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これはある夫婦の一つの愛の形です。それをどう判断するかは・・・読んだ貴方次第です
試合終了!ダークレスラーの正体

ピチャ・・チュッ・・むにゅ・・・。
「はぁ・・ん、んぅ・・・」
薄暗い部屋の中から何とも艶かしい女の声だけが響く。
声の主は愛美だ。
自宅の寝室らしいカーテンを締め切った部屋には大きなダブルベッドが中央に置いてあり、そこには逞しい体の男が寝ている。
そこで彼女は今自慢の巨乳で肉棒を挟み、いわゆるパイズリで懸命に奉仕している。
砲丸の様な圧巻のボリュームで挟まれた肉棒は、亀頭だけが露になっており愛美が胸を上下に動かしながら、時折ペロペロと舐めると、奉仕を受けている男ーー雅也から小さなうめき声が漏れた。
「んふ、雅也ぁ・・気持ち良い?私のオッパイ」
「ああ、最高だ。愛美」
いつもの静かな口調でつぶやきながら、雅也が愛美の頭を撫でる。
ぶっきらぼうではあるが滅多に感謝の言葉を口にしない雅也に褒められると純粋に嬉しく、愛美は顔をほころばせた。
「ああ・・・元気になって来た。もう入れて良い?」
自身の胸の中で脈動する肉棒にゴクリと唾を飲み込みながら、愛美が雅也の方を見る。
愛する夫が無言のまま頷くとチャンピオンはパイズリを止め、そそり立つ肉棒に秘処を宛がった。
騎乗位の体勢だ。
「んんっ!あ、あはぁ!!☆」
最初だけゆっくり入れ、後はそのまま一気に腰を下ろし、自分の中へ肉棒を受け入れると愛美の背が反り返る。
恐らくレディーキラーを注射されていたら、勢い良く母乳を放っていたに違いない。
腰を振り、愛する夫の分身をじっくりと堪能すると愛美は熱く息を吐いた
「ああ・・・い、良い!ん、はうっ、あ!ああっ!!」
うっとりと眼を細めながら、自分の欲望に従い激しく腰を動かし始める愛美。
二人の寝室にまた彼女の声だけが響き渡った。

ーーお披露目パーティーの後、約束通り雅也と直美は解放された。
直美の方はパーティーにも参加していたので無事とは言えないが、驚いた事に雅也は気絶してるだけで無傷だったのである
どうやらダークレスラー達は卑怯にも隙をついて雅也を襲い、愛美をおびき寄せるために割れたサングラスを見せたらしい
拉致された後、ずっと薬品で眠らされていた彼は文字通り何も知らずに解放された訳だ。

そしてあの悪夢の日から一ヶ月後、二人はこうして愛し合っている。
皮肉な話だが、あれから二人の絆はより一層深まっていた。
雅也も出来るだけ愛美の求めに応えてくれる様になったし、愛美もまたS−1で仕込まれた性のテクニックで彼を喜ばせている。
今も一度終えた後で第2ラウンドが始まった所だ。一度にする回数が増えたので愛美の欲求不満も解消させつつある。
(ああっ!き、気持ち良い!!やっぱり雅也のが1番・・!)
汗ビッショリになりながら口元から涎れを垂らし至高の笑みを浮かべるチャンピオン。
やはり雅也とのSEXは心が満たされた。快楽だけでは無い満足感が彼女を包む。
だが、激しく体を動かしながら愛美は壁に貼ってあったカレンダーの方に眼を向ける。そのカレンダーには明日の日付で赤い丸がしてあった。
(ごめんなさい、雅也。でも本当に愛しているのは貴方だけだから・・)
心の中で何も知らない夫に詫びながら、愛美は昇り詰めて行く。
丸が書いてあった日には同じ赤いペンで『L−1No1トーナメント決勝』と書いてあったーー。

