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  HAREM☆HOUSE 作者:品薄
あぁ、危ない……。何とか間に合った。(-_-;)
やはり1日の執筆ペースが格段に落ちてる様です……。今回は短めなのに、限々でした……。
もし、更新が空いたらすみません。
……と、前以て保険をかけときます。笑
 
あと、次話は予定通り★になります。(^-^)♪
☆146☆ ウジウジ?
 
「……うむむぅ……」

 そして駁斗は今、1人その開け放たれたロッジの縁側に置き去りにされ。あの彼女の突然とすら思える不明な態度に、ワケも分からずただ唸り、その頭を捻り悩み続けていた……。


 ……うーーん……

「駄目だ……さっぱり分からん……。怒られる理由は勿論、スネられる様な理由も、何もかんも思い当たらない……」

 そして駁斗は、その熱を持った身体には心地好い、鈴虫らしき涼やかな虫の音と、緩急をつけ止む事の無い風の音を聴きながら……。
 1人残されたその縁側で、つい先程までは確実に機嫌の良かった彼女が、態々自分の為にと持って来てくれた冷えた缶ビールを片手に、1人寂しく晩酌をしながら、先程のやりとりを何度も何度も極力鮮明に思い返していた……。


(彼奴……一体何が気に入らないんだ……?)

 うーーん……まぁよく思い返してみれば……。
 さっきの彼女の俺への態度は、確かにホンの少しだけ何時もとは違う様な感じを受けたかもしれない……。

 それは、俺達がこれからずっと一緒に居るんだだとか……。
 俺の匂いが自分は好きだだとか……。
 過去の彼女からすれば、確かに考え難い態度であったのかもしれない。

 それは互いの想いが通じ合えたせいなのか、以前の《照れ=直接攻撃》であった彼女からすれば、随分素直に愛情表現をしてくれていたのかもと、今は思わないでもない……。


 ……うーーん……

 ………………

 ……んんっ……?

「なんだ? それはつまり、もしかしてそぅ云う事なのか……?」

 すると駁斗は、その彼女の無器用なアピールに漸く気が付き。彼女の去って行った、彼の背後に見えるロフトの方を縁側に座り見上げる……。


「ふふっ……。全く、本当に何かと無器用な、下手くそな奴だな……」

 駁斗はそぅ言葉とは裏腹に何処か嬉しげに呟き。その手に持った未だ冷えたままの残りのビールを、一気に飲み干した。


 ……ふぅっ……

「ったく、本当に馬鹿だよな……。別に焦る必要なんて何も無いのに……。でも、俺がこの手の事に関して良くも悪くも経験があるって彼奴は知ってるワケだし……。あぁ普段は普通に見えていても、本当の所は色々とあるのかもな……」

 駁斗はそぅ小さく呟き、僅かにその複雑そぅな顔を下に俯けると、ゆっくりと自分の呼吸と鼓動に耳を傾け……。
 そして徐に天華が用意していた小型のランプをその手に持ち、ゆっくりと立ち上がった……。



‥…☆‥…☆‥…☆


   天華 side


 ……ううぅぅ……

「もぅ、馬鹿……。駁斗の馬鹿……。鈍感……。変態……。鬼畜生……」

 そして天華は1人、さっさとロフトへと続くハシゴを登り……。
 そしてその少し感覚をあけ、2つ並べてあるシングルのベッドの奥側の方のベッドのへと、まるで倒れ込む様な勢いのままで寝転び、その気分が重くなるにつれ再び疲れを感じてくる身体を沈める……。

 そしてそのベッドの片隅に予め用意してあった、薄手の毛布を俯伏せで頭から被り……。
 ブツブツと何とも根暗にも、その彼への不満と、そんな勇気の出しきれない情けない自分への苛立ちを、まるで呟く様に小さな声で吐き出し、繰り返し呟いていた。


 ……はぁぁ……

「本当、駄目だな……。どぅやって駁斗に近付いていったら良いのか、もぅ全然解らないよ……」

 天華は先程、不馴れな彼女なりにではあるものの、懸命に彼との距離を再び埋めようと、実は色々と四苦八苦してみていたのだが……。
 それがまた、彼女の強烈な意思に反し。その唯一無二の誰よりも伝えたい相手である神楽 駁斗には、その彼女の空回りする想いは、当然ながら伝わる筈も無く……。

 実は彼にとっては、それが心地好くさえ感じていたあの沈黙の裏で、彼女だけがその空気を変えようと懸命に奮闘していたと云う、何とも報われない哀れな事態には、彼は勿論一切気付いてはいなかったのだった……。


