ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
警告   この作品は<R-18>です。 18歳未満の方は移動してください。
衆道剣風録の第二弾です!エンジョイされることを祈ります!
時代小説一口メモ:
「母衣衆」=いくさのときに主君の連絡役と警護をする騎馬の近従は、背中にマントのようなものを付けていた。それを母衣ほろという。母衣は目印になるほか、矢を防ぐ為に付けると言われ、普通の騎馬武将も付けて絵もあるが、筆者はあまり矢の防御にはならなかったのじゃないかと思っている。だって使いにくいし、引っ張られたら危ないじゃん・・・
「香取神道流」=古墳時代に遡る日本古武道の源の一つと言われる。塚原卜伝の新当流や陰流など数々の支流が起こった。
「順の斬り」=右肩を廻して斜めに斬る法。反対は逆の斬り。
「順」(刀の柄の持ち方)=普通に持つ法。逆は手首を返して柄を持つ法。座頭市は刀を逆さにして「順」に柄を持っている。
かち」=馬に乗ること(騎馬)に対して、徒歩で戦ったりすることを言う。
「出奔」「逐電」=この小説では主家を捨て牢人となってその土地を去ること。戦国時代は主君を変えることは比較的自由だった。大名の統率力が増すと「諸法度」などの家中の規則が出来、窮屈になっていった。
一 儀太夫と上総
 古性義太夫の屋敷に、主君、戸田家目付役の内藤上総守ないとう・かずさのかみという男が時々やって来る。
 義太夫とは先代の母衣衆ほろしゅうを努めた知己だが、主家の縁戚から正室を貰い、その手前、側室や妾を置くことが出来なかった。そのためか、美童好みに走り、これはという良家の息子を見ると小姓にくれと言うので有名だ。
 静音には早いうちから目を付けていたようだが、おなごよりも可愛い者を側に置くというのはさすがにはばかれたらしく、義太夫には何も言っていなかった。
 だが、修理の出奔の決闘騒ぎで、静音が修理の念者であったということが発覚し、修理を止めに行ったことが口々にあがって、この機に何か良い口実がないかと期待していた。

 義太夫は男三人、女二人の子を抱え、妻は最後の息子、静音を産んだ後、病で亡くなっていた。静音を見ても儀太夫の妻がさぞ美しかったことを思わせる。
 妻を愛した義太夫はそれからやもめで暮らしていた。すでに二人の男子は元服して主家へ出仕している。
 儀太夫は、静音が修理を『兄』と慕っていたのは知っていたが、特に肉体関係を結んだ様子もなく、目に余ることも無い。静音が陰流道場でかなりの腕を上げているとも聞いた。相手の修理も昔、共に戦った旧友の息子ということもあり、屋敷に来た時も礼儀正しく立派な男と考えていた。
 修理の噂を娘達がするのを聞いてゆくゆくは嫁の世話をするつもりだった。だが、無役の家では難しい。
 それに、二人の息女も妻に似て美人揃いだったが、気性も容姿も最も似た静音を内心、目に入れても痛くないほど可愛いと思っていたのだ。

 修理に馬を殺され、不甲斐なく逃げ帰った連中は、遠乗りしていて多数の野党に襲われたと言い張った。だが、峠で見ていた通行人達は修理が一人で十騎を相手にし、人の代わりに馬を斬って堂々と逐電したことを城下で喧伝した。
 人々はこの峠を『馬ノ首峠』と呼ぶ様になった。



+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。