警告
この作品は<R-18>です。
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グレイから渡された書類に目を通すルティ。何でもこの船に乗った以上、守らなければいけないという内容が書いてあるようだが…。
第四十八話「理不尽な掟」
やっと食事を終えたルティはグレイが教えてくれた図書室へと急いでいた。
長い廊下を速足で進んでいく。ここも絨毯が敷かれており、たまに掃除しているゴーレムを何体か見かけた。
随分歩いたと思って、ひょいと壁についた案内板を見ると…ルティが歩いている箇所は、図書室へ向かう道としては1番遠い道だったことがわかった。
どうやら道を間違えて遠回りしてしまったらしい。がっくり来たルティだったが、昨日ここに来たのだから迷って当然だ、と自分を慰めながら歩き続けている。
そしてルティは「この先左を曲がると図書室。中では静かに」と書かれた案内板を左の壁に見つけて、駆け足で左を曲がった。
するとまた長い廊下になっており、突き当たりに大きなドアがある。そこまで駆け寄ってみると、3メートルはあろうかという大きな木製の重厚感のあるドアを開けてみた。
予想通り重たいドアだった。ニスがかけられてピカピカに磨きこまれたそのドアを開けてみると、中は意外と広かった。てっきり小さな部屋にびっしりと本があると思ったのに…。
入って右側はカウンターになっており、3体ほどの黒いゴーレムが席に座っている。どうやら受付らしい。
ルティはここで会員証か何か作るのかな、と思って受付まで行ったが、ルティはキャプテンの子供なので手続きはいらない。持ち出しは自由にしていいと言われてしまった。
何だかズルをしているような感じがしたが、そんなものは本を手にするとすぐに消えてしまった。
さすがに巨大観光船の図書室なだけあり、幼児が読む絵本から大人でも読むのに難しい本までいろいろある。特に種類というか、分野の幅広さもかなり揃っている。
船の構造について中心に触れている本があれば、無人島へ上陸した時のためのアドバイスが載っている本もある。その本の途中からのサバイバル法が載っていたので、ルティは興味を引かれた。とにかく絵や図が多いのでルティでも大体のところはわかる。
それからグレイが言っていた海の怪談について触れている本があった。本当に一角獣に、手足にひれがついた怪物の絵がある。
こんなの描いてウケを狙うなんてちょっと酷いかな、と考えたりする。
こうしてルティは図書室に置かれているさまざまな本を読むのに夢中になってしまい、夕方まで図書室にこもりっきりになってしまった。
夕飯は5時から6時にしようとグレイと決めたので、急がないとまずい。腕時計を見ると、今は5時半。あと30分あるが、あいにくこの船の中はよくわからない。
やむを得ず、ゴーレムに案内してもらって大食堂に着いた時には5時45分になっていた。
グレイはすでに席についており、食事をしている所だった。ジロ、とルティを見るとそのまま小さく鼻を鳴らして食事に戻る。
ちょっと怒っているな、と思ったルティはサンドイッチとオニオンスープを大盛りで頼んでみた。サンドイッチとスープはものの5分とかからずに、テーブルの上に置かれた。
やはり簡単な料理を頼んで正解だった、とルティは思いながらサンドイッチを食べ始める。
グレイが口を開いたのは、ルティがスープを飲み始めた時だった。席を立つと相変わらず全裸のままだということがわかる。彼はこちらに背を向けたまま真剣な声音で連絡事項を告げた。
「ルティ、大切な話があるから、7時頃に寝室に来い。来なかったり遅れたら、お前の都合に関係なく俺の全精力をお前のありとあらゆる穴にぶちこむからな」
そう言って顔だけ振り向いたグレイは声と同じく真剣な顔で怖いくらいだった。
思わず唖然としてしまったルティだが、食事がまだ残っているのでスープを平らげてから図書室へ戻った。あんなことを言われてちょっとショックだったが、遅れなければいいんだと自分を安心させた。
図書室はトイレがついているので、何時間もここにいることができる。
だがルティは室内の何箇所かに設置された時計を何度も見ながら7時に近づくのを待った。
