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#21
甘えるように健太に寄り添う。
決して瞬への想いが消えたわけでは無い。
女としての計算だった。

瞬の鎮魂の為にも、紗那にも言えなかった事を知るためだった。

「ねえ、さっきのニュースなんだけど……」

健太の胸板を手で擦るように洗いながら、紗那は言葉を続ける。

「小澤先生はなんで死んじゃったのかな?」

「多分……、自殺だろうな」

「自殺って…、何か死ぬような理由でもあるの? 昨日はあんなに元気だったのに」

「お前が自殺の理由だったのかもな……」

「それ何なの? なぜ私が自殺の理由になるの?」

「俺が勝手に思っただけだから……。 なんの根拠も無いけど、ただそう思っただけだ」

健太は言葉を濁している。
何か知っている事があるのに、紗那には知られたくないのだろう。

「健太が思っている事ってどんな事なの?」

「そんな事、どうでもいいだろ。 それより小澤のところへ行かなくていいのか?」

健太はこれ以上、この話については答えなかった。
紗那が聞こうとしても、頑なに押し黙ったままだった。
二人はシャワーを済ませると、大阪へ戻るために用意を始めた。

帰り道、紗那は疲れの為に、助手席でぐっすり寝込んでしまった。
目が覚めた時には、高速を降りるところだった。

「やっと起きたか。 家まで送ろうか? それとも…」

「一度帰らないと…」

「解った」

「健太…、録画したのはどうするの?」

「あれは俺の考えでどうにでもなる」

「お願い…、あんなのが出回ったら、私……」

「解ってる…、しかしあれが俺達の稼ぎになるんだ」

「そんな……」

「原盤をお前が買い取るか? そうすれば誰の目にも触れなくなるぞ」

「それっていくらなの?」

「200万と言いたいところだけど、半分の100万でいいぞ」

「解ったわ。 私が買うわ。 それを買えば、絶対に誰にも知られなくて済むのね?」

「あぁ、俺が保証するよ」

「解った、それじゃ受け渡しは早くしてね。 明日の夕方、お金は用意しておくから連絡してね」

車は紗那の家の最寄り駅まで来ていた。
そこで車を降りると、健太はタイヤを鳴らして帰っていった。
紗那は足早に家へ向かい歩き出した。

家へ着くと、ちょうど家族は出かけていて誰もいなかった。
すぐに浴室へ行き、もう一度身体を綺麗に洗った。
朝までの激しかった行為が、身体のあちこちに痕跡を残している。
足や腕には、男達に力強く握られた跡が痣となって残っている。

タオルにボディーシャンプーを泡立てて力強く擦った。
全ての行為を忘れる為に、汚された自分を綺麗に洗い流す為に……
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