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最終話 永遠
数日後会社に音沙汰無く休みまくっていたツケが重なってとうとう呼び出された。
仕事に手が付くほど俺は頑丈じゃない。
それでも、山のようにある仕事。
全てぶちまけて今すぐ優夜の元に走って行きたい。
でも、社長の俺はそれだけは出来ない。
何百人の命を支えてるのだから。
書類の山の隣に何故か一つだけ封筒が置かれていてその封筒を見ると宛名は俺宛で、送り主は作者からだった。
急いで封筒を開封し、中に書いてある文章を読み進める。
「数ヶ月前作者は亡くなり作者の遺言でこの手紙を送らせていただきました。突然お手紙出して申し訳ないですが是非目を通していただければと思います」その手紙の他に何十枚も重なっている紙に目を通す。
いつか。スペースワールドで見た文章のままだった。
一枚目の裏にミミズ字で何か書いてある。
「亮輔。お前がこれを読むときはお前の隣に優夜居ないだろう? これはお前たちの原本だ。でも、優夜が言葉を忘れてしまえば自動的にここに書かれる文字は止まるだろう。優夜からの頼みで俺はこれを公開する事をやめた。亮輔。お前がどうするのかを決めろ」それだけ書かれている裏を無視して先に読み進めていく。
何時間も没頭して読み続け優夜がどんな気持ちだったのか。そしてどれだけの恐怖を感じていたのか。最後に何を思っていたのか知りたかった。
日記を買ってきたと書いてあるところからその後が変だった。
日記を書いている内容も日記で読んだのとは完全的に異なり、こっちの紙の束は明るい内容しか書かれていない。
優夜は器用で頭がいいからもしかすると気持ちで思っている事を隠して明るい気持ちで書いていたんだと思う。
それが痛々しさを強調し、俺の中に涙として溢れ出してくる。
そしてその日の夕方で俺は社長を辞任した。
一秒でもいいから優夜の隣に居てずっとずっと抱きしめて居たかった。
優夜が好きだと言った俺の腕の中で。
安心してちゃんと戻ってこれるように。

優夜は一命を取り止め、今は自宅療養に切り替わったが、優夜のはっする言葉は母音だけしか言わない。
失語症しつごしょうといって、言葉自体を忘れてしまう症状なのだそうだ。
ただ、俺は思う。
優夜は言葉なんて忘れてない。
言葉はたとえ忘れたとしても気持ちは理解している。
だから毎日朝起きると優夜の隣に行き、声を掛ける。
「優夜。おはよう。朝だぞ。今日も楽しく過ごそうな。大好きだぞいつまでも永遠に」言葉を紡ぎながらそっと意味もわからない言葉しか言えなくなってしまった優夜の唇にそっとキスをする。
すると、ほんの少しだが、笑うんだ。
優夜が。俺の大好きな笑顔で。
以前みたいにはっきりしたような表情じゃない。
それでも嬉しそうに笑う。
「あー。うーーー。あーー」意味を成さない言葉は普通に喋っていた時よりも遥かに俺の気持ちに届いてくる。
さっきの言葉は絶対にこう言ってるんだ。
「永遠に。大好きだよ。亮輔」って頑張って言ってるんだ。
俺にはわかる。
俺だけにわかる言葉。

優夜もう二度とお前を離さないからな。
もう迷わない。
迷わせない。
俺だけがお前を縛って逃げられないようにお前が望んだように雁字搦がんじがらめにして捕まえておいてやる。
だから安心して俺の横に居てくれ。
ずっと。
ずっと。
永遠に。
俺だけの優夜で居てくれ。
そしてこうやって俺の手で公開する事を許してくれな。
俺はお前だけ隣に居れば何も怖くないし何もいらない。
俺はお前が……優夜以外は何も見えないんだから。
でも、優夜が頑張った事苦しんでもそれでも一途に俺を思ってくれたその気持ちだけは色んな人の心に残せればと思うんだ。
そうしたら俺やお前がこの世のものじゃなくなっても永遠に生き続けて一緒に居られるだろ?
俺たちは永遠に。
体が朽ち果てても永遠に。
この魂が消えても永遠に。
一緒で大好きなんだから。
読んでくださった皆様これまで長い文章を読んでくださりありがとうございます。
この最終話を書き上げれたのは一概に皆様のおかげだと思っております。

私自身未破裂型大脳動脈瘤所持者です。
なのであえて優夜に動脈瘤を背負ってもらいました。
突然訪れる死という得体の知れないもの。怖いです。
俺も出来れば死ぬ時は大好きな人の腕の中か大好きな人を抱きしめながら死に向かいたいと思ってます。

それでは皆様また別の作品でお会いできます事を楽しみにしております。
尚、急遽決定した続編ならぬパロディ?みたいなものが出ましたのでアドレス・小説の題名を優夜に紹介してもらいます。
「こんにちはぁー。みんな元気? えっとね、僕たちこれでバイバイじゃないんだよ? 作者が亮輔があんまり可愛そうだからって読んでくれてる友達にお話してもう一つだけ書いてくれるって。えっとね、題名は(アナザーストーリー・大好きだよ)って言うの。それでね、アドレスがhttp://ncode.syosetu.com/n3749h/だって。それじゃ、またね。亮輔? お知らせ終わったからエッチしよう? 」
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