えながら、その思考の中だけで緩やかに覚醒し始めていた……。
……うぅっ……
(……あれ……? 俺は一体、今まで何をやっていたんだっけ……? うぐっ……。そ…それにしても、何でこんなに身体中が痛むんだ……?)
………………
そして駁斗は、そんな動かない身体と纏まる事の無い思考の最中。唯一その周囲の状況を僅かなり伺い知る事の出来る、その耳をジッとすまし。
そしてその定期的な空調の機械音と、少し離れた場所に感じる金属が僅かにぶつかる様な、其処に人の動きを感じる高い金属音に気付き。そして更に其処に耳を集中して傾けていた……。
……カチャ……
カチャ…カチャ……
……パタン……
コツコツコツ……
……ガラガラガラ……
そしてその向こうの方でそんな不明な音がした後、その人らしき気配がこちらにゆっくりと歩き、何か滑車の様な物を引き連れ、近付いて来る音が聞こえて来た……。
「……うっ…くっ……」
そして駁斗は、その近付いて来る足音を聞き。未だ気を失う以前の事は、何も思い出せてはいないものの、何故か激しい恐怖にも似た焦燥を感じ。
そしてその、それでも決して動いてはくれない自分の身体に、必死で入りもしない力を込め。其処から少しでも逃げようと試みていた……。
コツコツコツ……
……ガラガラガラ……
「うっ……うぅっ……」
『……あら……? もうお目覚めになってしまわれたのですか……?』
(……えっ……?)
そして駁斗は、その確かに聞き覚えのある。落ち着いた美しい女性の声を聞き。その瞬間、まるで走馬灯でも見るかの様に、其処に至ったあの経緯を、一気に次々と連鎖して思い出して行くのだった……。
「うぐっ……。ぁ…哀璃か……。流那は……? 流那はどうした……?」
……うふふっ……♪
『全く……気が付いた途端にそれですか……? 流那の事なら、残念ながらあの先程の彼がもう、とっくに連れて行ってしまわれましたわ……』
「なっ……!! うぐっ……くそぉっ……!!」
ガバッ……!!
すると駁斗は、そのつい今さっきまで決して動く事の無かった傷だらけの身体を、そんな彼女の言葉1つで、まるで跳び上がるかの様に勢いよく、明らかにフラフラとしながらも、必死に無理にでも半身に上げ起こしたのだった……。
「……う…くっ……」
しかし駁斗は、その途端明らかな貧血により激しい立ちくらみを起こし。激しい吐気を感じて僅かにその場に蹲る。
しかし彼は、その何とも頼りない。おぼつかない足取りのままで、それでも必死にその今自分が守らねばならない彼女が、つい先程まで確かに寝ていたベッドの上から、その弱りきった身体を立ち上げ様としているのだった……。
はぁ…はぁ…はぁ……
「うっ…ぐっ……。そ、其処をどけ…哀璃……」
……はぁっ……
『どのみち…その身体では何をするのも無理ですわ……。兎に角今は、ジッと安静にして、私にお任せ下さいな……?』
「くっ……そんな時間は…無いっ……。良いから! 其処をどけっ!!」
……ガシャン……!
すると彼は、その両膝に力も入らないにも関わらず、無理にでもその身体を立ち起こし。
そしてその彼の目の前で、まるで彼の行く手を塞ぐかの様に立っていた哀璃の事を、その腕で振り払い。何とか其処から退かそうと試みるが、その視界すら未だ纏まる事の無い彼は、全く避ける事も無い彼女の身体に触れる事すらも叶わず……。
そして彼はその振り払った腕につられ、その足の筋肉が全て抜け落ちたかの様に、ガクッとその場に力無く。其処にあった医療器具の乗った銀色のワゴンと共に、なんとも無様に倒れ込んでしまう……。
「うっ……くっ……」
……ふうっ……
『貴方が、本当にあの子を助けたいと望むのならば、まず何よりも無意味な無茶に時間や力を使わない事です……』
「……くっ……」
『その目的を忘れてしまっては、叶うものも敵いません……。今の貴方に出来る事は、その身体の傷を少しでも治し……。そしてその得られる情報全てに、ジッと耳を傾け。知り判断すると云う事だけです……』
………………
「……くそっ……。認めたくは無いが、確かにアンタの言う通りだ……。だがあくまでも俺は、さっきのアンタの俺への仕打を忘れたワケじゃ無いからな……?」
『うふふっ……♪ えぇ、承知致しましたわ♪』
すると哀璃は、そんな何ともガキ臭いイチャモンをつけてくる彼の事を、さもおかしげに笑い。
そしてその、再びベッドの上に上がり。今は大人しく横になっている彼の身体の、到るところに広がる傷の手当ての続きを、何故か何処か嬉しげにも見える様子で、テキパキと進めて行くのだった……。
『さぁ……♪ これからする治療は、少しだけ痛いですわよ……?』
「えっ? ちょっ……」
……ブスッ……
「いっ…いだぁあぁあぁっっっーー……!!!?」
『……うふふっ……♪』
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