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  HAREM☆HOUSE 作者:品薄
※ 注意と謝罪です

前日の4月16日の
0:10から0:25位までの間に、その日のアップ分の☆106☆を読まれた方への謝罪です。
その時間帯に一度更新しましたが、サイトの混雑の為……
同一作品が2重にUPされ、訂正時に再び両方とも消えてしまう事態がおきました……
それ故、執筆した小説が消えてしまい……
下書もしていなかった為、本日新たに書き直した分を再UP致します。
恐らく大まかな内容の変化はありませんが
作者の記憶だけを頼りに、再執筆しましたので、随所に相違が見られるかと思われます……。
 
更新を楽しみして頂いていた方や、一度読まれてしまった方々には
作者の不手際により御迷惑をお掛けし、誠に申し訳無く思っております。
本当に、申し訳ありませんでした。m(__)m
☆106☆ 進む歪み
 
「あぁ……もぅ……!!
……どぅしよう……
あの様子じゃ刃月、絶対に誤解してるよぉ……」

そして天華は1人、その白く無機質な壁に囲まれた拘束室の中で……
オロオロと彷徨き……
とっさの事で、ついやってしまった……
あの、自分の失態を悔いていた……。


「でも、まぁ……
結局の所、今更じゃ……
きっと何を言っても無駄なのよねぇ……」

すると天華は、自分を一度落ち着かせるかの様に、大袈裟に息を吐き……
その……もぅ既に其処には誰も居ないであろう
ドアの向こうへと呼び掛ける事を諦め……

その部屋の端に、1つだけポツンと鎮座する
パイプの様な棒状な物で骨組みされた……
この綾禰家の物としては、若干チープにも感じるベッドへと腰掛ける……


「え? ちょ……!!
何よこれ!? 何かスッゴク、バネもマットも固いんだけど……!?」

すると天華は……
今までの人生に於いて、ただの1度も物や食糧などに苦労を知らず……
彼女の意思とは何ら関係無く、染み付いてきた贅沢な環境もあって……
つい、何時もの我儘がその口から出てしまう……


「ぁ……そぅよね……
はぁ……本当……
そんな事を言ってる場合じゃないのよ……!!
私は今、私の出来る事を全力でやらなくちゃ!!」

そして直ぐに彼女は、己の愚かさに気付き……
駁斗と出会い、関わる様になってから……
徐々に感じる事も多くなってきた自己嫌悪と共に、反省の言葉を誰にとも無く口にする……


ギシッ……

「はぁ……駁斗……
……大丈夫かな……」

そして天華は、繰り返す溜め息と共に……
その固いベッドへと寝転がり体を預ける……


今回の怪文書により……
彼は今……更にかなり危ない立場へと追い込まれてしまうだろう……

その為にも、私が頑張らなくては……


そして天華はそぅ、心中で呟くと……
そのベッド脇の小さめのチェストの上に、先程設置した……
普段は殆んど使う事も無い、自分用のノートパソコンを起動する……


「えっと……
天華です。また新たに怪文書が出回ったと言う事なので……
このアドレスへ、その画像を送って下さい。
お願いね♪ ……と♪」

そして天華は、拙い操作でキーボードを叩き……
何とかその簡素な文を書き上げると……
今現在、唯一の味方と言っても良い……
今もまだ病院で奮闘してくれているであろう
柊 流那に向け、メールを送る……


「よし♪ 送信……♪」

……はぁ〜〜っ……

 ドサッ……

そして天華は、そのメールを彼女へと送信し、再びその固いベッドへと倒れる様に寝転ぶ……

そしてその傍らに転がっていた、まるで小さな宝石箱の様な箱を、徐にその手の中に納め……
それを天井中央で光る
並列型の数本の蛍光灯に、まるで透かす様にしてジッと見つめる……


 ………………

「私が……絶対……
……何としても彼を……
駁斗を守らなきゃ……」

そして天華は、その箱を見つめながら……
自分の中に溢れてくる彼への想いと決意を、1人呟いていた……



‥…☆‥…☆‥…☆


   刃月 side


 ウィーーン……

「茉莉……!! 直ぐ事態の詳細と、屋敷各地の現状の報告を……!!
それと……!! 他の何よりも最優先で、駁斗の現在の居場所を調べ、至急連絡を取るんだ……!!」

そして刃月は、まるで走る様な素早い動きでこの警備室へと戻ってくると
正に危機迫る表情で、その警備室内に居る彼女たちへ向け……
まるで怒鳴る様な激しい調子で命令する……


『はぁ? ちょ……
待ちいな、隊長さん……
戻るなりいきなり、一体何やねんな……?
ホンマ……少しは落ち着いてぇな……?』

「これが落ち着いていられる事態だと思うか!?
良いから今直ぐ……!!」

『解っとるって……!
それは言われんでも、皆もちゃんとやるわ……
それに……此処の長であるアンタ自身が、そないな調子では……
あの子らも不安がって
着いて来るものも、着いて来られへんよ……?』