ワーーーーッ!!
大歓声の中、観客達の足音が地響きの様にドーム中を包む。格闘技特有の重低音ストンピングである。
年間を通して行われるL−1No1トーナメントもいよいよ決勝。これに勝った者が来年の主役になると言っても良い。
世界の女性ファイター達から勝ち残った二人だけが、このリングに立てるのである。
そして観客達が我を忘れて見入っているリングの上には、下馬評通り柔道の吉田秀美とL−1チャンピオン・・・エンジェルバニィの姿があった。
ーーバコン!!
「ぐっ!ば、馬鹿な!?」
強烈なジャブを食らい、吉田秀美は苦痛に顔をしかめる。
試合開始から5分。試合は意外な事に一方的な展開になっていた。
打撃に優れている筈の吉田が押されているのである。自分の眼の前では、全く隙の無い構えでL−1チャンピオンが佇んでいた
「くっ、この!!」
いつの間にかロープに追い詰められ、焦った吉田が連打を打ち出し状況を打開しようとする。
しかし当たらない!まるでプロボクサーの様な華麗なステップで吉田の連打を回避し、バニィが懐へと入って来る。
そして的確なジャブをまた顔面に食らい、吉田の体が軽く吹っ飛ばされた (ぐはぁ!!・・く、くそ!コイツ、何が変わった!?前に戦った時はこんなに強く無かったのに)
何発も食らって鼻が折れたか、止まらない鼻血を拭いながら吉田が苦虫を噛み潰す。
前哨戦で戦った時、エンジェルバニィは自分の才能を過信しているただのレスラーだった。打撃に持ち込み、懐にさえ入れなければ負けない自信を吉田は持っていたのである。
だが、今の彼女は明らかに違う。全く攻め入る隙を見せず、打撃も自分の上を行ってしまっている認めたくはないが王者に相応しい強さを持ち合わせて来たのだ。
前哨戦から僅か一ヶ月。とんでもない成長である
(本当は打撃で決着を着けたかったが、致し方ない!!)
立ち技で勝負をすれば勝ち目は無い事を悟った吉田は覚悟を決めた。
相手は確かに王者らしいファイターになったが、だからと言って優勝を明け渡す気は毛頭ない。
マウスピースをグッと噛みガードを下げると、吉田はバニィのやや大振りなフックに合わせる。
ビュン!!と言う凄い音を聞きながら吉田はタックルの要領でバニィの懐に飛び込んだ。
ーーガシィ!!
「もらったぁ!!」
頭を低くしてチャンピオンの細い腰を思いっきり掴む。柔道家独特の強烈な腕力に一瞬バニィの顔が歪んだ。
「これでえぇぇ終わりだぁーーー!!」
体を反転させ、ポジションを逆転させる。
ロープの反動を活かした強引な形の背負い投げ。オリンピック時代、全て一本を取って来た吉田の得意技である。
相手も投げ技を得意とする選手なので、あまり接近はしたくなかったのだが倒してしまえばこっちの物である。
グラウンドに持ち込んだ後の戦略も頭に入れながら、吉田はさらに力を込めて投げの体制に入った ーーガシィ!!
「・・っ!何ぃ!?」
だが、そのままの体制で吉田の動きが止まる。
動かない!否、万全の状態で投げに行っているのにも関わらず、エンジェルバニィが山の様に仁王立ちしているのである。
体格差で言えば細身のバニィより体重100kgの吉田が圧倒的に優位の筈なのだ。
有り得ないと言う思いが一瞬、吉田の隙を作り上げた瞬間、彼女の視界が一変した。
「おぉりゃあああああっ!!」
ミシミシミシ!!と言う凄い音がしながら吉田の背骨が軋む。
バニィが繰り出したのは強引な形のアルゼンチンバックブリーカー。
相手を両肩に乗せ、橋の様に締め上げる総合格闘技ではまず決まる事の無い大技である。
自分の倍は有りそうな選手を持ち上げ、リング中央まで歩くL−1チャンピオンを見て大歓声を上げる観客達。
リングとドームが一つと化した時、その瞬間は訪れた。
「ぎ、ギブアーーップ!!」
ーーーカンカンカン!!
大歓声に飲み込まれた吉田のギブアップを聞いてレフリーが両腕を振る。勝負が決した事を告げるゴングが鳴り響くと同時に、猛烈な紙吹雪が舞う勝者を讃える栄光の雨だドームにいた観客達もまた、口々に今年のトーナメント優勝者の名を口にする。
ーーバニィ!!バニィ!!バニィ!!
持ち上げていた吉田を降ろし、礼儀の握手をすると、バニィはセコンドから渡されたチャンピオンベルトを手に掲げ、赤コーナーのトップロープに駆け上がる。
たった一人、トーナメントを優勝した者だけが味わえる最高の瞬間。大歓声に応えるバニィが赤コーナー側にある2階の展望室に視線を向ける。
するとそこには、両腕を組みながら試合を見ているダークレスラーの姿があった・・・。

