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  HAREM☆HOUSE 作者:品薄
作者的なテーマはずばり【大人な恋愛】予定…笑
の水杞編の開幕です…
しかし、水杞編は恐らく長めになります…
ので…合間合間に同時に他の娘…他の話が入りますので御容赦を…
 
☆17☆寂しさと口付けと
麗羽さんと腹を割って話したお陰も有り…
俺のこの仕事に対するモチベーションは更に確固足る物になった…

まぁ迷い無く…と言えば嘘になるが、迷いながら苦悩しながらも決断を下す勇気と覚悟があればそれで良いと思っている

それで次のターゲットを決めるのに一応、麗羽さんに意見を仰いだ所…俺にとっては意外な答えが帰って来た…それは…

 ……………

「え!?本気ですか!?否…見た所…彼女には自分の仕事など必要も無い様にみえましたが…」

『いえ…これは、あの書類にも記されて無いことなのですが…
あの娘は1度…過去に男性関係で大きく傷付いているのです…』

「え…?」

『まぁ…詳しい話は敢えて私の口からは申しません…あくまで貴方が彼女自身の口から聞いてくださいな…?』

「しかし…そんな風には思えませんでしたが…」

『うふふ♪それは貴方だからですわ…駁斗さん
まぁ…普段も気丈な娘ですから、必死に隠してはいますが…
やはり男性に対する不信感は多少なりともあるのだと思います…
まぁ…頭では解っているのでしょうけども…なにぶん心の問題ですから
何よりあの事以来…男性とお付き合いはしませんでしたから…』

 ……………

「解りました…自分なりに彼女となるべく多くの時間を接する事で少しでも彼女に協力出来る様頑張ってみます…」

『頼みます…どうか…私の娘…水杞の心を開いてあげてください…』


 ……………

 …………

そして彼女の側にいる名目を得る為に
俺は期間限定で亜垢亜の【従者】になった…

ここで17話目にして漸くここでの生活と親族と奉公人の違いの説明だが

基本的にここ綾禰家では、親族と奉公人に立場の差は其程無い…
あくまで親族も人間…奉公人も同じ人間…
ただ給金を貰う場合(水杞も含む奉公人)は仕事中は仕事外の人間に尽す事を定められている…

ここで働く者は必然的に弐尉という高い階級が与えられるが、若い女性が多い…と言うのも
来るに至った経緯や理由も捨て子だった子供…街で働く姿を見て麗羽などにスカウトされた者と様々だが、ここで娘達と共に成長して欲しいと言う麗羽の願いもあるのだろう…

その証拠に此処には経理部の人間が中心の者達を教師代わりとした教育設備もあり…
大検や資格取得を全面的に支援したり…
毎月貰う一般的には高額な給金から、自ら学校に通う選択をした者達には、学業休暇としてかなりの労働を免除されるという何とも厚い待遇さだ…

部屋も部屋風呂もキッチンも立場により大きさは異なるが付いている
それ以外は親族も奉公人も関係無く、食堂や大浴場や各種施設(運動場やプールや図書館等)は全て共同で区別無く使用している

まぁ…簡単に言えば親族だけは、ただ此処に働かなくてもいれると言うだけの事である…

これも全て麗羽の考え方によるものだ…
通常…親が金持ちである事で生む甘えや不自由さを少しでも取り除こうという事らしい……

ただこの綾禰家には父親が早くに他界し…
母親も仕事により留守がちな為、この家に住む親族(奉公人になっていない場合に限る)には、
【従者】と呼ばれる最大2人までの専属メイドが与えられる…

つまり現在の対象者は亜垢亜と天華の2人である

天華には現在2人の従者が付いているらしい…
そして何故かはよく解らないが亜垢亜には今まで誰も付いていなかった…

水杞は今までこの家に暮らしながらも屋敷外で綾禰財団の中で働き従者は断っていたらしい…
しかし先日、この家での奉公人(管理メイド長)として働く事が決まり、そして亜垢亜の従者となったらしいのだ…

