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投稿システムになかなか慣れません…(泣)
02:深夜の訪問者
『コンコンッ』

「夜分遅く申し訳ございません。政影様に至急お伝えせねばならぬことがありまして、ご迷惑を承知でお伺いいたしました。」

扉の向こうからは事務的で、拒否することを決して許さぬような冷たい冷気を帯びた女性の声が聞こえてきた。


俺の腕の中で幸せそうに眠る瞳にシーツをかけてやりながら俺がベッドから身を起こし、面倒臭そうに声の主へと答える。


「あぁ楓姉さんか?鍵ならいつも通り開いてるから、遠慮しないで入りなよ。てかなんで敬語なんだよ?」


声の主は【綾波 楓 24歳】俺の従姉妹(母親の妹の娘)であり、綾波家の次女である。彼女は2年前に国内最高峰と言われるT大を主席で卒業したにも関わらず、卒業と同時に如月家うちに花嫁修業という名目で侍女として働いている変わり者だ。


「あれ?楓姉さん、聞こえなかったの?鍵は開いているよ。」


暫くの沈黙の後、『ガチャッ』と静かな音をたて扉が開いた。


「楓姉さん、こんなに夜遅くまでごお疲れ様っ!」


俺は瞳の頭を優しく撫でながら、楓姉さんに労いの言葉と同時に極上の笑顔を投げかけ……


「はいぃぃぃ?(杉下 右京 風)」


目の前には普段から大きな可愛い瞳を更に大きくし、ご丁寧にもこめかみに青い筋を浮き上がらせながら、肩をワナワナと小刻みに震わせている楓姉さんがいた。


「なにがお疲れ様っよ。たったいま新人侍女に手をつけましたって人が、よくもそんな爽やかに言えたものねっ!このクサレ外道の毒チ○コがぁぁぁっ!!」


毒チ○コって……『綾波家のご令嬢が言うセリフかいっ!』と、俺は心の中で突っ込みを入れながら、爆笑したい気持ちを堪えて楓姉さんに問いかけた。


「クサレ外道って。(あえて毒チ○コはスルー)楓姉さんもヴァージンでもあるまいし、そんなにムキになって怒らなくてもいいんじゃないの?瞳も同意した上での行為セックスなんだしさぁ……」


「なんですってぇっ!?私たちは、貴方をそんな軽い男に育てた覚えはありませんっ!」


楓姉さんの言葉と何かが切れる音を聞きながら、俺はこれから繰り出されるであろうワンパターンな攻撃を予測すると、右手の掌を自らの顔前(顎あたり)にあてがって楓姉さんの拳を掴もうとしたはずだったのに……


「えぇぇぇぇっーー!?」


楓姉さんから繰り出される拳は、予測していた通りの軌道とスピードで俺の掌に納まるはずだったのに……高速での捻りを加えられた拳は掴もうとした俺の指を難なく弾き飛ばしながら、俺の掌ごと顎にヒットしていた。


「ガハァッ!コ、コークスクリューブロー?綾波家は官吏系の家系だろうがっ!グッハッ、なのに何故?てかいつの間にそんな高等テクニックを?」


「あらあら……かなり驚きのようねぇ?例え油断していたとはいえ、武系筆頭である如月家の当主が官吏系の出である私に、ましてや女の攻撃を受けるなんて夢にも思わなかったでしょう?フフフフッ……」


楓姉さんは呆然とする俺を見つめながら一頻り悪戯っ子のような笑みを浮かべた後、真顔になって俺を諭すように話し始めた。


「まぁ君、貴方は自分の置かれている立場を理解しているの?」


『まぁ君』楓姉さんをはじめ親交の深い一族のお姉さま方が、プライベート時に使う俺の呼び方だ。俺もそろそろ二十歳になるんだし、恥ずかしいからいい加減にその呼び方は辞めてくれと懇願する度に却下されていたフレーズだ。


「えぇ、理解していますとも。如月家の当主として草薙家、神薙家、氷室家の三家を率いて鷲津家とその一族を影からで守るってやつでしょ?」


「えぇ、その通りよ。」


何故か悲しそうな瞳で俺を見つめる楓姉さんを無視しながら、俺はいつ以来だろうか、己の中の感情を全て出し尽くすかの如く子供のように喚き散らしていた。


「別に俺が自ら如月家の当主になることを望んだ訳じゃないっ!その守るべき一族からも俺の存在を認められず、ましてや一族の中の誰かから俺を……如月家の者を殺せっ!殺せっ!って声が毎日のように頭の中に響いてくるんだ。俺は父さんや兄さんたちのように優れた能力チカラがある訳ではないのにね……二人してあの凄惨な地獄の中で、こんな俺を庇って微笑みながら死んでしまったんだよ?楓姉さんに俺の気持ちなんてわかんないよぉぉぉっ!!」

一頻り喚き散らした後、息を落ち着かせながら俺はあの日以来、自分の中で禁じていた熱いものが頬を伝っていたことを感じていた。

「瞳、気がついたのであればご自分の部屋で休みなさい。それから今聞いたことは他言無用ですし、記憶から消し去ることが貴女の身の安全のためなのですから……」

楓姉さんが優しい笑顔と涼やかな声(絶対零度の覇気)で瞳に部屋からの退出を促すと、下着とパジャマを抱えた瞳が、裸のままそそくさと部屋を出ていってしまった。



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