「こんな所にいたの?」
数回のノックの後、展望室に入って来たのはナオミだった。
いつもの綺麗なスーツに凛とした態度にはあの狂宴の傷痕は感じられない
否、元から傷など負ってないと言うべきか。
「見てたでしょ?愛美が優勝したのよ。
貴方のするべき事はそんな物を被る事じゃなくて彼女の側にいてあげる事だと思うけど?」
咎めた感じでナオミが呟く。しかしその口調には数年来の知り合いと話している様な親しみも入っていた。
『愛美には全ての試合で監視していると言ってある。それに、この後の事を考えればあいつにとって俺が側にいるのは逆に辛いだろう』
リングにいる愛美がアナウンサーのインタビューに応えているのを見て、ダークレスラーがヘルメットを外す。
一連の事件で愛美に立ち塞がった謎の敵。
その正体は何と愛美のトレーナーであり、生涯のパートナーである鷹野 雅也だった。
「悪かったな?ナオミ
俺の計画に協力してくれた所か、ずっと隠していた秘密まで曝す羽目になってしまって・・・。
だが、お前も久しぶりの真剣勝負に血が騒いだんじゃないか?」
ヘルメットを脇に抱えると、いつもしているサングラスを掛ける雅也。
彼がダークレスラーであった様にナオミにもマネージャーとは別の顔があった。
S−1の門番、クイーンスコーピオンーーそれが彼女のもう一つの姿である
つまり愛美が人質を助けるために戦っていた時、人質であるナオミ達は目の前にいたのだ。
一人は監視役として、一人は対戦相手として。
だから、愛美がナオミと再会した時、彼女が正気を失っていたのは拷問を受けていたからでは無くただ単に、試合で注射されたレディーキラーの効果で発情していただけなのだ。
「あの試合は、薬と幸運があったから勝てただけよ。
ラビットジャーマンが決まっていたら勝負は分からなかったわ」
大きくため息を突きながらナオミが言う。
元レスラーの彼女がレスリング・スタイルで挑めば、愛美がライアンと同じ対応を取る事は分かっていた。
ライアンの情報を調べ上げ、雅也に教えてタックル対策をさせたのは、他ならぬナオミ本人である
後はマウントに持ち込み薬が聞いて来るまで時間稼ぎをする作戦だったのだが、予想外の愛美の反撃にナオミは心底肝が冷える思いをした。
やはりそこは現役のチャンピオンと、S−1ファイターの埋められぬ実力差なのだろう。もし、あの時愛美が足を滑らせなかったらと思うとーーゾッとする。
「フフ・・・そうか」
計画が上手く行った事かそれとも妻の実力を知ったからか、雅也が微笑する。
あまり悪びれた様子の無い彼の態度にナオミは疑問を感じずにはいられなかった。

ーー全ては最初から仕組まれた事だった。
ナオミからS−1が愛美を狙っている事を知らされた雅也は、何を思ったか兵藤と直接交渉し、条件付きで愛美のSー1参戦を認めたのである。
その後は計画実行の日を綿密に打ち合わせし、わざわざナオミに捕まっている様な映像を録らせ、当日になると試合中に楽屋を荒らしドームから抜け出させたのである。
仕上げはダークレスラーとなった雅也が愛美をS−1まで案内すれば、彼女は罠に落ち、試合をせざるを得ないと言う訳だー
ーー。

