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この作品は<R-18>です。
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天木眞希5−5
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榊から指定された日の朝、眞希は風呂を借りると、自分の体を清めた。結城の手を煩わせることがないように、体の奥をほぐした。その刺激に立ち上がり始めたものをそっと擦った。
(高野さん……)
ここに来てからは、できるだけ考えないようにしていた男のことを思うと、手の中のものが質量を増した。思い出せば会いたい想いが募るけれども、身内でもない眞希が会いに行くことはできなかった。けれども今だけは、眞希は自分の指を高野の指だと思おうとした。
会いたい、会いたい、会いたい……にじんでくる涙をこらえようとはせずに、少しだけ眞希は泣いた。切なさとともに、湧き上がってくる快感に素直に身を任せた。
今、一度だけでも達しておけば、結城に抱かれたとき乱れる姿を見せずにすむかもしれない、そんな風に思っていた。
風呂から出ると、わずかにはれぼったくなって目元と上気した肌の色のせいで、火傷のあとがいやに目立った。眞希はうっすらと化粧を施し、用意された浴衣に袖を通した。下着を身に着けようかどうか迷った。脱がされる恥ずかしさを耐えるよりは、いっそ身に付けずに行きたいと思ったが、待っているような浅ましさが嫌だった。
そっと、浴室から出ると、勇次たちのいる部屋をのぞいた。
化粧を施した、眞希の美貌に、二人が息をのんだことには気づかなかった。
「あの、下着を着けていたほうがいいでしょうか?」
「そのほうがええやろな」
焦った様子でもなく結城が答える。こういう経験もあるのだろうか?
「はい」
着替えて出てくると、勇次がにらみつけていた。本人はそんな気はないのだろうが、眞希にはそうとしか見えない。
「えらい色っぽいやんか?」
本気で言っている。
「やっぱ俺もいく」
「勇次〜〜」
「なに恥ずかしがっとんのや? お前のほうが俺によっぽど恥ずかしいことしたやんか? 忘れたとは言わせへんで」
勇次がリラックスさせようとして言っているのだとはわかっていたが、本物の恋人の前では結城もやりにくいだろう。
結城がミネラルウオーターのボトルを差し出した。
「ちょっとだけ飲んで。そのほうがリラックスできるやろ。」
「そや、恋人どうしなんやからな。そこを忘れたらあかんで」
「声を出してもかまへんから」
「色っぽい声聞かせたれや。あゆむ〜〜って」
勇次が畳み掛けるように言う。
「……あゆむ?」
誰だろうと思い、目の前にいる男だと気づいて、眞希はふきだした。
「あ、すいません」
「ほらゆうてみ、あゆむって」
「あ、あゆむさん」
「はい」
まじめな顔で結城が返事をした。
「いえ、すいません、やっぱり『結城さん』で」
「だめや『あゆむ』や。間違っても『高野さん』なんて呼んだらあかんで」
勇次が眞希の顔を両手で挟み込むようにして話しかける。涙が出そうになって眞希は頷いた。
ふわっと勇次の唇が、眞希の唇に触れた。
「心配せんくても、触らせたりせえへんから。俺が一番近くにすわっとる。」
「何人……くらいくるの?」
突然眞希は不安になって訊いた。
「知らん」
勇次の答えはそっけない。
「けど、お前は結城だけを見とったらええ。」
「勇次……」
「恥ずかしがって、不安そうに、結城の影に隠れとるんや。俺の言うことわかるやろ?」
「うん」
目立つなと、煽ったり、興味をもたれるようなことはするなと、勇次は言っているのだ。
言われるまでもなく、眞希は不安になっていた。ショーだと言われたほうがましだった。
「そのくらいで」
いつの間にか着替えた結城が眞希の後ろに立っていた。
カッコいい……思わず、勇次の顔を見ると、にっと笑った。
「ええ男やろ、一回きりやで。貸すのは」
耳元で勇次が囁いた。
勇次が歩いていく後ろを、眞希は結城に肩を抱かれながら歩いていた。
座敷に入ると、十五人ほどの男たちが座っている。眞希は血の気が引いていくような気がした。恥ずかしさより、怖さが先に立っていた。
「すいませんが、一度退いてもらえませんか?」
結城の声は落ち着いていた。
「これじゃあ、その気にもならないでしょうから。」
その言葉を理解したらしい男たちが部屋を出て行く。
結城に促されて、眞希は敷かれた布団の中に体を滑り込ませた。
「見てる人間のことは気にせんくてええから。俺のことだけ見てたらええ。」
そうしてゆっくり眞希に覆いかぶさってきた。
「ほれ」
そういいながら勇次が、何かを結城に手渡した。結城が眞希の口にそれを入れた。
「なに?」
「飲んで」
枕元に用意されていた冷たい水を口移しに飲まされた。
カプセルのようなものが喉元に引っかかりながら落ちていった。
そのまま結城の唇が、眞希の口を塞ぐ。髪の毛をすくように撫ぜられる。頬や耳の辺りをくすぐるようにたどる指は、意外なほどに繊細な動きをする。高野にも、そんな風に扱われたことはない。
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