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19 悩み事 〜由衣side〜
「よいしょっと。」

「由衣って胸大きいよね。」

体育の授業前。
持ってきた体操着に着替えてると、友達にそんな事を言われる。

「えっ?そ、そんな事ない・・・と思う・・・けど。」

「大きいってば!」

「そうそう。」

否定はしたけど、本当は自分でも気づいている。
一昨年辺りから急激に成長してきた私の胸。
最初は大きくなるのが嬉しかったんだけど、まさかこんなに大きくなると思ってなかった。
今では私にとって深刻な悩み事になっている。

「紺野、もっと腕振って走れー!」

体育の授業が始まると、先生の注意の声が聞こえていた。
理由も分かってる。
恥ずかしいから腕で胸を隠しながら走ってた私が不自然だったからだと思う。
結局、恥ずかしいけどこれ以上注意されたくない為に、仕方なく腕を振って走り始めた。
抑えがなくなった胸は私の前でユッサユッサと揺れている。
被害妄想かもしれないけど、男子の視線が胸に注がれてるような気がしてしまう。
実際“でかい”とか“揺れてる”とか、はっきりと耳にする事もあった。
しかもそれは学校だけに留まらない。
通学途中のすれ違う男の人の視線も向けられてるような気がしてならない。
小さい頃、大きくしようと牛乳を飲んでた自分を後悔していた。

「何かね、先生にすら見られてる気がするよ・・・。」

「それは気にし過ぎじゃない?」

帰り道、仲良くなった友達に思い切って話してみた。
気にし過ぎと言われると確かにそうかもしれない。
昔から悪い方にばかり考えてしまうのは、私の悪いクセでもあった。

「小6で巨乳が悩みなんて・・・。」

「深刻な悩みなの!エッチな目で見られてるような気がするし、走ると大変だったり、おしゃれだって・・・。」

「あー、もう分かったってば。」

私のネガティブな愚痴に友達も呆れてる。
これからの事を思うと尚更悩んでしまう事が多かった。
暑くなり薄着になれば、さらに胸が目立ってしまう服装になる事。
1番嫌なのは水泳の授業。
水着にならなきゃいけない。
憂鬱で仕方なかった。

「でもさ、男の子って巨乳好きって聞くよ。」

「そんなの分かんないじゃない。」

「みんな見てるならそうじゃないの?私はおっぱい大きくて羨ましいって思うなぁ。」

「・・・珍しがってるだけだよ。」

慰めようとしてるんだと思った。
でも、そう言われてみると少しだけ楽になったり。
本当にそうなのかな?
確かめる手段はないと思っていた。

「そう言えば・・・。」

誰にも聞ける訳ないと思っていた。
でも、お兄ちゃんなら聞いても大丈夫かもしれない。
私には今は心強い味方のお兄ちゃんがいた。
お兄ちゃんも私の胸が大きい事を言ってた事もあった。
何より、お兄ちゃんなら間違った事は言わないと言う信頼感がある。
ちょっと恥ずかしいかもしれないけど聞いてみよう。
何事も解決しないと気が済まないのは私の真面目な性格だったと思う。
早速その日の夜、お風呂上りにお兄ちゃんの部屋に向かっていた。


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