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プロローグ
時間が迫っていた。
つい先ほどまでは夜景やモニュメント目的で集まっていた恋人達の姿も、23時を前にしてまばらになっていた。

二人は神戸でも有数のデートスポット、ビーナスブリッジの愛の鍵モニュメントの前にいた。
このモニュメントに張られているワイヤーに、南京錠をかけて愛を誓うと、二人は永遠に結ばれるという事で人気のスポットだ。
そしてここから見下ろす神戸の夜景は絶景だった。

「そろそろ戻らないと、時間が……」

時間を気にしながら、紗那が瞬に向って言う。

ここまでくる為には、再度山ドライブウェイを通らなければならないのだが、23時以降の通行が禁止されている。
時間が近付くにつれ、人影がまばらになっていく。

瞬の態度が少しおかしい。

「ねえ、瞬……。 もう帰らないと……」

「紗那……」

「なに?」

「お互いに就職して2年が経ったよね」

「そうね、もう2年か…、早かったね」

「仕事も大分覚えたし、やっていく自信も出来た。 紗那、僕と結婚してくれないか?」

瞬のプロポーズだった。
いつもと様子が違ったのは、紗那へプロポーズするのに緊張していたからだ。
瞬のポケットからリングの入ったケースが出てきた。
蓋を開けると、ダイヤが夜景の美しさにも負けない光を発している。

「紗那、結婚しよう」

「あぁ…、だからなのね」

リングを指で摘まみ、紗那の手を取り真っ直ぐに見つめる。
紗那は突然のプロポーズに驚いたが、瞬との結婚をずっと意識していたので、にっこりと微笑みながら頷いた。

「はい、よろしくお願いします」

紗那の指にダイヤのリングが光った。


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