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  HAREM☆HOUSE 作者:品薄
そう言えばここ半年、毎日毎日小説を書いてばかりで、全然小説読んでないですねぇ……。
(-_-;)
こうして毎日書いてると、自分の書いてる分を何度も読み返すだけで、読む気力が尽きてしまう……。
(+_+;)
此処や他のサイトの携帯小説作品もですが、何より読もうと思って度々買ってしまう推理小説も、この半年で随分たまってしまいました……。
うーーん、困った……。
(-_-;)笑
☆196☆ 犬猿の2人
 
 コンコン……

『……要、居るか……? 俺だ……駁斗だ……』

 そして駁斗は、ここ最近毎日通い続けているあの喫茶店Virgoの前へとやって来て。そしてその店のバックヤードにある裏口を、小さく僅かに数回だけノックして、その扉の向こうに確かに感じる。恐らくその彼女であろう人の気配に向け、そう必要以上に極々小さな声で呼び掛けた……。


 ガチャ……

『ふふふっ、何も其処まで気を使わなくとも……。駁斗様、おはようございます……。でも今日はまた、随分とゆっくりなのですね……?』

「えっ? あぁ、待たせてすまないな……。ただ此処の所、ずっと天華を1人にしちまってたからな……。少しだけ顔を見て来たんだ……」

『確かにそうでしたわね……。まぁ私の方は、別に構いませんけれど……。でもそれも、きっと今日1日の辛抱になりますわ……』

「……あぁ……。って云うか、俺達で絶対にそうしなきゃな……?」

『ふふっ……はい……』

 そして彼等は、その外の空気とは隔絶されたかの様な、既に上着を脱ぎたくなる程に暖まった店内へと、順々に並び入って行き……。
 そしてここ数日の間で、すっかり彼等の定位置と化してきた。布地のブラインドが下ろされた窓際の、両側をソファーに挟まれた何時ものテーブル席へと、彼女が用意してくれていた珈琲を手に、向かい合わせでその腰を下ろした……。


「ふぅ……。それで? そっちの準備の方は、もう完璧なのか……?」

『うーーん、そうですね……。大半は既に済んではいるのですが、やはりまだ1つだけ、少々問題がありますね……』

 ……はぁ〜〜っ……

「……やっぱりか……。でもやっぱり、それは俺がいざその場に行ってみてから、駄目元で打ち当たってみるしかないんじゃないか……?」

『……そうですね……。でもまぁ、無駄だとは思いますが、私も少し揺さぶってみますわ……』

「へ、平気か……?」

『ふふふっ、まぁ御心配には及びませんわ……♪ 駁斗様は今はただ、今夜に備えて御身体を休めておいて下さいな……。昨日まで駁斗様がずっと、何やら必死に作っていた物は、もう出来上がったのでしょう……?』

「んっ? あぁ……まぁ、一応な……?」

 すると駁斗は、その部屋の片隅にある。此処に置いておいた自分の荷物を眺め。
 そしてそう、何故か少しだけ怪しげに。まるで新しい玩具を手に入れた、何処かの質の悪い子供の様に、悪戯っぽく嬉しそうな笑みを浮かべ。
 それを見て苦く微笑む彼女へと、さも楽しげに意味深な微笑みを向けているのであった……。


 ……ふぅ〜〜っ……

『さて……。それでは私は、1度綾禰家に戻って……。最後の仕上げの準備を致すとしますわ』

「あぁ、何かお前にばかり色々と面倒を掛けて、本当にすまないな……? それで俺の方は、昨日話したままの予定通りで良いんだな……?」

『えぇ……。駁斗様のお仕事は、全て綾禰に入った後ですわ……。必ず私達が、駁斗様を綾禰に導き入れてみせますから、それまでは私達を信じて……。ただジッとお待ち下さいな……?』

「ふふっ、あぁ……。勿論、信じてるよ……。頼むぜ? 要……」

『……はい……。どうぞお任せ下さい……』



‥…☆‥…☆‥…☆


   要 side


 そして要は、あの喫茶店でその刻まで待機する駁斗と別れ。何時ものキッチリとした折り目正しいスーツ姿で、ゆっくりとまるで何事も無かったかの様に、綾禰の屋敷へと戻り……。
 そしてその目的の彼女に会う為と、その内心では決して行きたくも無いあの場所へ、1人歩き向かっていた……。


 ガチャ……

 ……ビィーーッ……

《……はい……。こちら中央警備室……》

「もしもし? 経理の新杏 要です……。部隊長の南 刃月さんに、少しお話したい事があります……。至急、下まで来て頂くよう、御取り継ぎ願いますわ……」

《了解致しました……。では少々、そちらでお待ち下さい……》

「えぇ、ありがとう」

 ガチャン……

 そして要は、その中央警備塔1階のロビーにある、今は無人のフロントの様なテーブルに乗った、上との連絡を取るインターフォンを使い。
 そしてその彼女とは、未だに犬猿の仲である筈の、警備部隊長の南 刃月を何故か呼び出し。

 そしてそのロビーの様な広大で無機質な空間の片隅に、ポツンと一組だけ置かれていたソファーへと座り。その会いたくは無い筈の彼女の到来を、彼女はただ静かに外を見つめ待っていた……。


 ………………

 ウィーーーーン……

 ……チン……♪

 そしてその吹き抜け型に造られた、近代的な様相のロビー中央にある。その警備室等がある上階とのエレベーターの中から、その呼び出した彼女がさも不満そうな表情を下げ。余所を向く彼女の前に、嫌そうにその姿を現した……。