「……ふぅ……。やっぱり、問題はムード作りなのかなぁ〜〜……」

 すると天華は、そのベッドの上でいわゆる体育座りの体勢をとり。
 その頭の上から、すっぽりと頭巾の様に毛布を被り。目の前の丸太で出来た壁の木目を、何やらジイッと見つめながら、ただ反省と新たなる打開手段へとその思いをはせていた……。


「あぁ〜〜ぁ、もぅ……。こんな事になるのなら、学校とかで皆が恋愛話をしてた時、幾ら興味が無くても、例え形だけでも、ちゃんと後学の為に参加しておくべきだったかなぁ……」

 天華はそんな、普段のつまらぬ雑談への大袈裟な後悔に溺れ、己が恋愛と云った物に対し、あまり知識の無いのだと云う現状を嫌と云う程に思い知らされていた……。


 何せ今までの彼女ときたら、ついホンの数ヵ月程前まで……。
 それこそ恋愛物の小説や漫画、ドラマや映画までと、本当にその全てに対し激しいまでの拒否反応を示していた……。

 それは男性が嫌いだからとか、恋愛の経験が全く無いからと言う理由だけでは、説明出来ない程に少し不自然にすら思える過剰な反応であった……。

 しかしその理由は、その当人である筈の今の彼女にも解らない……。
 自分自身の事だと云うのに、本当に何も思い当たらず、何も分かっていなかったのだった……。

 ただ唯一そんな彼女が感じた物は、その手の物事を目にした時に必ず訪れる、彼女の中の激しく不明な苛立ち……。
 嫌悪にも似た、何かが胸の中でモヤモヤとする様な、激しい感情の波の存在であった……。


 それは、駁斗と知り合うまで……否、知り合ってからも暫くの間は、彼に対しても、誰に対しても例外無く強く感じていた事であった……。
 だからこそ彼女は、今まで男を、あらゆる恋愛に関係する物事を極度に恐れ、そして嫌悪するかの様に懸命に、ほぼ無意識のままに遠ざけ生きて来たのであった……。


「本当……。人って現金な物で、変われば簡単に変わる物よねぇ……」

 天華はそんな数ヵ月前までの自分の姿を思い起こし、何処か物鬱げに僅かに呟く……。

 そぅ、今まで何1つ恋愛の事なんて考えず、寧ろ遠ざけ続けて生きて来た自分が悪いのだ……。
 今こうして彼へのアピールに四苦八苦しているのも、彼との距離の取り方に迷い悩んでいる事も、その全ては所詮言い訳などしようも無い、自業自得の事……。

 それを、あぁも稚拙に彼に当たり散らす事自体、何とも理不尽で、何の意味も無い事だろう。


「うぅ〜〜っ、もぅどぅしよぅ……。でも、こんな所で1人ウジウジやっていても仕方が無いし……。さっさと下に降りていって、その勢いのまま謝っちゃおうかな?」

 天華はその毛布の隙間から、背後のリビングの方をチラッと眺め。
 そしてまるで逃げる様に再び毛布へとくるまると、僅かに呟く……。


「むぅ……。第一こうして、折角の2人きりで過ごす初めての夜だって云うのに……。こんなつまらない事なんかで、また下らない喧嘩をして、貴重な時間を潰しちゃうなんて絶対に嫌だもんね……」

 そして天華は、そぅ1人ブツブツと自分に言い聞かせる様に呟き。その中々素直になれない、弱く臆病な自分の心を何とか奮い起たせる……。


「よ……よしっ……! って、ええっ……!? ひゃぁっっ!?」

 グイッ……ボフッ……

 すると天華がその謝罪の決意を固め、再び下へと降りようと振り返った途端、その自分が今から謝罪をすべき彼が、何時の間にか彼女の直ぐ背後へと立っており……。
 そして次の瞬間、何故か突然彼女の腕を引き押し倒し、そしてまるで彼女を組み敷く様にして覆い被さってくる……。


「えっ? は、駁斗!?」

『………………』

 その彼女の直ぐ目の前にある彼の瞳は、こんな事態の最中とは思えない程に何とも優しく……。
 そして彼の持って来た小型のランプの緩やかな灯りと、ロフトの斜めになっている片側の壁面の上にある天窓から、僅かに外の月明かりが丁度下になる彼女の顔の部分だけを、優しいスポットライトの様に照らし出していた……。


「は……駁斗……?」

『………………』

「……んんっ……!?」

 すると彼は、彼女の言葉には何も答えず。
 そんな動揺しきる彼女には一切構わず、その顔を彼女の唇へと近付け。更に目を見開き白黒させ、驚愕を示す彼女の口へと静かに激しく口付けをした……。




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