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◆34話
 連れて行ってもらったのは、最初に私を診てくれた朱雀千本通りにある老延先生のところだった。
 きっと知っている医者の方がいいと気をつかってくれたのだろう。

「で、今日はどうしたのかね?」
「あ、はい。実は……」

 先生に促されるまま、症状を説明していくと、先生は困ったような顔で色々質問してきた。
 もちろん、質問には素直に答えたけれど、先生の表情はどんどん呆れたものへと変化していった。

「診断の結果を言えば、病気ではないな」
「え? そうなんですか?」
「ああ、じゃが、このままにしておけば病気にはなるかもしれん」
「そんな……」

 病気になると言われて怯えない患者などいない。
 先生にそう言われて、私は不安にかられた。

「付き添いの男がいたじゃろ? その者をここに呼びなさい」

 そう先生に言われて、永倉さんを呼ぶと、先生は、私の状況を説明し始めた。

「中身は女子だと言うことはお主も聞いておるじゃろう。この子は自分の体について知らんはずじゃ。そのせいで体の求めてい

ることが理解出来ていないのじゃ。つまり、今回の症状はいわゆる溜まっているだけじゃな」
「なんと……」
「何ですか?」

 先生の言っている言葉が理解出来ない。
 永倉さんは意味を理解出来ているようなので、説明を求めて永倉さんを見た。

「男は定期的に性的要求を発散しなければならんように体ができちょる。それをお前さんが怠っていたせいでこんな症状が表

れたんじゃ。お前さんには酷な話じゃが、定期的に発散しないとならん」
「……え? ええっ?」

 今までにないほど衝撃的な話だった。

 だって、それってつまり、私が……。

 そこまで考えて頭がショートした。

 先生がその後に何か説明していたようだったが、私の耳には入ってくることはなかった……。