警告
この作品は<R-18>です。
18歳未満の方は
移動してください。
あと2、3話の後に主人公視点視点&微エロを書く予定なので読者の皆様方、どうか作者を見捨てないでください……(泣)
10:葛藤
夕食が終わり、後片付けを済ませた子供達は自室に戻って勉強をする者、レクレーションルームでテレビを鑑賞る者などに別れて庵を後にしていた。
「椿さん、すぐに戻るからオヤジの相手をしててくださいね。」
涼子は子供達を見送り、自分の膝の上でスヤスヤと気持ち良さそうに眠る京を起こさないようにそっと抱き上げ、聞き捨てならぬことを椿に言いながら京を寝かせ就けるため自室に戻っていった。
パチパチと炭が鳴る静かな空間の中、沈黙を守るかのように続けていた俺達だったが、いつになく真剣な表情で椿の瞳を見つめながら問い掛けた。
「お前が帰ってきたということは『アレ』が完成したってことだな?」
「えぇ、85%ほどは仕上がってはいるけど……」
椿は歯切れの悪い返事をしながら続ける。
「『アレ』は12年前、政秀叔父様(政影の父)が理論上では既に完成させていましたわ……その後、政秀叔父様が政明お兄様(政影の兄)と共に試験体となって研究を続けていたのはおじ様も勿論ご存知ですよね?」
「ああ……」
500年以上の歴史を誇る如月家歴代の当主の中でも最高の技と能力を兼ね備えていると称えられていた政秀様と、それに勝るとも劣らない政明さんが肉体的にボロボロになり、発狂するのではないかと思えるほどに精神的にも追い詰められながら、鬼気迫る勢いで己を試験体として研究していたのを思い出すと俺は背中に冷たいものを感じていた。
「結局、その当時の技術力では完成させることは到底不可能だった為に研究は中止され、その研究データを政秀叔父様が御前にお預けになられた直後にあの不幸な事故が起きてしまったわ……」
椿は御前から聞いたであろう過去の経緯を俺に話し、政秀様と政明さんのことを思い出し、瞳に涙を滲ませながらさらに続けた。
「そして3年前、御前がエディンバラ公よりその技術が開発されたとお聞きになり私をケンブリッジへ派遣された訳ですけど……たとえ御前の命とはいえ、私は『アレ』を完成させたくはありませんでした。あの子の……まぁ君の実力を疑う訳ではありませんけど、あの政秀叔父様や政明お兄様がお二人で試験体になられてたのに、まぁ君はこれからたった一人で残り15%のために苦しまないといけないと思うと私はとても辛くて……」
まるで心の底から絞り出すかのように話した椿の瞳からはポロポロと、まるで真珠のような涙が溢れ頬を伝って床を濡らしていた。
「椿さん、貴女達のまぁ君はそんなに弱くはないですわよ……政秀様と政明さんがお亡くなりになる直前、うちに訪ねてこられておっしゃってましたわよねぇ?」
障子が静かに引かれ、涼子がゆっくりと部屋に入ると椿を優しく諭しながら俺に問い掛けた。
「あぁ、確かにあのお二人は『政影は鷲津一族にとって希望の光りであり、未来である』と確かに言われていたな……しかしながら今のあいつの所業を傍から聞いていると、何故あの時お二人が揃ってあのような事を言われたのか理解に苦しむがな……ハァ〜(苦笑)」
俺は涼子の問い掛けに答えながらも奴の所業に頭を抱えながら大きなため息をついていた。
評価にて視点が変わり過ぎだとご指定を頂いたばかりではありすが、次話ではウルトラ鈍感な圭吾君よりは大人の女性であり、政影の良き理解者でもある涼子さんの方が適任であると思い、涼子さん視点で書こうと思っておりますのでご理解のほどよろしくお願いいたします(汗)
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