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第三話「飛び出した肉棒」
 ルティは鏡の裏の通路を歩いていた。しばらく歩いていると階段が見えてきたのでそこを降りていく。初めて行く場所なのに何故か足が勝手に動いてしまう。
 地下に降り立ったルティは鏡に付いている薔薇を動かしてロックを解除した。鏡のドアを開けると、薄汚れた地下室の内部へと出る。
 周囲には籠やシャベルが置かれており、ドライフラワーやランプが置かれているがあまり使われていないようだった。
 そして外に出ると、坂道があってそこを上っていくとどこからともなく芳香が漂ってくるのをルティは感じた。気になって匂いを嗅いでいくとどうも、林の中から漂ってくるようだったので、ルティも林の中に入ってみた。
 林の中は陽光がうっすらと射しており、暗くないが日光が木々の枝に部分的に遮られて明るいというわけでもない。足元には木の葉が散乱しており、隠れた木の根に足を取られて転ばないように注意しながらルティは奥へ奥へと進んでいく。
 どれくらい進んだだろうか。普通は鳥や虫、風のざわめきが感じられるのに、まるで時間が停止したかのように、自分の足音以外は聞こえない。違和感は感じるが恐怖は感じなかった。
 そして芳香が強くなってきたとルティが感じた時、不意に林の奥が開けた場所に出た。小さな花畑がそこにあり、心が清められるような匂いを放出している。
 思わず近寄って花を手にしてみた所でルティは目が覚めた。

 ベッドの中で目を開けたルティは一瞬、いまどこにいるのかわからなかった。
 しかし自分が見ていたのが夢だと知ってがっかりした。せっかくいい花を見つけられたのに夢だということが悔しい。頭をガリガリと掻きむしってみたが痛いだけだ。
 緑のポロシャツに半ズボンに着替えると、ルティはグレイが気になってまた鏡の裏の通路を使って彼の部屋を覗いてみることにした。あれから父はちゃんと眠れたのかどうか知りたかったからだ。

 幸いなことに朝になっているせいか、そこらの鏡から光が通路に放射されてランタンを用意する必要はない。急いでグレイの部屋に付いている鏡を見ると、ちょうど何度目かの自慰行為が終わった後のようだった。椅子には濡れたタオルがかけられているので、風呂に入っている最中にも自慰をしたのだろう。
 鏡は昨日と同じようにベットリと白濁した液体が付いている。鏡の上部から中央部分が精液が付着して見えないので、最低2回は射精したのだろう。これでは室内の様子が見えないのでルティは床にしゃがみこんでみた。

 しゃがんだルティの目に入ったのは、胸部から腹部にかけて大量の精液を付けた全裸のグレイが苛立たしげにティッシュボックスから紙を出している所だった。
 よく見るとグレイの口の周囲も必要以上に濡れている。おそらくまた自分で自分の肉棒を咥えて絶頂に達したのだろう。
 だがグレイの努力をあざ笑うかのように股間から生えた肉棒は天を突いている。まさに肉の棒そのもので、今のグレイの陰茎は鉄に匹敵する硬度を持っているように見えるほど重厚で存在感がある。

 まるで今日になってから一度も射精していないかのように、肉棒は元気一杯というありさまで重力に逆らってそびえ立っている。あまりにまっすぐに立っているので、ここまで行くと棒というよりも塔といった方がいいかもしれないな、とルティは思った。
 蔦の形をした集音器のことを思い出して、ルティは円形状の部分を左右それぞれの耳に当てる。すると室内の音や声が聞こえてきた。どうもグレイは非常に不機嫌なようだった。ティッシュで鏡を吹き終わると、室内についている連絡用のボックスを開いてゴーレムに食事を部屋に持ってくるように声も荒く命令する。

「いいからメシを部屋にもってこい! 何? スープがまだだと!? それじゃ全部出来たら俺の部屋にもってこい! いいな?」
 ガチャンとやや乱暴に受話器をボックスの中にしまうと、グレイは青色のチューブを引き出しから取り出して、それを肉棒に塗り始めた。見たところ昨日使った小瓶の中に入っていた液体よりもネバネバしているようだ。その証拠に糸を引いている。

「ちくしょう。オナホールはもう慣れちまったからあまり感じなくなっている上に腰が疲れるし、手コキだと逝くのに時間がかかって疲れるわ、フェラチオだと首や舌が疲れるわで何度もできないし…かといってあまり早くこすったりしゃぶったりすると早漏になっちまうし…まったく強壮剤や精力剤なんて少しも飲んでいないのにお前はどうしてそんなに元気なんだ!?」

