警告
この作品は<R-18>です。
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◆21話
部屋で休んでいると、廊下が騒がしい。
突然襖が開かれた。
「松坂、飯だ」
土方さんは簡潔にそう言うと、開けた襖をそのままにして背を向ける。
私は重い腰を上げて、土方さんの部屋に入る。
「あれ? どうして井上さんもいるんですか?」
部屋に入って気づいたが、部屋は真ん中で衝立のようなもので仕切られ、手前には土方さんがいて、奥には井上さんがいた。
「いくら幹部でも個室を持てるほどここは広くねぇんだよ。ほら、座れ」
「あ、はい」
私は井上さんに頭を下げると、土方さんの向かい側に置いてあるお膳の前に座った。
お膳には白いお米は所々に見える麦飯。
お付け物と、葉しか入っていない味噌汁。
メザシみたいな干した小魚が2匹。
それがお膳に乗っているメニューだ。
「……どうした? 食べろ」
「あ、はい。いただきます」
素直に挨拶をしてお茶碗を手に取る。
私は気にしないけど、成人男性が食べる夕食にしては貧相なメニューだ。
土方さんのお膳を見ても同じ量だった。
新選組って貧乏なのかな?
「お前の世界とは食い物が違うのか?」
まじまじとお膳を見ていたことに気づかれ、味噌汁を飲んでいた土方さんが口を開く。
「違くはないんですけど、量も少ないし、ちょっと栄養のバランスが偏っているかな?って思って」
「ばらんす?」
「あ、ええっとつりあいって意味です」
「これしか食うもんがないんだ。黙って食え」
「はい」
私達の世界と違って、流通面が発達していないし、色んな保存方法も確立していないんだろう。
そう考えると食べられる品種が限られてしまうのも納得出来る。
ま、私は好き嫌いがないから、何でも美味しく食べられるし、この世界なら農薬とかの薬品の心配もないから安心食材だよね。
土方さんと2人の食事はそれほど嫌なものじゃなく、私は美味しく夕食を食べることが出来た。
井上さんから食後のお茶を頂き、飲み終わると、さっさと土方さんの部屋から追い出された。
この時代の光と言えば、灯篭とかしかないんだろう。
当然、私の部屋には灯りなんてのはなく、部屋は暗い。
月明かりが差し込むおかげで、ある程度は見えるのは助かる。
やることもないし、疲れたこともあって、さっさと布団をしく。
一緒に用意されていた寝巻きに着替え、隣の土方さんに向かって一声かけると、布団の中に滑り込む。
この世界の布団にも怪我の治療中で慣れた。
枕が替わっても平気な方なので、すぐに眠りへと引き込まれていった……。