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この作品は<R-18>です。
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一 悍馬
静音は修理と庄左右衛門に国表でのことを話した。
二人にとって大恩のあるお師匠様が、伊那作兵衛という新当流の使い手に無惨に斬り殺されたこと。
そして百済廃寺にて静音が作兵衛を討ったこと。
「・・・あのお師匠様が!・・・静音、よく仇を討ってくれた」
心でははらはらしている。
(何と・・・危ないことをしてくれるのだ!)
静音は言った。
「まだ、全て終わっては居らぬ。渡部裕之助、山県次郎三郎、橘祐三郎の三名が本当の首謀者!奴らを討つまでお師匠様の無念は晴れぬ!」
「む・・・あの奴ばらか!」
「渡部は安芸の遠戚に行くと言っていた。居るとしたらそこじゃ」
庄左右衛門が口を挟んだ。
「修理、静音殿。捨て置きなさい。そういう連中はどこに行っても同じじゃ。いずれ追い出されてここらへんまで出てくるかも知れぬぞ」
修理が言った。
「でも、御師匠様のご無念は?!」
「お前達が他家の家中となった奴らを討ったとすると、今度はお前達が追われることになる。それをお師匠様が望むと思うか?」
静音は情けなさそうに、袴を右手で掴んで俯いた。
「・・・して、静音殿。そなたはこれからどうする?」
静音が庄左右衛門をはっと見た。そして目を落とししばらく考えた。
修理が聞く。
「国を出てきた時、お父上にどう言ったのだ?」
「・・・何も言ってない・・・多分、勘当されたと思う」
「えっ!」
皆、やれやれという顔をする。
この静音という美しい者は烈火の悍馬の様じゃ。
「庄左右衛門様!・・・私をここに置いて頂けませんか?」
「む!?」
「何でも致します・・・修理の側にいれれば・・・」
静音は手を突いて庄左右衛門と捨吉のほうに頭を下げた。二人は顔を見合わせる。
「もう、修理の首は良いのだな?」
静音はじろと修理を見た。修理はぴくと背筋を伸ばした。
「・・・はい。まだ、何か隠してるかも知れませんが、当面は許してやります!」
まだ気の強い静音であった。あの夜の閨のしおらしさはあれで終わり。
「はは・・・これは!息子がもう一人増えたわ!だが・・・勝手には出来ぬな」
庄左右衛門は優しく言った。
「静音殿。一回帰ってお父上に断って来たらどうか」
「え・・・」
「まだそなたの身体も本調子ではあるまい。しばしはゆっくりとして考えるが良い」
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