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警告   この作品は<R-18>です。 18歳未満の方は移動してください。
うーん。なかなか話がすすみませんねぇ……(汗)
始まったばかりの話でもあり、出番待ちのキャラが暴走しても何とかなりそうに思える今日この頃です(笑)
07:帰還
車が車両用入り口を通過し、玄関前のロータリーに滑り込むように静かに停車すると運転手は素早く車から降りて後部座席に周りドアを開けた。

「お帰りなさいませっ!先生っ!!!」

俺は若さ溢れる大切な家族達の声を聞きながら答えた。

「おうっ!今帰ったぞっ!俺のいない間もサボらずちゃんと精進してたかぁ?」

からかうようにして言った俺の言葉に対し、若干18歳にして氷室家ウチの体術のほぼ全てをマスターし、尚且つ学業は勿論のこと礼儀作法もそつなくこなす氷室ウチの塾頭であるタケルが俺に訴えた。

「先生っ!お言葉ではございますが、私のような古参者であれば先生のそのお言葉もご冗談として理解いたしますっ!しかしこのような新参者の幼子もおりますゆえなにとぞご容赦を……この家にいる者の中で先生に感謝しない者はおりませんので……」

タケルは涙を溢れさせながら自分にすがりつく幼子を抱き締め、優しく頭を撫でていた。

「すまない武……俺が不用意だった。お前にはこれからも苦労をかけるが今まで以上にこの家と家族達を守ってくれっ!」

「ハイッ!先生っ!!!」

若者らしく元気に答えた武は、抱いていた幼子を天高く掲げながら語りかけた。

アズサ、先生は見た目は怖いけど優しい方だっただろ?先生や涼子様、京様や皆のためにいっぱい勉強してご恩に報いるんだぞっ!」

「うんっ!武お兄様っ!」

俺は武達の姿を見ながら今まで自分がやってきたことが間違っていないことを確信し、嬉しかった。

俺ん家(氷室家)は他家と異なり、執事や侍女という制度をとっておらず、俺が理事長を務める孤児施設から男女を問わず優秀と思われる子供達を選抜し、年長者が面倒を見ながら手本となって年少者を指導し、年少者は年長者を敬いながら助けるといった形態で学業、体術、礼儀作法等を指導し、己がその場所場所で何をすれば良いのかという社会に出てからは誰も教えてはくれないことを学ばせている。

無論、選抜されなかった子供達にも就職を希望する者には俺の名前で保証人になり、進学したい者には無利子で奨学金を出している。

俺の代から始めたこの事業もようやく軌道に乗り、問題を起こす者も奨学金の返済を遅らせる者もなく今では多くの者が鷲津一族が運営する企業や他家にて働き、高い評価を受けている。

まぁこんなことしてっから涼子や京に贅沢のひとつもさせてやれねぇんだけどなぁ……

「お帰りなさいませっ!お父様っ!!!」

感慨に耽る俺に挨拶と同時にに気配を消し、音もさせず五歳児とは思えぬ速さでダッシュして愛娘が俺の首に抱きついた。

「京、元気だったかぁ?また腕を上げたみたいだなぁ?お父さんも寸前まで気づかなかったよっ!」

俺が愛娘の成長を褒めながら頭を撫でていると、車から降りた椿は親子の感動の再会に水を差すかのように目を大きく見開き、口をパクパクさせながら俺に問いかけた。

「ねぇ……この娘はいったい何処から出てきたの?わっ、私も氷室家ココではかなりレベルの高い護身術を身につけたはずなのに、まったく気づかなかったわよ……(汗」

「まぁ血ってやつだろうよっ!」

俺は椿の問いかけに簡単に答えると玄関先まで出迎えに来ていた愛妻と恒例である帰還の挨拶を交わした。

「また死に損なっちまったから暫くまた世話になるっ!」

「生き残ったものは仕方がないから養ってあげるけど、次は鷲津家の為に死んできなさいっ!」

俺達夫婦間では任務を遂行し、お互いの無事を喜び合う恒例の儀式であっても官吏系の出である椿には少しばかり刺激が強かったらしい……

「なんなのですこれは……?」

俺から降りた京はいまだ意味がわからないという感のある椿の周りをクルクルと回りながら俺に聞いてきた。

「お父様、このオバサンはどなたですの?それに政影様の姿が見当たりませんが?」

「オバサン……!?」

呆然としていた椿も『オバサン』というフレーズに敏感に反応したらしく、こめかみに青い筋を浮き上がらせ、冷たい微笑みで京に聞いていた。

「京っ!その方は綾波家のご息女で、まだ結婚もされていないお姉さん《イキオクレ》なのですよっ!」

涼子っ!それじゃまったくフォローになっちゃいないだろ……?

「京、せめてお姉さんとお呼びしなさい……クククッ。それにあの馬鹿マサカゲは最近では一人で仕事をしてるからお父さんと一緒じゃないんだよ。」

俺は必死に椿に対しての笑いを堪えながら京に説明をしたが、京は俺が見たこともない粘り気を帯びた瞳で俺と椿を見つめ、恨めしそうに言い放った。

「お父様が帰って来ると聞いて、私の許婚フィアンセである政影様をお連れになると思っていたのに、政影様に纏わりつく『悪い虫』をお連れになったのですねっ!」

京は聞き捨てならない言葉を言い終えると、呆然とする俺と椿を無視するかのようにそそくさと屋敷に消えていった。

「まぁ君ったらあんな小さな子にまで……」

「あの馬鹿マサカゲ……俺の手で確実に地獄に送ってやるっ!」

京の後姿を見送りながら俺達二人ははお互い小さく肩を震わせていた。



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