そこで俺も水杞に近付く為にもとメイドではないが特別に亜垢亜の従者となる許可がおりたのだ…

説明終了…

そして俺は記念すべき?従者としての初日を向かえたのであった…

「ああぁ…何かダルいなぁ…成り行きで従者になっちまったけど…
俺…メイド業なんて何もできねぇぞ?」

俺は亜垢亜の自室へと向かいながら1人愚痴を溢しまくる…

「ったく…あの亜垢亜の事だ…散々自由奔放に我が儘言われんだろうな」

俺はこれから襲い来るであろう受難を前に更に重くなる体を動かし彼女の…ご主人様の自室のドアをノックしようとした…

しかし…その時…

『こら!!亜垢亜!ちゃんと残さず食べなさい!!』

ドアの向こうから偉い剣幕の怒鳴り声が聞こえた

『いやああ〜ぁ〜!』

俺はノックも忘れ急いで部屋の中へと移動する

「大丈夫か!?いったい…何…が…?」

そこにはうなだれ半泣きの亜垢亜と正に鬼の形相をした水杞の姿が…

そして暫しの静寂…



『は!駁斗様!?//////』

そして我を取り戻した様に一気に顔を真っ赤に染め取り乱す水杞…

『あぁ〜駁斗いらっしゃぁ〜〜い♪』

そして危機を脱出できご満悦の亜垢亜…

「あぁ〜…すまん…お取り込み中だったか?」

俺は何となく気まずく2人から目を外し有らぬ方向を見ながら声をかける

『えぇ!?いえ!とんでもございません!
こちらこそ…とんだ所をお見せしてしまって…』

水杞は益々…顔を赤らめ俯いてしまう…
駁斗はその微妙な空気を取り払うかの様に少しおどけてからかってみる

「あはは♪でも以外だったよ…水杞が凄い剣幕だったのもだけど、水杞は立場とかに厳しいのかと思ってたから…何せ同い年で新入りの俺にも敬語で様付けだしね?」

『はい?まぁ確に私はそういったケジメには厳しい方ですが……以外と言うのは何故ですか?』

「ん?だって俺も水杞も今日からは亜垢亜…様?の従者なわけだろ?」

『あぁ…そぅいう事ですの♪いえ…いくら従者と名が付いていましても、立場は変わりませんわ
あくまで私は姉…そして格は壱尉…
妹で弐尉の亜垢亜よりもあくまで立場は公私共に上なのです…
ですから駁斗様も亜垢亜に対しては今まで通り…
いえ…出来ましたら更に厳しく躾の程をよろしくお願い致します』

『むぅ〜…』

亜垢亜は明らかにテンションガタ落ちだ…

「何だ…そぅなのか…
やっぱり綾禰は格尉が一番重要なんだな…?」

『ええ…まぁただの名前
ただの目安ではありますけれど…当然一般的な年齢や経験もある程度加味されますしね…』

「まぁそぅだろうな…
でも良かったよ…何せ、亜垢亜の我が儘放題に振り回される覚悟をしてきたからな…?」

『あら?でもそれは立場が上でも覚悟しておいて頂いた方がよろしいと思われますよ?』

『むぅ〜〜ぅ!!亜垢亜はそんなに我が儘じゃ無いもん!!』

「『あはははは♪』」

3人(2人だが)は先程とはうって変わり和やかな空気で笑いあった…

(ん〜…やっぱり男性不信って感じには見えないけど…普通に明るいし)

駁斗は麗羽から聞いた事と水杞の雰囲気と態度に矛盾を感じ少し内心で戸惑いを覚えたのであった


 
こぅして俺と水杞、そして亜垢亜の新しい関係の生活は始まった…

『早く寝なさい!』
『裸で歩かないの!』
『ほら!歯を磨いて!』
『ご飯はよく噛んで!』
『こら!!』『ダメ!!』
『ほら!!』『もぅ!!』

 ……………

とりあえず解った事…

水杞さん…怖いです…

何て言うか…優しく怖いお母さんと、明るく元気な娘…って感じ?

正直…俺は存在感の無い休日のお父さん状態…

やっぱ…俺にはメイドさん無理っす…

俺は昨日今日で既にグロッキー&己のふがい無さにより凹み中だった…
すると亜垢亜を寝かし付けた水杞が亜垢亜の寝室からリビングへと戻ってきた… 
『ふぅ…駁斗様…本日もお疲れ様でした…今お茶をお入れしますね?』

「あ!否!そんな…気を使わないで良いよ!
水杞はただでさえメイド長と亜垢亜の世話でクタクタだろ?」

 …………??

