警告
この作品は<R-18>です。
18歳未満の方は
移動してください。
極悪ホテルから移動したグレイ達。やっとまともな観光ができると思ったが、今日は日曜日。人が多くてどこも落ち着いて観光できそうにもない…
第二十五話「地下への階段」
その日の夕方6時に新しいホテルに移ったグレイ達はロイヤル・スウィートルームの中で盛大に愛を交していたのがついさっきである。
グレイは2人の獣人に犯されても平然としているルティに安堵すると同時に、少しだけ嫉妬による腹立たしさも感じた。
そこで立ち松葉の体位のままで何度も互いに絶頂に達した。これは女性の方がきついのでグレイは1度射精したらすぐに他の体位に切り替えるのだが、今夜に限っては立ち松葉のままだった。
もちろんルティが浮気したわけではない。むしろルティは被害者だ。
それでも他の男と笑いながらセックスするのは何故かむしょうに腹が立つ。それが酒を飲まされて酔っていたとしてもだ。これでルティが泣いていたら優しく抱きしめて正常位でソフトなセックスをしていただろう。
だが彼の嫉妬のせいで荒々しいセックスを今晩はしてしまった。全て終わった後で軽く後悔していると、ルティはやっと柔らかくなった彼の肉棒に何度もキスをして言った。
「この耐久性、この精力と体力。さすが父さんだね。他の人なんかより父さんの方がずっと素敵だよ。やっぱり父さんが一番だね」
…と言われたら途端に機嫌が良くなってしまった。我ながら単純だと思うが、そう言った時のルティの瞳は嘘をついていなかったのも嬉しくなった原因のひとつだ。これは今までいろんな人間や獣人に会ってきた経験上、間違いない。
無邪気な瞳で褒められたら誰でも嬉しくなるものだ。グレイはすっかり気を良くして、腕にルティの頭を乗せたまま眠りについた。
朝になって心地よい目覚めを迎えた2人は早めに朝食をとると、首都内のどこを観光するかについて話し合うことにした。
だがルティは観光という言葉があまり好きではなかった。というのもホテルに置かれていた観光案内の本を読むと、どれも団体で動くものばかりで2人で動くものとなるとデートとか恋人同士のものばかりだからだ。
1人や2人でじっくり観光できる場所というものについてはほとんど触れられていない。やはり大陸最大の都市というだけあって、どこの観光名所も人で一杯なのが現実のようだった。
「温泉巡りなんてつまらないしなぁ…。でも遊園地も死ぬほど混んでいそうだから行きたくないし…」
「おい、温泉巡りってのはな。基本的に中年から老年の大人が行くもんなんだぞ。お前子供だろうが。それに観光するのはこの首都内だぞ」
テーブルの上に肘をついて呆れた口調で呟くグレイを少し睨むと、ルティはまたパンフレットを読む作業に戻る。目が覚めてから2時間近くこうしていろんな観光関係の資料を見ているが、未だに行きたいという内容のものは見つからない。あったとしても集合場所は人が多くいてとても落ち着けないものだということをグレイから聞いて諦める、ということの繰り返しだった。
とにかく大陸最大の都市というだけあって人が多い。しかも今日は日曜日だ。休日なだけあって今日は観光するには向いていない。
楽しめる観光となると料理店巡りとか考えられるが、ルティもグレイも料理店の前に並んで待つほど食べたいとは思わない。
となると、後はルティの趣味に合う図書館に行くことも考えられたが、平日ならまだしも今日はルティのような読書好きの子供で一杯なのでやめたほうがいい。と、子供で一杯の図書館内部を見たグレイのアドバイスによって却下された。
とにかく幼児が泣き喚くので落ち着いて読書に集中できないのだという。それは都内に設置された公園とかでも同じだ。
それなら博物館に行けばいいということになったが、グレイによると予約していないと入れないほど多くの観光客が押し寄せているという。今から予約すれば明日には入れると聞いたが、検討しておく程度にした。それだけ多くの人数の観光客が来る博物館となると落ち着いて展示物を見られないと思ったからだ。
こうしてせっかく早く起きたのに、行く先が人で一杯という現実にルティは苦心惨憺して何とか落ち着いて行ける観光名所を見つけることができた。
それがアリアーラ教会である。神々の1柱である光の女神アリアーラを崇める者達が建てた教会は田舎でも美しいと評判だ。