「くっ……!? はぁ……
……解ってる……
アタシだって、解ってはいるんだ……」

するとその茉莉の刃月をなだめる言葉に……
刃月は僅か、落ち着きを取り戻し……
その部屋中央の、彼女専用の椅子へと崩れる様に勢い良く腰掛ける…… 

 ギシッ……

「茉莉……でもよ……
アタシは一刻も早く……
アイツに確認しなきゃならないんだよ……
この家にアイツを引き止め、引き入れた……
アタシ自身がさ……」

 ………………

『……隊長さん……
でも……せやかて、ウチには幾ら何でも……
あの男が、そないな真似をするとは思われへんよ
こんな写真かて……どぅせ合成か、何かの細工に決まっとるよ……』

茉莉はそぅ呟き……
その怪文書に晒されている、天華を組伏せる駁斗の写真に目をやる……


 ………………


「アタシだって……勿論、そぅ信じたいさ……
だがな……天華が……
言ったんだよ……」

『……え……?』

 ………………

「否……例え、言いはしなくても……
あの子の態度が……真実だと語っていた……」

『そ! そんなアホな!!
う……嘘やろ!? なぁ!! 隊長さん……!?』


 ………………


そしてその、数多くの警備部員が居る筈の……
その広大な室内には……
まるで胸に突き刺さり、重く乗し掛る様な冷たい沈黙が支配していた……


「だからこそ……どちらにしてもアタシ自身が
アイツ本人の口から、一刻も早く……
その真意を聞かなくちゃならないんだ……」


 ………………


『はぁ……分かったわ
まぁ……犬や猫じゃあらへんし……
首輪でくくっとるワケちゃうから、今直ぐにとはいかへんけど……
まぁ何とかするわ……』

「あぁ……頼む……」

そしてその、刃月の言葉を機に……
その静寂に支配されていた警備室は、元の騒がしく世話しない場所へと引き戻されていった……



‥…☆‥…☆‥…☆


   要 side


そして要は、再び経理室の何時もの席へと戻り
その椅子へと、緩慢な動きで深々と腰掛ける……


「これで……あの男……
神楽 駁斗は、終わったも同然ね……」

そぅ……この後……
幾ら彼が……否……
天華自身が、それを否定しようとも……

1度植え付けられてしまった、マイナスな強い印象と言う物は……
そぅ易々とは、払拭する事は出来無いものだ……

何故なら、多くの稚拙な他人とは…… 
自分と関係の無い相手に対しては、特に……
自分よりも劣り不遇な立場を求めるもの……

それは愚かな優越感と、ゲスな噂話で楽しむ為の餌となるから……
誉め称えや高い地位に対しては、幾らでも惜しまない反発を……
ゲスな物には、喜び勇んで食い付き蝿の様にたかる……
それが愚かな人間達の本性であり習性なのだ……


そしてその、大多数と言う名の愚かな生物は……

血と筋の通った、生身の言葉なんかより……
あんなクソ以下の……
何の信憑性も無く、無責任な事この上無い……
怪文書なんぞに、無様に喜び勇んで踊らされ続けるのだ……

そしてその、多くの愚かで無責任な他人の前には
一個人の力とは、余りに無力なもの……


……そぅして……
彼女達の為にと、今まで必死に陰で働き、守りつづけて来たあの男は……
その彼女達自身の手により、此処を追いやられる事となるのだ……


「……南 刃月……
さぁ……貴方は貴方の家族とやらを守る為に……
その家族の1人を裏切るが良いさ……
アンタが全てに気付いた時には……
その全ては、既に終わっているわ……」

そして要は……
何故か少しも嬉しそうには見えない笑顔で……
何処か苦しみと悲しさを感じる笑顔で……
寂しげに笑っていた……


 ………………


「後は……あの2人……
柊 哀璃、そして……
クリスの事ね……」

そして要は、あの今から凡そ十数年前……
この綾禰の屋敷へとやって来た頃の事を思い出す


……要はそれまで……
親が唯一、彼女に残していった莫大な借金を
強制的に背負わされ……

そして当然、学校などには通う事も無く……
ただ、腐りきった大人達の餌となりながら何とか生きていた……


そして彼女は、そんな半死んだ様な生活の中……
ある日突然、あの女……柊 哀璃によって
その人生を全て、買われたのだった……


恐らく、この家内を含み
大多数の人間達の持つ、柊 哀璃の印象は……

明るく、優しく、気さくでとても美しい女性……

まぁ多少の違いはあれど、大半の人間が同様に好印象を口にするであろう事は、想像するに何ら難くない……。

……しかし……
私の知る、柊 哀璃と言う女の本性は……
冷酷で狡猾で、それがどんなに小さい目的の為であっても……
それを遂行する為なら、他人をどんな地獄に追いやろうとも、眉一つ動かさずにやってのける恐ろしい女……。


「出来得る事なら……
あの人だけは、敵にまわしたく無かったわ……」


そぅ……彼女は……決して許さないだろう……

 ………………

あの女は……例え自分が、悪戯に他人を利用し裏切っても……

自分を1度でも裏切った人間を……決して許しはしないだろう……


 ………………


……それでも……

例えそれでも、私は……


人の……否……生きる者の全ての命を、軽視し扱う人間だけは……


絶対に……許さない……


絶対……許しては……
……いけないんだ……




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