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第1話 女の体を手に入れて
 目が覚めたら、俺は病院のベッドの上だった。
 何故、俺はこんな所にいるんだろう?
 記憶が定かではなかった。

 あっ、思い出した!!

 俺は、自殺を図ったのだった。
 睡眠薬を大量に飲んで、死ぬ筈だったのに……

 俺の人生、四十八歳になるまで、何も良い事はなかった。
 高校を卒業して、三流の会社に就職して、三十年間働いて、やっと係長。
 上司は皆、年下だし。部下にだって舐められていた。
 給料だって、この歳になっても年収は四百万円程度だった。
 税金とか年金とか払ったら、自由になる金なんて殆ど残らない。
 でも独り身なので、なんとかそれなりに生活は出来ていた。
 
 この歳になるまで、俺は一度も女性と交際した事がなかった。
 チビでデブで不細工な上に、金も学歴もない。
 素人女性には、全く相手にされなかった。
 なので俺の女性経験は、全て風俗である。
 風俗遊びが、俺の唯一の趣味といってよかった。
 ソープに、ヘルスに、ピンサロ。
 ほんの三十分から一時間の間だが、その時だけ、俺は幸せを感じる事が出来た。
 女はいいな。こうやって、男の相手をするだけで大金を稼げて。どうせなら、女に生まれたかったよ。
 そんな事を考えながら、俺は女の上で腰を振っていた。 

 だが、俺のささやかで平凡な生活にも、突然、終りがやって来た。
 先日、俺は、ついに会社をクビになったのだ。
 最近は、ろくに仕事も与えられず、全く無用の人材となっていた。
 そして、部長に呼ばれて……解雇された。
 仕方がない。
 俺みたいな無能な人間を雇っておく程、ゆとりのある会社でもないし。

 仕事もなくなり、風俗にもいけなくなり、生きていても、この先なにも良いことなど無い。
 己の人生に悲観した俺は、酒と共に、大量の睡眠薬を飲んだのだった。
 そして気づいたら、ここにいた。

「目覚めたようだね」
「貴方は?」
「私は、この病院の院長だよ」
「何で俺を助けたんですか…死なせてくれれば良かったのに」
「患者の命を救うのが、医者の使命だからね」
「俺なんか生きてる価値ないですから……」
「まぁ、そういいなさんな。生きていれば、きっといい事があるから」
「こんな不細工で、金も学歴もない中年オヤジ、生きていてもいい事なんて無いですよ」
「ふ〜〜ん、君は生まれ変わってみたいのかね?」
「そ、そりゃ出来る事なら……」
「実はな、私は整形医学の革命ともいえる研究をずっと続けてきたのだよ」
「せ、整形ですか?」
「あぁ、まだ実験段階で、実際の人間で試した事はないのだがな」
「だ、大丈夫なんですか?」
「かなり危険だよ。命の保障は出来ない。でも、どうせ君は死ぬ気だったのだろう?」
「えぇ、こうなったら自棄です。実験のモルモットにでも何でも、この体を好きに使って下さい」
「あははは。まぁ、任しときなさい。悪いようにはせんよ」

 こうして俺は、ワケの判らない整形手術とやらをうけることになったのだった。
 そして、一ヵ月後。

「目覚めたようだね」
「俺は?」
「手術は無事に成功したよ。完璧な出来栄えだよ。我ながら惚れ惚れするよ。ほら鏡があるから見てごらん」
 
 俺は鏡を見て、ビックリした。
 なんとそこには、俺が未だかって見たこともない絶世の美女がいたのである。

「こ、これは……」
「君のお望みどおり女にしてあげたよ」
「ほ、本当に……?」

 俺は股間を触ってみた、そこにはあれがなかった。

「あははは、どうだね。完璧だろ。我ながら素晴らしい出来だよ」
「い、いったいどうやったら、こ、こんな美人に……」
「うん、大変だったよ。骨格から全て作り直したからな」
「す、すべてを……」
「まず脚を十センチ長くして、その分、胴体を五センチ短くした。トータルで五センチの身長アップだよ。さらに頭を小さくして、五頭身から八頭身にした。君の百三十キロあった肉は、殆ど切り取ったよ。今は、身長百六十五センチで体重は四十五キロだよ。」

 鏡の中の俺は、すらっとしたスリムな体型である。

「内臓についていた脂肪も全部とっておいたぞ。メタボも解消だよ」
「あ、ありがとうございます」
「顔もいいだろう」
「は、はい」
「これはな、様々な女優やモデルの顔をコンピュータで分析した結果得た、もっとも美しい顔だよ」

 鏡の中で驚きの表情を見せている女性は、まさに絶世の美女であった。
 クリっとした大きな瞳。
 スラリと鼻筋が通った形のよい鼻。
 上品で形のよい小さな口。
 ツンと尖がった可愛らしい顎。

「髪質も改善しておいたぞ」

 禿げかけていた頭には、栗色のフサフサの柔らかい毛髪に覆われている。
 触ってみると、本当にしなやかな髪質をしている。

「ちょっと裸になって見なさい」
「は、裸にですか?」
「何を恥ずかしがっておる。君の体は、私が作ったのだから、今更隠す意味はないよ。あははは」

 そう言われればそうである。
 実際に、俺はまだ見ていないが、先生はすでに何度もじっくり見ている体である。
 俺は、寝間着のシャツのボタンを外していった。
 そして、その下から現れた胸を見て、驚愕した。
 