特にこの首都では大陸でも最大規模の教会が見られる。
もちろん信者でなくても中に入って礼拝することが可能だ。その場合、祈りを妨げるやかましく泣き喚く幼児を持つ親は、あらかじめ育児室に預けておく必要がある、とパンフレットから知って俄然ルティは行きたくなった。とにかく24時間、365日の間休みなく朝早くから夜遅くまで開いているという内容に感心したからだ。
「教会かぁ…。俺はあんまり興味ないな。何ていうか辛気臭いというか…。ま、お前が興味あるんならいいんだけど…」
と、最初は難色を示していたグレイだったが、ルティがグレイのイチモツをしゃぶったり、手で逝かせてやると、とたんに機嫌が良くなって10時には教会に行くことになった。寒いので厚着して行く2人。すでに街には多くの人がたむろしており、屋台の数も多い。観光客目当てのものだろうか。ちょっと大通りを外れると馬車を改造した屋台も見かける。これなら馬がある限りどこでも屋台が開けるだろうとルティは思った。
しかしよく見ると、馬車を引いているのは全てゴーレムの馬ばかりだった。グレイによると馬は馬糞を垂らすので、首都内に入るには厳しく制限されるのだという。確かにゴーレムだと購入時の値段はとても高いが餌や馬糞の心配はいらないので安心だ。
幸いなことに教会本部はここから近くにあるそうなので、2人は徒歩で移動している。あちこちに大きなホテルが建っているので初心者は迷うが、近くまで行くと信者と思われる老夫婦や青年を見かけたので、探さなくても彼らの後についていけばいいということがわかった。
そして歩くこと10分。ホテル街の端にそれはあった。
青で統一された美しい建造物。その建物の大きさはルティ達が泊まっているホテルに勝るとも劣らないほど大きい。
そのまま信者達に紛れて2人は教会内に入っていく。巨大な礼拝堂に着いた2人はあまりの広さに息を呑んだ。
とにかく広い。劇場2つ…いや3つは入るほどの広さだ。こんなに大きくて声は届くのかとルティは思ったが、どうも魔法で声を遠くに届かせることができるらしい。
さっそくルティは空いている席に座って祈りを捧げた。グレイも隣に座って祈る振りをしておく。そうしないとルティにうるさく言われるし、ここで振りだけでもしておかないと他の信者達から睨まれて、首都での観光がやりにくくなる。
30分ほど礼拝堂にいた2人は今度は教会のあちこちを見て回ることになった。一般の者が入れる所は限られているので、聖遺物や教会に寄付した貴族などの像が置かれた建物を見学する。それは大体40分ほどで終わった。
そのまま帰るのはしゃくだったので、2人は信者の案内がなくてもいいものはないかとそこら辺をぶらついてみた。幸いグレイが保護者として付いているので、特に咎められたりはしない。裏庭に置かれている聖人像の後ろには林がある。看板が立てられているので、それを読むとそこにある道を行くと墓地になっているようだ。道の左右に置かれた無数の墓石を見たルティはポツリと呟いた。
「行き止まりだね」
「ああ…うん? ちょっと待て」
林の中にできた道を外れて、グレイは奥にある墓石へ近づいていく。そして墓石の前に屈んで何やらじっと見つめていたかと思うと、墓石を触りはじめた。
「ちょっと父さん! 何やってるの!? お墓にそんなことしたら駄目じゃない!」
「いいから黙ってろ。この墓、何かあるぜ」
有無を言わせぬ真剣な声でルティを黙らせるグレイ。その顔はいつのまにかトレジャーハンターのものになっていた。
グレイは墓石を押したり引いたりしていたが、動く様子はない。顎に親指の先を当てて考えていたグレイはまた墓石に手を当てる。
すると墓石が回転した。そのまま回していくと墓石の後ろに地下へと続く階段が現れた。
「やっぱり何か仕掛けがあると思ったんだよな。さ、ルティ。ちょっと下りてみようぜ?」
「でも、ほんとに大丈夫なの? 下りたのはいいけどこのまま帰ってこられないんじゃないかなぁ?」
「俺を誰だと思っている? トレジャーハンターのグレイ様だぜ? 大丈夫、お前1人くらい守ってやるさ」
グッと親指を立ててウインクする父に、これは何を言っても駄目だと思い、ルティは父に続いて階段を下りていった。
教会の地下に何かある…ミステリとかホラーではよくある要素ですが…。