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#1
紗那は左手の薬指に光るリングを見ながら、今日のデートを振り返っていた。

お昼前に瞬が紗那を自慢の車で迎えに来た。
VWニュービートル、真っ赤なボディに魅せられて、中古車だったが瞬が一目惚れをして手に入れた自慢の車だった。

二人を乗せた車は、阪神高速湾岸線を神戸に向って流していた。
窓から見える風景は、青い海に浮かぶコンテナ船、青い空に浮かぶ真っ白な雲が風景画のようだった。
この湾岸線は巨大な橋がいくつか架けられていて、吊り橋型のフォルムは離れて見るととても美しい。
夏休みなどは土日限定でライトアップなどもされて、夜間のドライブデートに持って来いの道路だ。

この湾岸線では三宮まで直接行けないので、途中、ハーバーハイウェイを経由する事になる。
車は三宮から元町を目指す。
まず最初の目的地が元町にある中華街だった。

コインパーキングに車を止めて、中華街の入口にある長安門をくぐる。
横浜の中華街の規模の10分の1くらいなので、狭いエリアに人が密集してくる。
店先では飲茶を販売している。
少量ずつの販売なので、いろいろな物を食べるのにはちょうど良い。
どの店も多くの人達が並んでいて、活気に溢れている。

二人はここで飲茶の食べ歩きをした。
小龍包、肉饅、餃子、フカヒレ入りラーメン、タピオカ入りココナッツミルクでお腹が膨らむと、車を移動させた。

次の予定は異人館巡りだった。
神戸の北野町には明治の終わり頃から、海外から日本にやってきた貿易商などが建てた自宅や、外国の領事館、高級借家などが当時の面影を残したまま残っている。

北野通りには英国館、旧パナマ領事館、洋館長屋、ベンの家。
オランダ坂を上がると、オランダ館、うろこの家、山手八番館、北野外国人倶楽部、旧中国領事館。
そして北野町広場の近くには、風見鶏の館、萌黄の館などがある。

食後の散歩を兼ねて、二人であちこちを歩き回った。
同じように恋人同士で歩いていたり、女性同士で歩いている人達がたくさんいた。
この北野町の一角は、時代が大正初期で止まったような雰囲気が素敵だった。
それぞれを散策しながら、有名なうろこの家と風見鶏の館を見学した。
中には当時の調度品などが展示されていて、異人達の豪勢な生活が垣間見れる。

坂が多いので、歩き疲れた二人は、自然と休憩できる場所を求めた。
北野通りを三宮方面に向かって歩いて行くと、お洒落な建物の屋根が目立ち始める。
そこは恋人達が二人きりの時間を過ごすところだ。

瞬が紗那の肩を抱き寄せ、建物の入口へ向かう。
二人がロビーに入ると、部屋の写真が並んだパネルがあり、そのうちの一つの部屋を選ぶ。
エレベーターで3階に上がると、ドアの上でランプが点滅している部屋があった。
瞬がドアを開け、紗那を先に部屋へ入れると後ろ手にドアを閉めながら瞬も続いた。
部屋の中は調度いい感じでエアコンが効いていた。

「瞬、上着を貸して」

「ありがとう」

紗那が瞬の上着を受け取り、クローゼットのハンガーに掛ける。
それから自分もピンストライプのジャケットを脱ぎハンガーに掛けた。
瞬がいつまでたってもソファーに腰を下ろさず、そわそわとしている。
紗那が先にソファーに腰掛け、瞬に聞いた。

「どうしたの? 今日はなんか、いつもと違うね?」

「え? そんなことは無いよ」

小池徹平によく似た横顔が、ドキリとしたような表情を見せる。

「嘘だ、なんか隠してる」

「なんにも隠してないよ」

瞬がそれ以上の追及を避けるために紗那の唇を塞ぐようにキスをする。
始めは抵抗していた紗那も、瞬の舌が自分の舌に絡まると力が抜けて行く。
瞬の右手が紗那の後頭部をしっかりと押さえ、より情熱的なキスになっていく。

「んっ、あぁ……」

左手が紗那の胸に添えられ、優しく揉み込むと甘い声が漏れる。
紗那の両腕がしっかりと瞬の背中を抱きしめる。
二人の愛が深まっていくようなキスだった。

そのままキスをしながら紗那を抱え上げ、ベッドに移動する。
ベッドの上に来ると、二人の感情がより激しくなってくる。
お互いに相手の肌と触れあいたくて、脱がせ合いが始まる。
ボタンを外すのがもどかしくて、ついつい力が入ってしまう。

「そんなに力を入れると、ボタンがちぎれちゃう」

紗那の声で瞬が我に返る。

「ゴメン、つい力が入っちゃったよ」

改めて、落ち着いてボタンを外す。
脱がせた物はベッドの回りに散乱したままだった。
下着も剥ぎ取り、お互いに生まれたままの姿になった。

最近、仕事が忙しくて1ヶ月ぶりに抱き合った二人は、お互いに一つになる事を求めていた。
紗那の身体も、ホテルに入った時から準備が出来ていた。
瞬が紗那の身体を抱きしめた時、男のシンボルが熱く、そして硬くそそり立っていたのを感じた瞬間、紗那の方から瞬に言った。

「もう、もう挿れて……」

「紗那、いいの?」

「うん、瞬を感じたいの。 だからもう……」

自分のモノを右手で掴み、紗那の中心に合わせる。
先端を何度か上下させて、ヌメリを塗せると腰をグッと進めた。

「あうっ、ゆ、ゆっくり……」

瞬がゆっくりと腰を進め、そしてゆっくりと引き抜く。
何度かその動きを繰り返すと、全体に紗那の愛液が馴染む。
動きも滑らかになってくる。

「しゅ、瞬……、すごく、すごくいい」

「紗那、僕もだよ」

久しぶりのデート、久しぶりのセックス、二人はホテルで数時間を過ごした。


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