そして6時40分。ルティはゴーレムに最上階へ行くエレベーターの場所を聞いて、そこへ移動した。すぐにそのエレベーターの場所はわかった。エレベーターは3基もあった。
赤い扉の横にある上を向いた三角形を押すと、すぐに右端にあるエレベーターがチン、と音を立てて赤い扉を左右に開いた。
慌てて乗ったルティの背後で扉が閉まった。そして無音のまま上昇していく。時間にしてみれば1分程度だが、ルティには殊更長く感じられた。
そしてルティは最上階についた。壁にある時計を見ると6時48分。ちょっと速足でルティは突き当たりの自分達の寝泊りしている部屋に向かった。
当然ながら扉には鍵がかかっていなかった。扉を開けるとぼんやりした光が室内を照らしている。確かに無いよりかはマシだが、これではあまりにも頼りない。本を読むのも難しいだろう。
グレイはそんな光度を落とした部屋の中で腕を組んで窓から外を見ていた。
「父さん。言われた通り来たよ。で、何の用なの?」
「おお。来てくれたかルティ」
夕食を食べているときほど重圧感のある声ではないとわかってルティは安堵した。腕を組んだまま振り返った。彼の股間にはソーセージのような男根がだらりとぶらさがっている。
しかしそれをルティが見たとたん、萎えていたソーセージは鎌首をもたげて起き上がってきた。まるで蛇みたいだとルティは思った。
ルティの視線に気づいたのだろう。グレイは勃起しようとしている欲棒とルティを交互に見て得心したようだった。
「ああ、すまんな。こいつは人に見られるとすぐに勃起してしまうんだ。気にしないでくれ。で、話というのは他でもない。キャプテンとしてお前に守ってもらわなければいけないことがいくつかある。それを伝えるために呼んだんだ」
「守ってもらわなければいけないこと? 何なの?」
グレイは無言で一枚の紙を渡した。それを受け取ったルティは記された文字を読んでいく。
『この船の最高責任者であるキャプテン・グレイに性行為をしてもらいたい、あるいは見たい時は次の条件を守ること。
1)私、キャプテン・グレイは手で逝くのも、己の分身をしゃぶって逝くのも好きだ。だから私のオナニーショーを見たいときは必ず最後まで見ていくこと。もちろんルティがしゃぶったり手でしごくのは自由だが、途中でやめるのは禁止する。必ず絶頂まで高めて射精し終わってから退室してもいい。
2)同様に私に抱かれてほしいときはいつでも言ってほしい。すぐに駆けつけるが、その時は前述のように必ず私を最低1回は逝かせること。追い返すのは絶対に禁止だ。
3)朝から昼は基本的に何をしてもいい。ただしよほど危険な行為は当然ながら禁止だ。同様に食事の時間も定刻までに必ず来ること。守れなかった場合は罰として1日の間、図書室への出入りを禁じる。
4)では夜はどうかというと、夜はかならず私と一緒に眠ること。ベッドのある部屋は沢山あるが、他の部屋で寝る場合は必ず私の許可を求めること。1人で眠る場合も同じだ。そしてルティは毎晩私の吐き出す熱いミルクを君は胎内に受け止めること。
5)この船は海に出るのは初めてなので、処女航海ということになる。従って記念として1度破れたルティの処女膜を再生させて、その膜を私の肉棒で破り、その血を船に捧げること。
以上が私、グレイの出す決まりごとである。もしもこれらの規律を破ったり、従わなかった場合は力で従わせるので、抵抗は無意味であるということを最後に付け加えておく』
ルティは目をこすってもう1度書類を読んだ。しかし書かれている内容は変わってはいないので暗澹とした気持ちになった。
「どうだルティ? そこに書かれている内容は頭に入ったか?」
「あのさ…他のはわかったけど、最後のは何なの? どうして僕の処女膜を再生までしてそんな怪しい儀式をする必要があるわけ?」
「そういうな。どこの国の船でも、航海する前には必ず何かを船に捧げるんだ。1番有名なのは酒の入った瓶を船にぶつけて割ることだな。だがこの船にはそんなでかい瓶なんて置いていない。ワインにしろ、他の酒にしろ小瓶ばかりだ。そんなものでやってもこちらの誠意は伝わらない」
「誠意って船でしょ? 生き物じゃないんだからそんなことしても無意味だと思うけどな」