 と、自分の体の一部である肉棒を叱りつけるグレイ。
 だが彼の自慢の巨大な逸物は亀頭部から透明な液体を出しただけだった。

「本当にお前は厄介な奴だよ。お前が勃起しているから俺もセックスしたくてたまらなくなる。このままだと男女問わずに襲い掛かって射精しちまうだろう。そうならないように今朝はもう5回も抜いているってのに、どうしてお前は俺の苦労を無にするんだ!? お前はそんなに俺を強姦魔にしたいのか、ええ!?」

 椅子にドッカリと乱暴に座るとハッ、ハッと息遣いも荒く粘着クリームで肉棒をしごき続けるグレイ。彼は両利きなので手が疲れたら左右どちらかの手を交代すればいいのだが、どうもグレイの逸物は刺激に対して強くなってきているらしい。クリームによって手と肉棒がこすれる音が聞こえてくる。グレイも目をつぶって気持ちよさそうにしているが、まだまだ絶頂に達するのは先のようだ。しごく速度を思いっきり早くすればいいのだろうが、それだと早く絶頂に達しすぎて、早く精液が出る習慣が付いてかえってまずくなるらしい。

 しごいているうちにクリームが乾いてきたのか、新たに継ぎ足してからまた肉棒をしごくのを再開する。
 やがて絶頂を迎えたグレイはとっさに机の上にあったコップの中にに射精した。確かにこれなら鏡や自分の体を汚すこともない。
 亀頭を指でつまんで残っている白濁液を全部出してコップに入れると、グレイは浴室に行ってシャワーを浴び始めた。ここからでは見えないが、浴室についている鏡もあるはずなので隣の鏡を覗いて見る。
 するとやっぱり浴室に付いている鏡があったので、ルティはグレイがシャワーを浴びている姿を見ることができた。だがさっき射精した回数を入れると6回も出したにも関わらず、まだ肉棒は元気良さそうに勃起している。
 しかしグレイは肉棒を無視して、付着した粘液を洗い流した。
 そしてシャワーを止めて新たなバスタオルで体を拭いて服を着始める。
 怒張している肉棒もズボンの下に押し込んでからボタンを閉めてチャックを上げる。
 そこへグレイの部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。

「入れ」とグレイが短く返事をするとドアが外側に開いて、コミカルな印象のある丸っこいゴーレム達が朝食を運んできた。
 しかし料理を置く場所がないので、グレイはベランダに運ぶようにゴーレム達に指示した。
服を着終わったグレイの股間は盛り上がってはいない。朝から6回も射精したせいか肉棒も萎えてきたようだった。シャワーを浴びている時に勃起していたのは勢い良く噴出する湯水で刺激されたからだろう。

 何はともあれ、やっとグレイは落ち着いた感じで朝食をベランダで食べ始めた。
 その光景を見ていたルティは安心して自分の部屋に戻ることにした。

 部屋に戻ったルティは、もうすぐ朝食の時間だということに気が付いた。鏡のドアをしっかりとロックしてから部屋の外へ出て1階へと降りてまた大きなテーブルに着く。
 いつもならグレイが来て一緒に朝食を食べるのだが、ゴーレムからグレイは部屋で食事をしていると聞いたルティは気のない返事をしてやり過ごした。
 朝食を食べ終わった時、グレイが階段を下りてきた。口うるさくて小言を言うグレイだが、普段はは陽気な性格だ。ルティが興味のない遺跡のこととかモンスターの情報を一方的にベラベラと食事の度に喋っている。
 だがグレイはいつにも増して上機嫌なようだった。

「どうしたの父さん? 何だかご機嫌だね」とルティが聞けばグレイはにっこりと笑って
「わかるのか? いやな、ちょっと厄介なことを早めに片付けられたんでな。でもそのせいでお前と一緒に食事できなかったのが残念だったな。俺がいなくて寂しくなかったか?」
「あんまり。それより父さん。ジャムが付いているよ。取ってあげるから動かないで」

 と、言うなりルティはテーブルの上にあった絞られた布巾を手にして、グレイのズボンの前を拭いていく。
 確かにグレイの股間の辺りにはストロベリージャムが付いていた。朝食を食べた時にパンから落ちて付いたのだろう。だが早めに欲求不満を解消できたグレイは嬉しさのあまり気づかなかったようだった。