 はぁっ……チッ……

『……ったく……。アンタが態々、こんな所まで来るなんて……。一体どう云う風の吹き回しだよ……? 要……?』

 そして刃月はその気配や足音で、当然まず間違い無く自分が今此処にやって来た事に、気付いているにも関わらず。
 そのソファーに座り、外をジッと眺めたまま、自分の方をチラリとも見ようともしない彼女の背中に、そう何とも不服そうに声を掛けた……。


 ……はぁ〜〜っ……

「刃月さん……。折角、こうして訪ねて来たにも関わらず、挨拶も無しにその言い方は、また随分な態度ではなくて……? 貴方と云う人は、本当に何時まで経っても変わらず。品位の欠片も無いままなのね……? まぁ取り合えず少し落ち着いて、1度腰を掛けたらどうですの……?」

 ……はぁっ……

『チッ……分かったよ……。用があんなら、さっさと話せ……。アタシはアンタと違って、色々と忙しいんだよ……』

 すると刃月は、下手に反抗するのが面倒なだけなのか、そんな彼女の言葉に、ダルそうながらも仕方無く従い……。
 そして何とも見るからに嫌そうな、酷く不満気な表情のまま、その彼女の向かいの席へと、まるで身体を投げ出す様に腰掛けた……。


「はぁ……まぁ、そうですわね……。私としても、貴方とこうして同じ空気を吸い続けるのは、極力ご遠慮願いたい事ですしね……?」

『ふん……。それはアタシも同感だね……』

「ではこの際、面倒な事は省き……。単刀直入に言わせて頂きます……。貴方の警備部隊長用の専用IDを使って、1人入室許可の変更をして下さいな……?」

『はぁっ……!? あ、アンタ……。もしかして勉強のやり過ぎかなんかで、ついに脳ミソ沸きあがっちまったか……?』

 ………………

「貴方……馬鹿……?」

『くっ! 馬鹿はお前の方だっ……!! そんな真似出来るワケねぇだろ!? 入室許可の申請には、その場所に関係する各所の部隊長と、それ以外の無関係な壱尉以上の各位の人間1名以上の許可……。それに特尉以上の各位の人間の許可とIDが、最低の必須条件だ……!!』

「えぇ……。勿論、それは知っているわ……」

『くっ!! だからぁ!! 端から、私1人でどうこう出来るワケも無いし。それに例え出来たとしても、アタシがアンタの為なんかに、態々そんな此処でのルール違反を見逃し、協力するワケが無いだろうがっ……!?』

 すると刃月は、その当然彼女も承知の筈の不可能な真似を、何故か何でも無いと云った調子で、嫌味な程に余裕たっぷり話す要を見て……。
 そしてそう酷く苛々としながら、ただ一心に巻くし立てる様に声を荒げ。その目の前で未だ静かに鎮座する彼女に、ただ激しく感情に任せて怒鳴りつける……。


「ふう……説明、御苦労様……。でも、それは少し違いますわね……?」

『はぁ? な、何が違うっつうんだよっ!?』

「1つ……。これは私の為ではありません……。2つ……。これは許可の新規申請では無く、今現在は停止させらている既存の許可を、一時的に復帰させるだけです……。3つ……。やるかどうかは、全て貴方次第……。私にそれが解る筈もありませんわ……?」

『はぁ……? アンタ一体、何を言って……』

「別に、至って簡単な話よ……。今夜、駁斗様をこの綾禰家の内部に無断侵入させるわ……。貴方はただ、その後に駁斗様の停止中の既存許可の一時復帰を、駁斗様と貴方で此処の警備システムに申請してくれれば良いだけよ……?」

『はあっ……? し、侵入って……アンタ達、一体何考えてんだよっ!? そんな事が出来る筈が無いだろ……!? 此処を何処だと思ってんだっ!?』

 ………………?

「別に、理論上はきっと出来る筈よ……? 警備システムを全て動かせる警備部隊長の貴方と、仮にも特尉の彼の個人IDさえあれば、彼の停止中の個人データは当然消されたワケでは無く……。許可申請を取り消すと記された状態で、結局あのメインコンピューター上には、まだ残っている筈でしょ……?」

『あっ、アタシは別にそう云う事を言ってるんじゃないっ……!! 駁斗が此処まで来る事も、来たとしてもそれを行う事も、私がそれを許可、協力するワケが無いと言ってんだよっ……!!』

 そして刃月は、その場に勢いよく立ち上がり。憤慨し、酷く狼狽えているかの様に、その彼女に向けて更に激しく怒鳴りつける……。


「ふぅ……。だから、するかしないかを決めるのは、貴方でしょ……? それに彼を此処に連れてくる事は、私達が責任が持って。絶対に可能にしてみせるわ……」

『くっ……! アタシがそんな計画を聞かされて、はい、そうですかとあっさり許可するとでも……!? ふざけるなっ!! アタシは仮にもこの家の警備隊長だぞっ!? それが例え誰であれ、許可無き侵入者はアタシが全力で排除するっ……!!』

 ……ふぅ……

「そう……。まぁ、それでも今は構わないわ……。後は貴方と駁斗様の問題ですからね……?」

『……くっ……!!』

 すると要は、さっさと立ち上がり。彼女に背を向けて、其処からあっさりと引き下がり、出て行こうとする……。


「でもね? 刃月さん……。貴方は確かに、彼を追い出した彼女達の代表者ではあるけれど……。多数が常に正義なワケでも……。正義が常に正しいワケでも、そんな事は絶対に……ありはしないわよ……?」

『くっ! 煩いっ!!』

 そして彼女は、そんな何故か不自然な程に取り乱す刃月を、その誰も居ない静かなロビーに1人残したまま……。振り返る事も、それ以上言葉を掛ける事も無く。さっさとその場を歩き去って行った……。


『くそっ……! 駁斗、頼む……。頼むから、来ないでくれ……』




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