「何を言ってるんだルティ。船は多くの人員が力を合わせて作った作品なんだぞ? 言ってみれば子供みたいなもんだ。娘であり、息子でもある船と海に出て寝食をともにするんだぞ? だったら無生物だどうだという前に、何かして捧げないとこの船に対して失礼じゃないか!」
「そ、そりゃそうだけどさ。でもそれなら他のものだって…」
「お前、どうしたんだ? いつもは優しくて素直なのに。どうして処女を捧げるのが嫌なんだよ?」
「だって…すごく痛いんだもん。あんなに痛いの、もうやだ…」
「そりゃ痛いさ。痛いからこそ、その苦痛によって流した血をこの船に捧げるんだ。その方が意味があるだろ?」
「でも…やっぱり…」
そのまま俯いてだまってしまうルティをグレイは腕を組みながら、しばし何事か考えているようだった。右の腕に組んだ左手の指がとんとんと右腕の上腕を叩いている。
「よし、わかった! それじゃこうしよう」
パンと両手で己の膝を叩くグレイ。その顔は何かいい案を思いついたようだった。
顔を上げたルティに会心の笑みを向けるグレイ。
「そんなにビクビクするなよ。別にとって食うわけじゃないんだから。いいか? 今から俺が出すゲームをクリアしたらお前の処女を破るのは勘弁してやろう」
「本当に…?」
「ああ、本当だ。キャプテン嘘つかない。で、そのゲームだが…かくれんぼと追いかけっこを一緒にしたものだ。ルールは簡単。これからお前はこの船のあちこちを逃げ回る。俺がお前を追いかける。1時間以内にお前が逃げ切って、俺からうまく逃げるか、隠れるかしていれば終わりだ。お前が逃げおおせたら俺はあきらめる」
「でもそれでもとうさ、じゃなかったキャプテン・グレイの方が有利だよ。だって僕はこの船のこと、全然詳しくないんだもん」
「それは俺も同じだ。何しろほとんどこの船には乗っていなかったんだからな。だから条件は同じ。だが俺は現役の一流の冒険者だ。いくらお前が素早くてもハンデは必要だ。そうだろルティ?」
うんうんと頷くルティ。自分で自分を一流と呼ぶな、という突っ込みを胸の中で入れておいて、すがるようにグレイを見る。
「というわけで俺がお前を見つけるなり、追い詰めるなりして捕まえた場合、お前の着ている服やズボンを剥ぎ取るだけで逃がしてやることにする」
「えぇっ!? 何それ!」
「ごちゃごちゃ言うな。今、お前は何を着ている?」
「えっとパンツとシャツと、ポロシャツと半ズボン。それと靴下と靴…」
「そうか。じゃあ少なくとも6回は逃げられるわけだな。ま、靴下と靴は左右それぞれあるから8回にしてもいいが…それだと情けをかけすぎて駄目だからな。うん、6回にしよう。1時間以内に6回捕まったらお前はこの部屋に連れ戻されて俺のこいつで処女膜を破られるというわけだ」
「そ、そんな…」
「救済策は用意したんだ。文句はいうな。というわけでそろそろ7時だ。今から追いかけっこ兼かくれんぼを始める。題名はすなわち処女膜狩りだ。よーし、始め!」
だがグレイを見上げているルティはそのまま動くことができなかった。グレイは組んでいた腕を解くと、ルティのポロシャツを掴むと、強引に脱がしてしまった。
「ほら、これで1回捕まったぞ? あと5回だ。ほらさっさと逃げろよルティ。もうゲームは始まっているんだ。逃げないのならゲームを放棄したとみてさっさと処女膜再生させて、こいつでぶち破るぞ。それでもいいのか?」
と、グレイは肉棒をつかんで上下に振る。それを見ていたルティは脱兎のごとく駆け出して部屋を飛び出していった。
後にはグレイと絨毯の上に落ちたルティのポロシャツだけが残っていた。
「さーて、それじゃ楽しませてもらいますか」
若き船長はまた腕を組んで笑っていた。
だがそれはまるで肉食獣のように獰猛な笑顔だった。
できたての船に乗る際に、どこの国でも必ず何らかのセレモニーをやるそうです。日本でも確か神主さん呼んで沈まないように祈願してもらったそうです。今はやらない人が多いようですが…。
やっぱり海の上って船が沈むと、陸と違って逃げ場所がないわけだから、船乗りたちも神経質になっていたんでしょうね。彼らが迷信深いのも納得がいきます。