「どうだね。Fカップの胸は? 最高だろ」
「こ、これは……」

 俺の胸には、たわわに実った肉の鞠がついていた。
 Fカップ……これが、Fカップなのか……
 大きな乳房に不釣合いな小さなピンクの乳首が、また可愛い。

「ちょっと乳首を触ってみるよ」

 先生がそう言って、指先で俺の乳首を摘んで刺激を与えた。

「あっ」

 俺は思わず声を洩らしてしまった。
 そして、乳首がピィ〜ンと勃った。

「どうだね、乳首もちゃんと敏感に作ってあるんだよ、あははは」
「先生、す、素晴らしいです。あ、ありがとうございます」
「肌もスベスベだろう。皮膚も全て交換したんだぞ」

 鏡の中の俺は、真っ白なスベスベの肌をしている。
 うす茶けた皺しわの加齢臭プンプンの肌とは大違いである。
 俺は、胸の肌を触ってみた。
 手に吸い付くような肌理の細かさである。
 その手も無骨で芋虫の様な指から、白魚の様な細くて繊細な指に変わっていた。

「下も脱いでごらん」

 先生に言われて、俺は寝間着のズボンを脱いだ。
 俺は、女性用のパンティーを穿いていた。ピンク色だった。
 そこから伸びたスラリとした長くて綺麗な脚。
 まさに美脚だった。

「お尻には、特にこだわったんだよ。君はお尻フェチだったもんな」

 確かに俺はお尻フェチだ。
 手術前に、先生とそんな話をした記憶があった。
 そして、今の俺の尻は……完璧だった。
 プリっとした肉付きのよい、程よい大きさのお尻。
 な、なんて形の良いお尻なんだ。
 俺は鏡に映るそのお尻に顔つけて、匂いを嗅ぎたくなった。
 お尻フェチは、いいお尻の匂いを嗅ぎたくなるものなのだ。
 しかし、自分のお尻に顔をつける事は出来なかった。残念。

「パンティーも脱いでごらん」

 いよいよ俺は最後の一枚の布に手をかけて、脱いだ。
 そこには、柔らかそうな恥毛に囲まれた、女性器があった。

「どうだね、ここには私の好みがかなり反映されておるんだよ」

 俺は、ベッドの上で横になって股を大きく開いて、その部分を鏡に映して見た。

「この大陰唇の部分。ここがぷっくらしておるだろう。これがセックスの時に、茎を柔らかく包み込んで、最高に気持ちが良いんだよ」

 先生はそう言って、俺の柔らかい肉土手を指先でプニプニと押した。
 うっ、き、気持ちいい。
 かなり感度が高めに作られているようである。

「小陰唇は大きめに作ってある。これもセックスの時に、擦れて気持ちが良いんだよ」

 先生は、俺の肉ビラを指で摘んで開きながら、説明してくれている。
 あ、あぅ、さらに快感が……
 な、なんか下半身が熱くなって来た。

「クリトリスは、かなりの傑作だよ。色もピンクで綺麗だろ?」

 先生はそう言うと、指先で、俺のクリトリスをグリグリと刺激してきた。
 あっ、あぁ、ぁ〜。駄目だぁ〜。我慢できないぃ〜。

「あぁ〜ぁ、あぁ、いぃ〜ぃ」

 俺は、ついに声をあげて感じてしまった。
 女って、こんなに凄い快感を感じるのか……

「どうだね。凄い感度だろ。ほら、クリもこんなに大きくなったよ」

 見ると俺のクリは充血して、小指の先程の大きさに膨らんでいた。

「膣穴も完璧だ。数の子天井にしておいたから、ハメ心地も最高だよ。自分で確かめて見なさい」

 俺は、自分の指を自らの蜜穴に入れてみた。
 体の中に、何かが入っていく……不思議な感覚である。
 そ、それに気持ちがいい。

「あぅ、あぁ〜ぁ」

 また、声が出てしまった。
 俺の膣穴の中は、ザラザラのブツブツが沢山あった。
 このマンコにちんぽを入れたら、さぞ気持ちがいいだろうな、と思った。
 しかし、これは俺のマンコなので、ちんぽを入れられる事はあっても、決して入れる事は出来ない。
 なんかちょっと悔しかった。

「サービスでな、処女膜も作っておいてやったぞ」
「処女…膜…ですか?」
「そうだよ。その体では、まだ処女だからな。有効に使いなさい。あははは」
「あ、あの…妊娠とかは?」
「それは無理じゃ。さすがに子宮までは作れんからな。生理もないからな、楽じゃよ」
「という事は、生ハメしても、全く問題なしですね」
「あぁ、バンバン中出ししまくりなさい、あははは」

 やっぱり俺は、男とエッチする事になるんだよな、女なんだから……本当に、出来るのか?

「それと最後に、この整形手術の事だが、一切誰にも口外しないでくれ。頼むよ。」
「ど、どうしてです?」
「それは、これがまだ認可されていない違法な手術だからさ。この事が世間に洩れると、私の医師免許が剥奪されてしまうからな」
「わ、判りました」
「それと問題は、君は普通の仕事には就けないという事だよ」
「えっ?」
「だって戸籍上は、四十八歳の男性だろ。でも見た目は二十三歳の美女だ」
「そ、そうですね」
「まぁ、それだけのルックスなので、仕事には困らないと思うよ、あははは」
「は、はぁ」

 こうして、俺は完璧な女性の体を手に入れてしまった。
 冴えない中年男が、なんと絶世の美女になってしまったのである。
 果たしてこれから俺は、どうやって生きていくのだろうか……


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