ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
警告   この作品は<R-18>です。 18歳未満の方は移動してください。
天木眞希5−9
松江が帰っていくと、勇次が食事を持ってきた。不思議なほど深い目の色をして、食事を摂る眞希を見ていた。
「ごめん。」
「なにが?」
あやまるとそんな風に訊きかえされた。
「結城さんのこと」
「ええで、ゆんべは寂しかったやろ?」
勇次がにやりとした。どうやら、夕べ二人の声を聞かされたのはわざとらしい。
「俺はええ思いさせてもらったで。お前は覚えとらんやろうけど、結城は一度もイっとらんかったからな」
「あ……」
もしかしたら、と思っていた。
「気づいとったか?」
「もしかしたらと思った。」
高野はスキンを使うか、中だししないことが多かったが、眞希が求めれば中に入れたまま射精することがあった。翌朝はたいてい、腹の具合が悪くなる。だが、今はそんな違和感がないから不思議に思ったのだった。
「あいつは、そういうこと慣れとるから」
勇次がさらりと恐ろしいことを言った。
「高野かてそうやろ。ああいう仕事をしとるくらいやから。」
眞希は頷いた。
「お前もそうかと思ったんや。けど、それやと、見てるじじいどもは満足せんやろって、結城にがんがん薬使わせたんは俺や。ペットボトルの水にも入ってたけど気づかなかったやろ」
「……」
「殴るか? それともまた縛ってみるか?」
眞希は笑い出した。なぜ勇次には眞希の落ち込みがわかったのだろう。そうして、意外なほど繊細なこの男は、眞希の扱い方を高野よりも心得ているような気がした。
「どうせまた、悩むんやろな。けど、俺の前では笑っててくれや」
「勇次?」
「浜口組は解散や。残ってる人間はここにおいて、俺と結城はいずれ出て行く。笑ってるお前の顔を覚えておきたいんや。」
勇次は、前日と同じように、眞希の頭を両手で挟むと、唇に触れるだけのキスをした。なぜ、彼は自分にキスするのだろう、と、眞希はぼんやりと考えていた。
「もう少し眠れや」
そう言われて、眞希は再び布団に横になった。



******
ふと隣室の物音で目が覚めた。おなかがすいた。と思った。熱が下がったらしく体が楽になっていた。
ふすま一枚隔てた隣から聞こえてくるのは、押し殺した勇次の声で、眞希は思わず口元に手を当てた。今夜は聞かせるつもりはないらしい。けれども充分なまめかしい場面を想像してしまって、体が熱くなるのに閉口した。
シャワーを浴びたくなって眞希は、そっとリビングへと続く扉を開いた。そちらに行けば、勇次の声も聞こえないだろう。


タオルを取り出して浴室に向かう。熱のせいで汗ばんだ体を熱い湯で流すとさっぱりした。
松江が薬を塗ってくれた場所をそっと洗浄する。そこにはまだひりひりするような痛みがあった。
結城と繋がっていたのはどれくらいの時間だったのだろう。それを思い出すと恥ずかしくなる。とにかくあの時は、欲しかったのだ。自分がどんな姿勢をしているのかも、何もかも晒していることも頭から飛んでいた。たぶん、そうなるように、二人に仕向けられたのだと思う。
後ろの刺激で立ち上がりかけたものをあまり刺激しないように丁寧に洗うと石鹸を流した。
飲まされた薬がまだ残っているかのように、眞希の体は感じやすい。特に、結城を飲み込んでいた場所は、まだその形を覚えているようにすら思える。

「高野さん」

早く帰ってきて欲しい、早く会いたい。寂しい。
バスローブをまとって台所に行くと、ペットボトルの茶を飲んだ。なにか食べようかと思っていたら、勇次たちの部屋の戸が開いた。
「水……くれ」
うつ伏せで身を乗り出した勇次が手を伸ばしている。部屋の中は暗くてよく見えないが、コトの最中なのかもしれない。呆れながら、眞希はペットボトルを渡してやった。それを受け取った勇次が、ぺットボトルを飲むと、また、手を伸ばしてきた、受け取ろうとすると、手を握られて、部屋の中に引きずり込まれた。
「ちょっ! 勇次!」
「ええから、来いや」
暗闇に目が慣れる間もなかった。ガウンのすそを割られ、温かい息を感じたと思う間もなく、熱をもつ空洞に飲み込まれていた。結城と繋がっているらしい、勇次が眞希の下半身に抱きついて、眞希のものを咥えたのだ。
「やめっ! 勇次……ああっ!」
一度その愉悦に捉えられてしまうと、逃れるのは難しかった。勇次の唇と、舌が眞希を絶頂へと押し上げる。
「俺にしてくれたことないやないか」
ぼそりと結城がつぶやく声が聞こえた。
「お前の、こんなに、かわいくないやろ」
可愛いというのは、この場合ほめ言葉ではないと、突っ込みたいのをこらえて、眞希は、もう一度、勇次から離れようとした。
「噛み切るで! 逃げんな!」
鋭い声に制される。脅かしているくせに、その舌は、甘く眞希のものに絡みつく。
「ええやんか、別にはめるわけでもないし」
はめられているのはお前だろうと思いながら、背筋をのぼってくる快美感に抗うのをあきらめた眞希だった。勇次は舌先で眞希のものをつつくと、ねっとりと吸い上げた。
たまらず上り詰めてしまった。勇次は眞希が射精したものをためらわずに飲み下した。
眞希は、二人の部屋から逃げ出した。


それ以後、眞希は二人の部屋にはできるだけ近づかないようにしたが、隙があれば、勇次は眞希にキスしたり、性的な悪戯をしてくるのだった。無邪気に仕掛けられる行為には不思議と、いやらしさがなかったが、それでも何度も眞希は翻弄された。同時に、高野のいない寂しさを紛らわされることとなったが。


ブログのほうで、(前頁にURLあります)「砂漠の薔薇」連載もしています。
よろしかったら、お越しください。
仕方ないこととはいえ、読者数がわからないまま、掲載を続けるのがこんなに苦痛だとは思いませんでした。何人くらいの方が読んでくださっているのか。
よろしかったら、一言いただけると嬉しいです。

着地点バナー


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。