ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
警告   この作品は<R-18>です。 18歳未満の方は移動してください。
36 海+千雨+麻衣=?
「純平ー!こっち、こっち。」

クラスの友達数人でやって来た海。
夏休みだが平日という事もあり、人込みは然程多くもない。
はしゃいでる小学生はいたが、疎らといった所か。

「純平ー!聞こえてるでしょ!」

大声で叫ぶ千雨の声がよく響いていた。

「元気だね。」

「だな。麻衣は泳がないの?」

「うーん。もうちょっとしたら。」

恥ずかしいのか、日陰に座って海に入ろうとしない麻衣。
せっかく楽しみだった水着姿も、上から上着を羽織ったままの格好だった。
俺としてはちょっぴり残念。
それでもおっぱいの膨らみや体の線は何となく分かるだけに、近くにいただけでドキドキしていた。

「何してるの!」

そんな俺と麻衣の元へ、お節介な千雨がやって来る。

「いいからみんなと泳いでろよ。」

1人で砂浜に座っている麻衣を気遣ってる俺の気持ちを察してくれればいいものを・・・。

「純平、泳いできていいよ。」

「ほら!麻衣もそう言ってるじゃない。」

「そうだけどさ・・・。」

麻衣とは対照的に、堂々と水着姿で俺の前に立つ千雨。
それにしても麻衣と比べると千雨の貧乳ぶりがよく分かる。
膨らみにも満たない小さなおっぱいに華奢な体。
女子の間では痩せてて羨ましいと言われてるらしい。
俺的には、もうちょっと太ってもいいと思えるぐらいスラリとしてる。

「どこ見てんのよ。」

胸の前で腕組みをする千雨。
いつにも増して威圧的な態度に見える。

「・・・見てねーって。お前の貧乳なんて。」

「そんな事言ったってさぁ〜・・・ふふ〜ん、いいのかなぁ。そんな事言ってぇ。」

勝ち誇った笑みを向ける。
すぐに昨日の事が頭を過ぎる。

「や、止めろよ。」

話す訳ないとは思いながらも、後ろめたい気持ちになるのは何故だろう。
俺と千雨のやり取りに麻衣は意味が分からず、苦笑いを浮かべて見てるだけだった。

「ホントに私に気使わないで。」

麻衣は困った顔を俺に向けた。
どうやら千雨と違い、俺の気遣いが伝わっていたようだ。

「じゃあ、純平。行くわよ。」

そう言って俺の手を取ると強引に引っ張る。

「んじゃ、ちょっとだけ行ってくる。」

「うん。」

手を振る麻衣を置き、仕方なく千雨に引っ張られて浜辺に向かっていた。

「他の連中と遊んでろよ。」

「何でよ。せっかく海来たんだからいいじゃないの。」

1人座ってる麻衣の事も考えて欲しい。
だいたい俺がいなくなったら、他の奴が麻衣の所に行くかもしれない。
ただでさえ恥ずかしいのに、俺以外の奴が麻衣の側に行ったら麻衣が困る。
それに麻衣の水着姿を見られたら何か悔しい。

パシャ!!!

「うわっ!」

考え事をしてる俺に降りかかる海水。

「何ボーっとしてんのよ。」

手で水を掬うと俺に向かって容赦なくかけてきた。

「あははっ!」

千雨は屈託のない笑顔を俺に見せている。
普段もこんな笑顔を見せてれば、もっとかわいげもあるものを。
昔から変わりない千雨の笑顔は何だかホッとするものがあった。

「てめぇ〜、ふざけんなよっ!」

「うるっさい!」

結局、遊んでしまえば麻衣の事は忘れてしまっていた。
千雨や他の連中と遊んで時間が過ぎていく。
麻衣の姿がない事にも気づかなかった。
慌てて周りを見渡すと、遥か向こうの方に姿が見える。

「ど、どこ行ってたんだよ。」

「1人で向こうで泳いでた。誰もいなくて気持ち良かったよ。」

「何だよ。言ってくれれば・・・。」

何故俺やみんなと一緒に泳がなかったんだろう。
元気がないように見えるのは気のせいじゃなかった。

「あー、楽しかったね。」

「麻衣もみんなんトコに来れば良かったのに。」

「そうだね。ごめんね。」

帰り道も口数の少ない麻衣が何だか気になっていた。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。