『……ふふふ♪では…お言葉に甘えて…♪』

そぅ言うと水杞はお茶の用意を止め…そのまま何故か冷蔵庫へと向かう
そしてその手には缶ビールが2本握られていた

『うふ♪駁斗様お付き合い願えますか?』

そぅいうと悪戯っぽい笑みを浮かべ駁斗にビールを1本渡す…

「ん?あ…あぁ…」

プシュ…
『ん…ん…ん…ふぅ…』

水杞は普段の上品さに似合わず豪快に飲み下す

「へぇ…以外かも…」

『え…?ふふふ……
そぅ…ですよね…ふふふ
はぁ…似合いませんね…こぅいうの…』

彼女は何処か淋し気に宙を見つめ呟いた…

「いや…ただちょっと無理矢理っぽいけど」

『うふふ…本当…駁斗様には敵いませんわね…』

二人の間に暫しの沈黙が流れる…そして駁斗は敢えて明るく…その訪れた沈黙を拭い去る…

「あのさ…水杞…?
別に良いんだけど…お酒飲むって事は今はプライベートなんだろ?
なら…せめて駁斗様…は止めないか?」

 ………?

水杞は一瞬…ホンの一瞬だけ驚き…そして直ぐに妖艶に微笑む…

『うふふ♪あら…?
なんか【駁斗】…私を口説いてるみたいね?』

 ………うっ……

いきなりの先制パンチに流石に少し効いた…

「ふふ…弱り目の女性を口説く程、軟派じゃ無いつもりだけどね?」

『うふふ…あら残念ですわ【駁斗様】♪』

(…………)

「水杞…もしかして…もぅ酔ってるのか?」


『いいえ…残念ながら…
そぅ易々とは酔わせては頂け無いようです…』

 ……………

そして彼女はまた…
少し淋しげな目をすると、取り繕うかの様にビールを流し込む…

『ふぅ…駁斗は…いや…やっぱりいいや…』

「何だよそれ…」

『うふふ…違うのよ…
駁斗は…亜垢亜の事…どうおもう…?』

「どぅって…元気で明るくて…好奇心の塊?」

『うふふ…そぅねぇ…
確かに…でも…ん〜…
70点…かな?』

「何だよそれ…」

彼女はやはり少し酔っているのか、恐らく無意識に対等に接して来ていた
そして俺は間抜けな返答を繰り返す…

『別に…駁斗の見る目』

「何それ…で?70点は及第点?」

『ん〜…まぁギリギリ』

「良かった…でも亜垢亜ってなんか…いつも必死なんだよな…」

『ふふふ♪』

彼女は俺を見ると何故か嬉しそうに笑った…

「な…なんだよ?」

『いいえ〜♪やっぱり90点をあげちゃおう♪』

そぅいうと2人は、ほぼ空になったビールで遅い乾杯をする…

…コン……♪

『亜垢亜はねぇ…淋しいの……いっつもいっつも…ずぅっと淋しいのよ』

「淋しいって此処には一杯いるだろ?
家族も友達も…」

『ふふ…ブッブー…駁斗君10点減点です』

(酔ってるな…)

話ながらも既に彼女は2本目に手を付けている

『淋しさなんて…消せないのよ…1度植え付けられちゃうと…中々…ね』

「それは自分の事?それとも亜垢亜の事?」

『うふふ♪さぁ…どうかしら……』

今度は愉快げにそして艶やかに笑う…

『でも誰だってあるじゃない…忘れたくても忘れられ無い事…
解っていても…どぅにもならない事…とかさ…』

「あぁ…まぁな…」

 ……………

それから暫く互いに沈黙し……ほろ苦いビールを流し込む…

「でも…それでも…皆がいるよ…間違いなく」

 ……………

『そうね…』

そして彼女は…今日初めて…優しく笑った…

『うふふ…ダメね…弱いのに飲みすぎちゃった』

「ふふ…まぁたまには良いさ…」

『ふふ…そぅね…それじゃこれも…』


 ……………


そして俺達はほぼ無意識に…そうなる事が当然だったかのように…

口付けを交していた…


『…ん………ふぁ…』

ホンの1分…ホンの数十秒程度のキス…

『ダメね…本当…』

「おいおい…終わって直ぐに後悔かよ…?」

『…?…うふふ…さあね
……そぅだとしたら…どうしてくれる?』

「んん〜…今後に期待………かな?」

『うふふ…合格♪』


 ……チュ……


そして再び彼女は俺に軽く口付けた…
 
『それじゃ…私も今後に期待って事で…』

「それは亜垢亜の事…?それともキスの事…?」

『うふふ…さぁね♪』

そして彼女はもぅ1度優しさの隠る柔らかな笑みを残して部屋を出て行った……最後に…

『全部…だよ…』

そぅ誰にとも無く囁いて




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