「でも、本当にこれで良かったの?愛美を巻き込みたく無かったら私が兵藤にお願いするって言う方法もあったのよ」
今までずっと我慢していた思いをナオミは正直にぶつけて見た。
若手ファイターの頃からS−1に参戦していた彼女は、実は兵藤の1番のお気に入りだった。
そのゾッコンぶりは新しくペットになったあつ子が嫉妬する程である。
ファイターの時はスコーピオンとして団体を引っ張り、プライベートでは定期的に肌を重ねる事でナオミは兵藤の情報網から様々な選手のデータを入手し、愛美の勝利に貢献して来たのである。
だから愛美のためだと雅也に説得され、参加した今回の作戦も、ナオミは最後まで納得する事無く協力していた。
「・・・チャンピオンになったファイターがベルトの代わりに失う物は何だと思う?ナオミ」
と、突然彼女の質問とは全く関係無い事を雅也が聞いて来た。
ナオミが面食らっていると彼は振り返らず、静かに語り出す。
「それは勝利の飢えと挑戦するための目標だ。これがあるのと無いのでは選手の実力に決定的な差を生み出す」
雅也が何を言いたいのかナオミには理解出来なかった。なので、黙って彼の話を聞く事にする。
「チャンピオンになって防衛を重ねていく内に、愛美には慢心の心が芽生えていた。自分が負ける筈が無いと・・・。
あいつは俺との夫婦生活にも不満を持っていたから、条件を付けて意識を変えようとしたが駄目だった。
このままでは愛美はトーナメントの決勝で必ず吉田に負けてしまう。
何かが必要だった。愛美の意識を変える強烈な刺激がな」
試合が終わるまで、夜の生活が禁止されている事はナオミも愛美から聞かされていた。
女同士の会話は男性より赤らさまである。
酔った勢いで雅也に対する不満を良く聞かされたが、それにはそんな訳があったのだ。
「そこで舞い込んで来たのが、今回のS−1勧誘の情報だ。L−1のダークな部分である兵藤がチャンピオンの愛美を狙って来るのは薄々分かっていたしな。
俺は大きな賭けに出る事にした。
上手く行けば愛美の意識を変えるだけで無く、あいつの欲求不満まで解決する事が出来る。
危険な賭けではあったが結果は・・・見ての通りさ」
バニィを呼ぶ大歓声を聞かせて雅也が笑う。そして直ぐにまた視線をリングにいる妻に戻した。
「愛美には試合に勝った時だけS−1に参戦出来る様に言ってある。
これであいつは全力で試合に勝とうとするだろうそして兵藤との契約も守った事になる。一石二鳥だ」
「でも、それであなたは良いの?S−1に参戦するって事は愛美が他の男に抱かれるって事なのよ?」
ナオミが呟くと、雅也は一瞬黙ってしまった。下の大歓声と合間って展望室がしばしの静寂に包まれる。
長い付き合いである敏腕マネージャーは分かっていた。彼が黙る時、それは自分の感情を押し殺している時だと・・・。
だからこそ敢えてナオミは追求せず、雅也が口を開くのを待った。
「・・・俺では愛美を満足させる事は出来ん。夫として役立たずな俺が出来る事と言ったらトレーナーとしてあいつとの約束を守るだけだ」
「約束・・・?」
展望室の窓に手を当て、雅也が小さく頷く。
この約束の話はナオミも始めて聞く物だった。
「愛美と初めて会った時の話だ。あいつには言わなかったが、こんなに純粋に格闘技が好きだと言える奴がいるのかと驚いた事を覚えている」
(私、鷹野さんの大ファンなんです!!)
初めて会った時の大一声がそれだった。
ーーあんなイモ臭かった女がいつの間にかこんなにデカくなりやがって・・・。
そう思うと可笑しくなり雅也の口調も自然と穏やかな物に変わる。
「あいつのトレーナーになる時、俺は約束した。どんなに辛い眼に会っても付いて来るのなら今まで見た事の無い高みを見せると・・・。そして、あいつは付いて来てくれた。
なら、俺も愛美に高みを見せ続けなくてはならない。それが、俺を信じてくれた愛美との絆の証だと思っているからだ」
雅也の言葉を聞いて、ナオミはある事を思い出した。
それはS−1との契約を行った際の一件である。
雅也は愛美がS−1に参戦するのは、今回の計画で彼女にその意思があるかを確認する事、そして参戦する場合は全く別人を装い、マネージャー権を雅也に一任する事を条件とした。
兵藤が認めると彼は立ち上がり、こんな事を言ったのだ。
(もしこの条件を破って見ろ。こんな団体俺が叩き潰してやるからな!)
あの時の、雅也の迫力には例え鬼だって逃げ出すだろう。
いくつもの修羅場を潜って来た兵藤でさえたじろいだ程である。
ナオミもまたあそこまで激しく感情を出した彼を見るのは初めてだった。
そしてその訳を聞いた今雅也の愛美に対する想いの強さを知り、ナオミは頭を殴られた様な衝撃を受けたのである。
「雅也、貴方そこまで愛美の事を・・・」
ナオミが絶句していると雅也が微笑しながら彼女の方に振り返る。
その表情はいつものクールな彼に戻っていた。
「ナオミ、俺は愛美が強くなるならどんな事でもするぞ。ーーどんな事でもな」
ワーーーーーっ!!
二人のいる展望室の外から改めて観客達の大歓声が聞こえて来る。
その中心にあるリングでは無敵の強さを手に入れをトーナメントを優勝したLー1チャンピオン、エンジェルバニィが優勝トロフィーを手に高々と掲げていたーー。

☆おしまい☆
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