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この作品は<R-18>です。
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三 居酒屋にて
上京の四条河原町の居酒屋に、中間達の溜まり場がある。
そこは口入れ屋から、色々な大名達に雇われた者達やこれからどこかに入り込もうとしている連中の情報交換の場でもある。
丸やら角やらの文様が入った長小袖の裾を後ろにたくし上げ、脇差しを色とりどりの帯に差した中間姿がわいわいと酒を飲みながらやっている。
店の中は、藁の仕切で飲み台が分けられているが、話は筒抜けだ。彼らの他に京雀と言われる、噂好きの町人も情報を求めて集まってくる。
一番角の二人用の小さな呑み台に乞食の様な侍が座った。髪はぼさぼさで顔は垢で真っ黒だ。来ている小袖はもとは上物のようだが、今はぼろぼろで埃にまみれている。
店の者が前に来てじろじろ見て、
「お侍さん、お貰いなら裏に回ってくれなはれ」
侍はびくっとして前髪に隠れた目を向けた。顔の輪郭はまだ幼く整っている様だ。刃の白さが顔の黒さでとりわけ引き立つ。
「・・・金ならある・・・飯を呉れないか」
銀を二つ台に出す。
出された目干しに白米をがつがつと食べ出した。咽せて茶を流し込む。
隣で中間連中が声高に話している。
「いや、酷いもんや!大きな声じゃ言えへんが、関白様も可哀相や!」
「ああ、御眷属全てが撫で斬りで、投げ込まれた穴を『畜生塚』じゃと!浮かばれんわ!」
「でも惜しいのう!」
「何が?」
「あの美童中の美童と謳われた不破万作様も塚の中とは!」
「お前、気があったのかえ?」
「そ・・・りゃ、あんな可愛いお小姓なら、手でも足でも切るわい!」
この時代、腕の小股を小刀で切って見せるのは、町人に広がった求愛の表現であった。
一人の中間が誇らしげに笑った。
「へへ・・・儂は万作様と話したことがあるわいな」
「え!ほんまか?」
「それに万作様と最後の契りを結んだお方も知ってるわい」
みんなおおーっと歓声を上げる。隣の京雀も身体を乗り出した。
「関白様やないのか!」
その中間は空の杯を持って揺らす。近くの者が徳利を持ってなみなみと注いだ。
「捨吉どん!聞かせろや!そのお方の話!」
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