「お、おい待て。俺は自分でできるからいいって…」

 ルティが力を入れて股間の辺りをゴシゴシと拭いているうちにグレイの肉棒はすぐに勃起しはじめた。もともとグレイは下着を身につけない主義だ。排便・排尿はどうするのかというとマジックアイテムを使って食べたものは100%消化・吸収しているのでトイレに行く必要はなく、下着を付ける必要もないのだ。

 こうしていれば亀頭がズボンの中でほどよくこすれて、早漏とは無縁になれる。だが今回ばかりはこれが仇になった。チャックを押しのけるようにしてズボンの前が急速に盛り上がっていく。こうなるとグレイ自身にもどうすることはできない。同時にファスナーも下がっていき、グレイの怒張した肉棒が半分下りたチャックの空間から勢い良く現れた。
 グレイは忘れていたが、ファスナーのホックを上向きにしたままで下向きにするのを忘れていたのである。これではチャックが下りやすくなってしまう。
 そしてグレイが穿いているのはジーンズではなかった。割と使い込まれた古いタイプのズボンなので勃起したらホックが上向きになりやすい。
 
 ルティはズボンを拭く手を止めてマジマジと肉棒を見つめた。石鹸の香りがするのは先ほどシャワーを浴びたせいだろう。グレイは予想外の事態に完全に硬直してしまっている。
 ルティは布巾を裏返しにするときれいな部分で肉棒を掴んで拭き始めた。

「な、何するんだよ。そこはどこも汚れてねーぞ!」と顔をトマトかリンゴのようにして怒鳴るグレイ。だがその声はどこか弱弱しい。
「いや、汚れがズボンの内側まで染みこんでいるんじゃないかと思って。それから父さん」
「な、何だよ」
「パンツはちゃんと穿いた方がいいよ。それとおしっこしたらちゃんと拭いてきれいにしておかないと」
「ち、違うんだルティ。それはおしっこじゃなくて…」
「そうかな? でも拭く必要はあるでしょ? このままじゃズボンの中が汚れちゃうし」

 と、亀頭部から出ている小さな豆粒大の雫であるカウパー氏腺液を布巾で拭き取るルティ。2本の指で亀頭をグリグリと圧迫して出てきた液体もふき取る。後は肉棒をズボンの中に入れてファスナーを引き上げる。ズボンはパンパンに膨れ上がっているがもはやグレイはそんなことを気にする余裕もない。

「これで綺麗になったよ。さ、お仕事がんばってきてね」
 
 と言って、食器を集めて台所まで持っていく。後にはズボンの股間の部分を突き破らんばかりに膨らませている逸物の持ち主であるグレイが残された。彼は唖然とした感じでしばらくの間、その場に立ち尽くしていた。

 一方ルティは台所に行って食器を流しに置くと、入り口に戻ってこっそりと父の姿を探してみた。案の定まだそこにいる。ズボンの前をテントのように膨らませながら呆然としている。

 ルティがグレイの肉棒を見ても冷静だったのは彼の自慰行為を見ていたからだ。とはいえ内心ではグレイがどういう反応を示してくるのか怖かったことは否めない。

 だからルティはグレイが後を追ってきたらどう対応すればいいのかわからないので足早に台所から離れた。後はゴーレムに任せておけばいいので、ルティは別のドアを使ってかなり遠回りしながら自室へと戻っていった。鏡のドアはそこいら辺にあったが、グレイに見つかる可能性があるので危険だから止めておいた。今は夢で見たあの場所が気になる。

 お昼ご飯を食べたら行ってみようとルティは決心した。一輪摘んでグレイにプレゼントすれば喜んでくれるかもしれない。

 しばらくの間立ち尽くしていたグレイは壁にかけられていた時計を見た。どうやら20分ほど立ち尽くしていたらしい。きちんとルティに説明しようと決心して台所に行ってみたが、そこには誰もいなかった。どうやら別のドアから出たらしい。意気消沈したグレイだがズボンの中の肉棒はルティに触られたせいかカチカチに固くなっていて未だに大人しくなる気配がない。
 
 20分も別のことを考えていたのに勃起したままだったので、グレイは部屋に戻って手と口を使ってそれぞれ一発ずつ抜いて肉棒を大人しくさせなければならなかった。それから彼はようやく大人しくなった肉棒をズボンの中にしまって、いつものように屋敷の地下にある遺跡へ降りていった。
ルティもちょっと混乱しています。だからグレイと顔をあわせないようにして別のドアから立ち去ったのです。